テレワーク中のビジネスマンのメンタルケア方法5選
まだまだ終わりそうにないテレワーク生活。
厚労省の調査結果によると、コロナ禍の影響で国民の健康面や経済面の不安やストレスが強くなっていることがわかっている。調査結果からは、いまだかつてない生活の変化に対し、人々が試行錯誤しながら不安やストレスに対処しようとしている様子が見える。
そんな中、オフィス通勤から在宅勤務に切り替わったビジネスマンは、どんな対処をとるとよいのだろうか。テレワーク中のビジネスマンの心の状態を良好に保つためのメンタルケア方法をまとめた。
1.生活リズムを保つ
最も大事なのが安定した生活リズムを保つこと。
夜中でも仕事しようと思えばできてしまうし、午後まで寝ていようと思えば寝ていられるのがテレワーク。決まったランチタイムなども存在しないので、意識していなければ生活リズムはあっという間に乱れ、気分もふさぎ込んだり、心身が過剰に緊張したりしてしまう。
睡眠の質を保ち、心身の状態を整えるには一定の生活リズムが肝心だ。朝は出勤していたときと同じようにできるだけ決まった時間に寝起きし、朝はカーテンを開けて朝日を浴びて、食事も決まった時間にとるように心がけよう。
仕事量もあまり抱え込みすぎたり減らしすぎたりしないよう、できるだけ一定量を保つことが、緊張感を適度に保って心の調子を安定させるひとつのコツだ。
2.オンオフにメリハリをつける
テレワークでは上司や同僚からの目がないし、通勤や出勤退勤といった「モードの切り替え」のスイッチになる刺激も存在しない。神経がいつ休んでいいのかわからず、ストレスがたまって心身の調子を崩してしまいがちだ。
意識的に、生活の中に「オンとオフのモードを切り替えるスイッチ」を組み込むようにしよう。
たとえば、パジャマや部屋着で寝起きのまま仕事することもできるけれど、あえてビジネスカジュアルに着替えてみる。仕事を終えたらさっさとパジャマや部屋着に着替えてしまう。
夕食を食べ終わったら仕事はPCはシャットダウンしてもう触らない。スマホはナイトモードにしてなるべく見ないようにする。照明も暗くして就寝時間までリラックスタイムを過ごすようにする。
ちょっとした心がけで、張り詰めていた心身が緩み、深い睡眠がとれるようになるだろう。
3.雑談を大事にする
人は基本的に人と交流したいものだ。
テレワーク下ではコミュニケーションが最低限になりがちで、オフィスでは自然にできていたちょっとした雑談やランチタイムの会話などができなくなる。これは長期化すると気づかないうちにストレスになっていく。
仕事上の用件以外の雑談や、ちょっとした愚痴などを同僚や知人と共有できるタイミングを作るように心がけよう。手段はチャットでもいいが、チャットよりも音声、音声よりも映像と、五感的によりリアルに近いものがよりコミュニケーション欲求を満足させてくれるだろう。
同僚や知人と話しているうちに、誰かが本人の思っていた以上に参っていて、何か別のアクション(例えば専門家に頼るとか休息をとるとか)が必要なのではと気づくことがある。気軽な雑談は、楽しいだけでなく、周囲の人々と互いに支え合える、想像以上に貴重な機会でもあるのだ。
4.身体を動かす
嫌々ながらしていた通勤でも、デスクワークの人にとってはそれが日常の中で唯一の運動の機会だったという人も少なくない。通勤がなくなってしまうとその機会さえも失うことになる。
実は、身体の緊張や疲れが心の緊張や疲れにつながることがある。テレワークで深刻になりがちな目や肩首の疲れがそのひとつだ。
「仕事を1時間したら5分、PCやデスクの前を離れ、身体を動かそう」などと決めて習慣にしてみよう。余分なカロリーを消費できる機会になるだけでなく、血行を促し、心身のストレスを少しずつ解消することができて良い調子を保てるだろう。
一定時間動いていないと動くように促してくれる機能のあるスマートウォッチやアプリもあるので、いろいろと試してみるのがオススメだ。
5.1日1回は外に出る
通勤は運動の機会であるだけでなく、外のさまざまな刺激に身をさらすことによる気分転換の大きなチャンスでもあった。この不足を補うために、1日に1回は玄関の外に出るように心がけよう。
特に夕方の仕事上がりの時間帯に軽く散歩するのは、心身の調子を司る自律神経系のスイッチをリラックスモードに切り替えるのにとてもいいと言われている。
散歩は家の周りをぐるっと一周するだけでもいいし、それも難しそうなときはポストの前まで出て空を見上げながら深呼吸する、窓を開けてぼうっとするなどでもいいだろう。
テレワーク期間を良い調子で乗り切ろう
皆にとって初めての状況下、どう対応したものか戸惑っている人や、なんとなく心身の調子が悪いという人も多いだろう。
メンタルケアを習慣にすると、心が突然ポッキリ折れてしまってしばらく動けなくなる、といった状況を防ぎやすくなる。車がマメにメンテナンスをすれば安定して走ってくれるのと同じように、心のケアも続けていけば仕事の生産性を維持・向上してくれるのだ。
いままでの生活と比較して欠けているものに気づいてそれを補いながら、周囲の人と(ソーシャルディスタンスは保ちながら)助け合い、この難局を乗り切っていこう。
文/ヒルダ
自身の豆腐メンタルを克服しようと情報を集めまくっているうちにやたらとメンタルヘルスに詳しくなってしまったライター。
編集/inox.