地震、台風、津波など、日本は様々な自然災害のリスクをはらんでいる。今年も各地で豪雨災害が発生したことは記憶に新しい。では実際のところ、人々は災害に対してどれほどの備えをしているのだろうか?
そんな「防災」に関する意識調査がこのほど、セコム株式会社により、全国の20代以上の500名(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上/男女各50名)を対象にして実施された。
今後の災害増加や被害の拡大を懸念する人は、2012年の調査開始から初めて9割を超えた。
今後の災害増加や被害拡大の可能性の有無【図1】について、「どちらかといえばそのように思う(54.8%)」「そのように思う(35.8%)」の合計が90.6%と、災害の増加や被害の拡大を懸念する人の割合が2012年の調査開始から初めて9割を超えた。性年代別では、20代女性が96.0%と最も高く、危機意識の高さが読み取れる。
「防災対策をしていない」と回答した人は48.4%と約半数に上った。
防災対策をしているか【図2】という問いに対し、51.6%が「対策をしている」と回答し、今回の調査で初めて5割を超えたものの、いまだ48.4%は対策を講じていないことがわかった。
性年代別でみると、「対策をしている」と答えたのは60代以上の女性(66.0%)が最も高い一方、60代男性(42.0%)が最も低い結果となった。
行っている防災対策は「一定量の食料・生活用品の日常的な備蓄(ローリングストック)」が67.4%
何らかの防災対策をしている人にどのような対策をしているか【図3】聞いたところ、1位「一定量の食料・生活用品の日常的な備蓄(ローリングストック)(67.4%)」、2位「非常持ち出し袋の用意(62.8%)」と備蓄品の用意が6割を超える結果となった。
一方、「ハザードマップなどで危険エリアや避難場所を確認している(42.2%)」「テレビや食器棚等への転倒防止器具の設置(37.2%)」など、災害時に備えた情報収集や設備を導入する対策を行っている人は半数に満たないことが判明した。
防災対策をしない理由は「具体的にどのような対策をすればよいかわからないから」が5割。
防災対策をしていない人にその理由【図4】を聞いたところ、1位「具体的にどのような対策をすればよいかわからないから(50.8%)」、2位「住んでいる地域でほとんど災害が起こらないから(29.3%)」、3位「対策のための手続きや準備が面倒だから(25.6%)」となった。具体的な対策を知ることや当事者意識を持つことで、防災対策への意識が高まると読み取れる。
<調査概要>
調査期間:2021年7月9日~7月10日
調査対象:全国男女500名
(20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上/男女各50名)
調査方法:インターネットによるアンケート回答方式
出典元:セコム株式会社
構成/こじへい