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意外と複雑!日本のサッカー界における審判制度の仕組みと資格

2021.09.08

サッカーの試合を成立させるにあたって、選手や監督などと並んで重要な存在が「審判」である。近年はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されたことにより、審判に対する注目度も増している。

階級が1級~4級に分かれているなど、意外に複雑な日本サッカー界の「審判制度」。そこで今回は日本サッカー界での審判制度の仕組みを分かりやすく紹介していく。

審判制度の概要

日本サッカー協会(JFA)、あるいはその傘下にあるサッカー協会(各都道府県のサッカー協会)が主催するサッカーやフットサルの試合の審判を務めるためには、資格が必要となる。

Jリーグなどのプロの試合に限らず、小学生の試合でも各都道府県サッカー協会が主催する公式戦の場合は、必ず“審判資格”を有した人物が審判を務める必要があるのだ。

通常は主審と副審2人で行う

通常の試合においては主審1人、副審2人で行われる。これ以外に競技会規定に基づいて任命される第4の審判員、追加副審(ゴール裏などに配置)、VARを配置する場合がある。

主審は、競技規則を施行し、競技規則の範囲におけるすべての権限を有する。すなわち、副審やVARから助言を受けることがあっても、最終決定を下すのは必ず主審でなければならない。

副審は、フィールドのタッチライン外側(主審が原則的には移動しない側の仮想対角)半分のサイドに各1名配置され、主審を援助する。オフサイド有無の確認を行うことが主な役割であり、オフサイドがあった場合は旗を上げて主審に知らせる。

第4の審判員の役割とは?

選手交代の手続きを管理しボードを掲げたり、アディショナルタイムをボードで掲げるのが主な役割。または3名の審判(主審1、副審2)が負傷や体調不良などの理由で職務続行不可能な場合にその代わりを務める。

VARとは?

近年、サッカー界に起こった大きな変化がVARの導入である。VARはビデオアシスタントレフェリーの略称であり、別の場所で映像を見ながらフィールドの審判員をサポートする審判員を指す。どの試合でも導入できるわけではなく、国際サッカー評議会の承認を受けた組織、スタジアム、審判員でなければ使用できない。

VARはすべての事象に介入するわけではなく、役割はあくまでもフィールドの審判員のサポートである。VARは、最良の判定を見つけようとするものではなく、「はっきりとした明白な間違い」をなくすための仕組みとなっている。

ph.FAB / Shutterstock.com

サッカー審判の資格とは?

上記で触れたように、サッカーの公式戦の審判を行うにはカテゴリーにかかわらず、審判資格を有している必要がある。

日本のサッカー審判の資格は1級~4級に分かれており、2021年4月1日時点で計26万1,149人が登録されている。このうち、プロの審判として活動する人を「プロフェッショナルレフリー」と呼んでおり、彼らはワールドカップなどの国際大会で審判を務めることができる。一方で、Jリーグの試合で審判を務める人の中でもプロフェッショナルレフリーは限られており、多くの審判が“別の仕事”を抱えているのが現状だ。

各級ごとに担当できる試合は変わる

審判資格はそれぞれの級数に応じて、担当できる試合のレベルが決まっている。詳細は下記の通り。

1級

JFAが主催するサッカー競技を担当することができる(Jリーグ、ルヴァンカップなど)

2級

地域サッカー協会が主催する試合を担当することができる

3級

都道府県サッカー協会が主催する試合を担当することができる

4級

都道府県サッカー協会を構成する支部、地区/市区郡町村サッカー協会の参加の団体、連盟等が主催するサッカー競技の試合を担当することができる。
※4級審判員で特に優れていると都道府県サッカー協会の審判委員会が認めた審判員については、都道府県サッカー協会主催するサッカー競技の試合を担当することができる。

4級は講習を受けるだけで資格付与

認定講習会を受講すれば、4級の審判資格は誰でも手にすることができる。受講料は各級に応じて分かれており、4級審判の認定講習会を一般受講する場合は2500円が受講料として徴収される。

1年に1度の審判更新

審判資格の有効期限は、当該年4月1日~3月31日となっている。いずれの級も年に1度更新する必要があり、更新をしなかった場合翌年は失効となるので注意が必要だ。更新は、所属する都道府県サッカー協会もしくは地域サッカー協会の設定する更新講習会を受講する必要がある。

※データは2021年8月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

文/praia

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