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抜群のコストパフオーマンスを誇る日産「ノート e-POWER X 2WD」の完成度

2021.08.29

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 フルモデルチェンジした日産「ノート」は、パワートレインを日産の得意技ハイブリッドシステム「e-POWER」に一本化した。ハイブリッドシステムは各社それぞれに特徴を出してきているけれども、「e-POWER」は1.2ℓ3気筒ガソリンエンジンを回して発電した電気をモーターに送り、前輪(4輪駆動版もあり)を駆動する。

 つまり、他メーカーのシステムと違って、エンジンは発電のみに用いられ、駆動には使われない。ドライバーがノートを加減速するのはモーターによってのみ行われている。“発電機付きEV(電気自動車)”とも呼べるものだ。BMWのEV「i3」は純粋のEVだが、ノートと同じ考え方の、発電用2気筒エンジンを備えた「i3 EX」も併売されている。

◆機械として優れているか? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

「e-POWER」のメリットはモーターによる静かで力強く、滑らかな走行が常に行なわれることや省燃費などだ。エンジンは発電に適したタイミングで、適した回転域を、適した時間だけ回せばいい。完全な黒子に徹している。

 従って「ノート」は限りなく、EVに近い。それでいて、充電を行なう必要がなく、これまで通りにガソリンスタンドで給油すればいい。EVのデメリットがなく、メリットだけを最大限に享受しようとしているので、EVよりも利用の際のハードルが少し低くなっている。

 今回のフルモデルチェンジで「ノート」に積まれた「e-POWER」システムは、先代「ノート」に積まれていたそれの進化版で第2世代の「e-POWER」だ。原理は変わらないが、制御がキメ細かく、細部にまで及ぶようになった。

 例えば、「いつエンジンを回して充電するのか?」という課題に対しても、モーターで静かに走っている時に回してしまってはうるささが目立って聞こえてしまう。そこで、タイヤが路面と擦れるロードノイズを計測して、舗装の荒い路面などロードノイズが増加する時にエンジンを回すように制御されるようになった。

 もちろん、ロードノイズの中にうまく紛れ込ませられずにエンジンの回っている音がハッキリと聞こえてくることもあったが、先代よりはそれに気付かされることも少なく、より静粛性に優れた走行がなされていた。

 もうひとつのモーター走行の特徴である「ワンペダルドライブ」にも、フルモデルチェンジによって改良が施された。先代の「ワンペダルドライブ」では、アクセルペダルの踏み戻しだけで加減速を行ない、ほとんどフットブレーキを踏まなくても済んでいた。

 先代「ノート」では赤信号で停まる時にも、最後に停止する時までブレーキペダルを踏まずに済むますこともできていたが、新型「ノート」はそこまでやらなくなった。減速も穏やかになり、クリープを使えるようになった。

 ノーマル、エコ、スポーツという3つの走行モードのうちのエコを選ぶと右足を戻すことによる回生ブレーキが強めに働くが、それでも先代よりはマイルドだ。より一般的な味付けになり、駐車時などで使いやすくなったと思う。

◆商品として魅力的か? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

 日産は「プロパイロット」という名称で運転支援機能を展開している。新型「ノート」にも、もちろんACC(アダプティブクルーズコントロール)やLKAS(レーンキープアシスト)などが装備されていて、特に設定時の操作性や作動具合の表示などドライバーインターフェイスに優れている。

 もうひとつ「プロパイロット」に備わっている機能で他車に先んじているのが、標識検知機能とカーブ減速支援だった。標識検知機能は、高速道路や自動車専用道でプロパイロットをONにして走行中にカメラで標識を読み取り、ACCに設定した最高速度を標識通りの制限速度に変更する。

 走行中の制限速度をリアルタイムでメーターパネルやカーナビ画面内に表示するクルマは増えたが、ノートのそれはその一歩先の段階を行くもので、実際に制限速度通りでしか走れないようにすることもできる。カーブでの減速支援は、カーナビ内の地図情報を元にカーブの大きさと速度を勘案してスピードを減じるものだ。

 どちらの新機能も設定でONとOFFを選べるものだが、どちらもスピードが下り、アクセルペダルを踏んでも加速しなくなるので、慣れないと焦る。後ろから来るクルマに衝突される危険性もゼロではないだろう。来るべきレベル3以上の運転自動化のための布石となる機能で、ISAと呼ばれるものだ。新型「ノート」への搭載は非常に先進的で、日産の積極的な姿勢を表わしている。

 フルデジタルのメーターパネルとセンターパネルも今日的で高く評価できる。プロパイロットの便益を最大限にドライバーに受けられるよう設計されていて、実際に使いやすい。ドライバーインターフェイス全般も優秀。

 少し前だったら、ノートより高価格で大型のクルマにしか設定されていなかったような先進装備や快適装備などもオプションで選ぶことができるから、購入を考えている人はオプションリストを良く吟味する必要があるだろう。

 今回、試乗した「ノートX 2WD」というグレードは車両本体価格218万6800円で、メーカーオプションが85万1400円。合計303万8200円だった。コンパクトカーといえども、現代の先進技術を装備すると立派な価格になってしまう。特に先進機能はデジタル技術に司られていて、デジタルは眼に見えないから値段のありがたみをモノとして感じにくいから致し方ない。

 しかし、新型「ノート」は高額な大型車と何ら変わることのない先進技術を搭載し、快適性も犠牲となってはいない。つまり、以前のコンパクトカーのように何かをガマンしてコンパクトにしているわけではない。ボディサイズの小ささに由来すること以外、大型車に引けを取るところはない。とても良くできたコンパクトカーだと評価したい。

 ただ、個人的にはエクステリアデザインでもっと個性を打ち出して欲しかった。「ジューク」や「キューブ」のような愛嬌があったら、日産らしさを強く打ち出せたのにと少し残念に思っている。

◆ 関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/note_d.html

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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