「メタバース」という言葉を、あなたはご存じだろうか?
「メタバース」は、インターネット上に存在する仮想空間を意味
「メタバース」は、メタ(meta:超)とユニバース(universe:宇宙)から作られた合成語であり、一般的には「インターネット上に存在する仮想空間」という意味で使われている。ニール・スティーブンソン氏のSF小説『スノウ・クラッシュ』の作中で登場するインターネット上の仮想世界を指す言葉として生まれたという。
具体的なサービスを挙げると、多くのユーザーを集めているのが『VRChat』という海外発のメタバースだ。ソーシャルVRとも呼ばれ、バーチャルリアリティ(VR)空間で、物理的な位置・場所などの壁を越え、各々が自分の好きなアバター(分身)を身にまとい、交流できるものになっている。国内では、バーチャルSNS『cluster (クラスター)』などが代表的なものとして挙げられる。
また、2022年にはANAが仮想空間で旅行や買い物を楽しめるアプリのサービス開始を予定しており、スタートアップ企業が多額の出資を受けるなど、注目度が非常に高い分野になっている。一方で、ミュージシャンの米津玄師が『FORTNITE』の中でバーチャルライブを行ったり、アイドルグループの乃木坂46が『荒野行動』の中で同様にバーチャルライブを行なった実績があり、それらを「メタバース」と呼ぶ例もある。
さらに、ゲームを作ったり、他のユーザーが作ったゲームが遊べる『ROBLOX』のようなプラットフォームを「メタバース」と呼ぶ場合もあるなど、まだ言葉の概念やサービス領域が定まっていないのが現状と言えるだろう。
このほど、株式会社ゲームエイジ総研により、オンラインゲームなどを通じて仮想空間での交流を経験している割合が多いと思われるゲーマー3032名を対象に、「メタバース」の認知度調査が実施された。詳細は以下の通り。
メタバースという単語を認知しているゲーマーは全体の4.6%
「メタバース」というワードを聞いたことがあると答えたゲーマーは全体の4.6%だった。【グラフ①】
ほとんどのゲーマーにとっては「メタバース」というワードはまだ馴染みがないものであるという現状が見て取れる。オンラインゲームなどを通じて仮想空間での交流経験が多いであろうゲーマーだが、まだ「メタバース」というワード自体は浸透していないのが現実のようだ。
ワードを認知しているゲーマーの理解は33.6%、体験したことがあるのは20.7%
「メタバース」というワードを聞いたことがあると答えたゲーマーの中で、「メタバースを説明できる」と答えたゲーマーは33.6%、「なんらかのメタバースを体験したことがある」と答えたゲーマーは20.7%だった。【グラフ②、③】
ゲーマー全体から見ると認知度は非常に低いが、認知しているゲーマーの1/5は「メタバース」がどんなものかを説明でき、体験していることがわかった。
最新技術に対する感度が高く、オンラインゲームなど仮想空間で他のプレーヤーと交流した経験も多く持っているゲーマーゆえに、認知が進めば「メタバース」との親和性はより高くなるのではないだろうか。
<調査概要>
調査対象:全国10~50代男女、何らかのゲームをプレイしている人
サンプル数:3032
調査時期:2021年7月
調査手法:インターネット調査
出典元:株式会社ゲームエイジ総研
https://www.gameage.jp/
構成/こじへい