携帯ゲーム機業界では任天堂の「Nintendo Switch」による一強状態が続いているが、そんな風潮を変えるべく、海外から新型ゲーム機が次々と登場している。PCゲームに強いものから可愛らしいクランク付きのものまで、今盛り上がる携帯ゲーム機の世界をご紹介しよう。
PC向けゲームに標準対応
PCゲームプラットフォーム「Steam」を運営する米Valveが今年7月に発表したのが、携帯ゲーム機「Steam Deck」だ。その特徴はSteamにて配信されている膨大なPCゲームのラインナップを、手元で遊べることだろう。
Steam Deckを起動して自分のSteamアカウントにログインすると、プレイ可能なゲームの一覧が表示され、すぐにゲームプレイを開始できる。またSteamのクラウドセーブ機能に対応しており、Steam Deckで遊んだゲームの続きを自宅のゲーミングPCで楽しむことも可能だ。
本体には7インチディスプレイを搭載し、十字キーや2本のアナログスティック、トラックパッド、ジャイロ機能などで本格的なゲームプレイが楽しめる。搭載された米AMD製のプロセッサは、最新AAAタイトルの快適なプレイに十分な性能を発揮するとしている。
ゲームストリームサービスからWindowsまで
Steam Deckの活躍の場は、携帯ゲームにとどまらない。「SteamOS」と呼ばれるLinuxベースの独自OSを搭載しており、マウスやキーボードを接続することでウェブサーフィンやストリーミングビデオの視聴、あるいはオフィス作業をこなすことも可能だ。
さらに、PC用ソフトのインストールにも対応。Steam以外のゲームストアをインストールしたり、あるいは他社のクラウドゲームサービスにアクセスすることもできる。またWindows 10(将来的にはWindows 11も)をインストールすることもできる。
Steam Deckの価格は399ドル(約4万4000円)からで、今年の12月より海外にて販売を開始。日本を含む他の地域では2022年以降の販売を予定している。携帯ゲーム機としてだけでなくポータブルPCとしても利用可能なSteam Deckは、ゲーマー必見のプロダクトといえそうだ。
ハンドル付きの小型携帯ゲーム機
気軽に外出先でゲームを楽しみたいゲーマーにおすすめなのが、レトロゲーム機を連想させる本体デザインの「Playdate」だ。本体には2.7インチのモノクロディスプレイを備えており、毎週2本、12週間にわたり配信されるゲームが無料でプレイ可能だ。
本体側面に搭載されたクランクは、コントローラーとして動作する。これにより、独自の操作性を実現したと開発元はアピールしている。またSDK(開発者キット)も今後公開され、誰でもPlaydateのゲームを開発できるようにする計画も明かされている。
Playdateの価格は179ドル(約2万円)で、2021年からの出荷が予定されている。現代の複雑なゲームからは一息ついて、シンプルなモノクロ表示のゲームで心を落ち着かせるのもよさそうだ。
文/塚本直樹