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元本割れリスクが低い「持ち切り型投信」のメリットとデメリット

2021.08.26PR

債券で運用されていることからリスクが低く、満期まで保有する持ち切り型投信の人気が高まっている。持ち切り型投信とはどのような商品なのか、またその投資に際しての注意点を解説する。

持ち切り型投信とは?

持ち切り型投信とは、社債などで運用し、満期までずっと持ちきる投資信託のことで、この持ち切り型投信の純資産残高は2020年以降に新規設定されたもので1年間で4.9倍と約5倍増えている。

持ち切り型投信の仕組みの基本は、債券のみで運用されている。運用されている債券は、日本の債券よりも比較的利回りの高い外貨建ての債券で運用されている。外貨建てではあるが、為替ヘッジを行うことで為替変動リスクを軽減している。そのため、円高となっても大きく元本が毀損することはない。満期が設定されており、満期まで持ち切ることで、運用されている債券の利息収入を積み上げた分が満期時に受け取れる。途中で受取る利息は満期前に還元されず積み上げられるので、満期まで持つ方が収益を得られる。

債券運用であるため、株式が組入れられている投資信託と比べてリスクは低く、個別の債券に直接投資するよりも複数銘柄に分散投資されているため1企業の倒産リスクに対する影響も限定的となる。

持ち切り型投信の魅力

①預金よりも高い金利

日本の預金金利は非常に低く少しでも高い利回りで運用したいと考えても、逆に株式で運用されている投資信託は高い利回りが期待できるもののその分値下がりリスクも大きく、現在高値圏にあることからも大事な資金を預けるには不安だと考える人もいるだろう。持ち切り型投信は、日本の預金金利より少し高いリ利回りで運用できる債券で運用されているので、コストも含めて満期時に1%超の運用利回りが期待できる。

②元本毀損リスクが低い

持ち切り型投信は債券で運用されている。債券は途中で価格が変動するものの満期まで保有すれば発行体が倒産しない限り元本が償還される特徴を持つことから、持ち切りにすることで満期まで運用している債券も保有することで価格変動リスクがなくなる。

また、外貨建て債券を投資対象としているが、為替ヘッジにより円高になっても価格が下落するリスクは回避できる。

③NISA口座で非課税運用できる

NISAは、株式や投資信託への投資で得られた利益が非課税になる制度だ。NISAのうち、(一般)NISAとジュニアNISAがこの持ち切り型投信へ投資可能だ。

投資信託から得られる利益は通常20.315%かかるため、期待できる運用利回りが1%であれれば課税されてしまうと実際の利回りが1%を下回ってしまう。NISAで非課税で運用することで少しでも高い利回りを享受できる。NISA口座は非課税期間が5年とされているが、ロールオーバーといって非課税期間を延長することができるので、持ち切り型投信の満期が5年超だとしても延長することで非課税のまま運用できる。ジュニアNISAは2023年までの制度となっているが、ロールオーバーは子ども本人が20歳になるまで継続管理勘定に入れることで非課税での運用が可能となっている。

デメリット

①いつでも購入できるわけではない

持ち切り型投信の換金はいつでも可能だが、購入は一定期間に限定されている。募集されている商品をこまめにチェックする必要がありそうだ。

②利回りが低いからこそコストをよく確認

債券で運用されており、国外債券であっても現在金利は比較的低いものとなっている。

購入時の買付手数料と保有期間中の信託報酬と合わせた合計手数料が期待される利回りよりより低くないと利益は出ない。

例えば、買付手数料3%、信託報酬年率1%、満期3年の投信で、期待できる年利回りが3%だとすれば、1年あたりのコストが2%((買付手数料3%+信託報酬1%×3年)÷3)となるので、コストを差し引いた運用利回りは1%となるため、投資してもよさそうだというようにコストも入れて利回りを検討すると良いだろう。

③基本的には満期まで保有を

満期まで債券から得られる利息は積み上げられるため、基本的に満期まで保有しないとその利益は期待できない。債券運用であることから途中で大きく値上がりする可能性が低いことから、途中で売却すると利益が得られずコストの分損をしてしまう可能性がある。

満期まで保有できる資金で運用することが必要だ。

④為替ヘッジのコスト増加による利回り低下

持ち切り型投信は、外貨建て債券に投資しているものの為替ヘッジを行っているので為替変動リスクを低減できる。

為替ヘッジとは、外貨を保有しているときに外貨を売って円を買う約束をしておくことで外貨の変動リスクを回避することをいう。為替ヘッジにはコストがかかり、売る通貨の金利と買う通貨(円)の金利差がコストとなる。

ドル建て債券の為替ヘッジを行う場合、現状ドルの短期金利が0.25%、日本が-0.038%でその差は0.288%であり両者の金利差が非常に小さいためその分コストもかなり低コストだ。

一方、米国は2023年には政策金利が上がる可能性があるとの見方もあり、逆に日本の金利は上がる可能性が低いことから、米国の金利引き上げにともない日米の金利差が広がればこのヘッジコストは高くなってしまう。

現状コストが0.3%程度だとすると、このコストが0.5~1%になれば期待できる利回りもその分小さくなる可能性がある。

どんな商品が持ち切り型投信?

「限定追加型」と記載があり、債券ファンドとなっているものが持ち切り型投信だ。購入期間が限定されており、満期まで期間が長いので、購入期間と満期の確認が必要だ。

株式で運用されている投資信託よりリスクは低いが、投資対象となっている債券の発行体が倒産すれば価格は下がる可能性がある。また、日米の金利差が広がれば為替ヘッジコストが高くなり利回りも低下するので、預金と同じ感覚で投資するのは避けたい。

投資対象となっている債券はリスクの低いものから高いものがあり、リスクが高くなればその分利回りも高くなる。債券は格付により倒産リスクを予測することが可能で、格付の高い順からAA、A、低いものでBBB、BBとなり、BB以下が格付が低く投資不適格とされている。BB以下が投資対象となっていればその分利回りが高くなるが、リスクも高くなるので投資対象にも目を配ってから投資を考えてほしい。

(参考)
日経新聞2021年8月2日朝刊「持ち切り型投信、資産5倍」

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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