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手持ちで1000mmが撮れるオリンパスの超望遠ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」でカワセミを撮る!

2021.08.22

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

OLYMPUSで最も高価なPROレンズ

OLYMPUSとLUMIXが採用しているマイクロフォーサーズマウントは、ミラーレス専用の規格でセンサーサイズの最適化で、レンズの小型軽量化を実現。35mm換算で焦点距離が2倍になるため、特に望遠レンズでのメリットが大きい。

OM-D E-M1X」ではコンティニアスAF時に鳥の瞳と頭部を自動追尾するインテリジェント被写体認識AFを搭載。クルマ、バイク、飛行機、電車に鳥を加えて、超望遠レンズでの撮影領域を広げている。

今回、借用したのはM.ZUIKO DIGITALレンズの中でも最も高性能なPROシリーズで300-1000mm相当となる「M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO」である。希望小売価格はなんと110万円。受注生産ながら、人気沸騰中でなかなか手に入らない幻のレンズと言われている。カメラボディはもちろんOM-D E-M1Xを使用。撮影には写真家、小平尚典氏も同行した。

手持ちで1000mmが撮れる夢の超望遠ズーム

銀塩カメラ時代の超望遠レンズと言えば、400mm、プロでも500mmか600mmが限界だった。それ以上の焦点距離だと三脚がないと無理で、フィルムの感度も低かったので被写体が限定された。ところがデジタル時代になり、高感度と手ブレ補正機能が進化、さらにセンサーの小型化で、手持ち600mmが普通に撮影できるようになった。私もマイクロフォーサーズの75-300mmと100-400mmを愛用している。

そこに登場したのが、150-400mmに1.25倍のテレコンバーターを内蔵した超望遠ズームである。800mm相当に1.25倍のテレコンでちょうど1000mmになるという夢の超望遠ズームレンズだ。さらに外付けで2倍のテレコンを加えれば2000mmで撮影可能。実勢価格約79万2000円とかなり高額だが夢の彼方という価格でもないのだ。

防塵防滴、耐低温構造で、5軸手ブレ補正機能で最大8段分の効果を発揮。ズーム全域で開放絞り値F4.5、最短撮影距離はズーム全域で1.3m、重さは1875gと2kgを切っている。三脚座は一体型でリングは取り外しはできない。付属フードはカーボン製で約180gと軽量だ。

全長約31cm(フード無し)と超望遠とは思えないコンパクトサイズで機動性抜群だ

オオタカを撮りたかったが、カワセミで勝負

今回は鳥認識を試すために、オオタカのヒナを撮る予定だったが、タイミングが合わずに巣立ってしまったので、ターゲットをカワセミに変更。ここでハードルが上がったのが動きの速さだ。カワセミの飛翔を撮ろうと思うと、1/1000secではだめで、1/4000secは欲しい。余裕があればもっと高速シャッターを切りたい。しかし、センサーサイズ的にフォーサーズは高感度でノイズが出やすい。できれば低感度で高速シャッターを切りたいのだが、それを決めるのはお天気次第なのだ。

残念ながら、天気に恵まれず高速シャッターが切れなかったので、カワセミは止まっている所しか、ブレない写真は撮れなかった。撮影は全て手持ちでおこない、フォーカスモードはC-AF+TRで被写体認識は鳥を選択。鳥認識はかなり高精度で、手前に枝などがあっても、シャッターボタンを押し直すことで鳥が認識された。止まっている鳥の場合はピントをMFで合わせ直す。この方法を使えば鳥の撮影はC-AF+TRのみで快適にこなせる。

カワセミは同じ枝に止まるので、プリセットフォーカス機能も有効だ。これはレンズにあるセットボタンを押したフォーカス位置を記憶する機能で、ズームリングの前にあるL -Fnボタンを押すとセットした位置にピントを瞬時に戻せるのだ。

上からフォーカスリミッター、AF/MF切り替え、手ブレ補正、プリセットフォーカス機能、スピーカーON/OFF機能が並ぶ

鏡胴の根元にはロック機構付きの1.25倍のテレコン操作レバーとプリセットフォーカスボタンがある

L-Fnボタンは鏡胴を取り巻くように4個設置され、他の機能も割り当てられる

レンズを構える写真家、小平尚典氏。フルサイズの500mmより短く取り回しやすいとのこと

鳥瞳認識の精度は高く、カルガモのくちばしではなく瞳にピントが合っている
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/800sec、F4.5、ISO800

枝越しのアオサギ。このサイズの鳥だと鳥認識が瞳まで確実に捉えてピントを合わせてくれた
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/800sec、F5.6、ISO1250

テレコン使用1000mm相当で撮影したカワウ。画像は非常にシャープでテレコンを使ったとは思えない
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/1000sec、F5.6、ISO640

カワセミ発見!

いつものに和田堀公園にカワセミがいなかったので、善福寺公園の上池に移動した。C1に登録した鳥撮影モードに切り替えてE-M1Xでカルガモをテスト撮影。鳥認識は快調だ。白い長方形の枠が鳥を取り囲むように表示され、追尾してくれる。テレコンも片手で操作可能。開放絞り値は暗くなるが、プラス200mm望遠になる効果は捨てがたい。

池の2個所のカワセミポイントを往復していると、いつもの枝にカワセミが止まった。天候はドピーカンとはいかず、くもり時々、太陽が顔を見せる感じだ。1/500secでもISO6400とかなり感度が上がってしまう。その後、やや明るくなり、1/1000sec ISO6400で高速静音連写するも、カワセミの動きは止められなかった。この連写の2枚のみトリミングしたため画像は粗く見える。

今回は天候にも被写体にも恵まれなかったが、マイクロフォーサーズ最強の鳥撮影システムを使っての撮影は気分が上がる。白レンズはデザインもクールで所有欲も満たされる。いつかは手に入れたい交換レンズであることを実感した。

ヨコからカワセミを捉えるために離れた位置から狙う。300mm相当でもかなり小さい
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/320sec、F5.6+1、ISO2500

同じ位置からズーミングして800mm相当、ISO6400と高感度だが細部はなんとか保たれている
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/500sec、F5.6+1.3、ISO6400

高速連写モードでカワセミの飛翔を捉えるも1/1000secでは羽根の動きがブレることが判明
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/1000sec、F4.5+1、ISO6400

加速するカワセミの動きを止められないもどかしさ。連写はうまくいっているのだが
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/1000sec、F4.5+1、ISO6400

別の枝に止まったカワセミ。明るくなり感度をISO2500まで下げた、羽毛の細部が再現された
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/1600sec、F4.5+0.3、ISO2500

さらに細い枝に止まるカワセミ。飛ばないことが分かっていればもっと感度を下げられた
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/640sec、F4.5、ISO5000

テレコンを使って1000mm相当で撮影。動かない前提で1/125secまでシャッター速度を下げた
OLYMPUS E-M1X ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO 1/125sec、F5.6、ISO2500

写真・文/ゴン川野

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