コロナ禍の時代を生きる、イマドキの中高生。彼・彼女らはどんな人生設計を抱き、どんな大人像に憧れ、また、どんなライフスタイルこそが人生における幸せと捉えているのだろうか?
そんな「中高生が思い描く将来についての意識調査」がこのほど、ソニー生命保険株式会社により、6月9日~6月17日の9日間実施され、1,000名(中学生200名、高校生800名)の有効サンプルを得た。なお本調査は今回で3回目となる。
中高生がイメージする将来
■中高生の意識自身の将来のイメージ「10年後は不安」中学生では46%、高校生では48%
全国の中高生1,000名(中学生200名、高校生800名)に、自身の将来(1年後、3年後、10年後)について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか質問した。
中学生は、『明るい(計)』(「明るい」と「どちらかといえば明るい」の合計、以下同様)は、【1年後の自分】では62.5%、【3年後の自分】では56.5%、【10年後の自分】では54.5%、『不安(計)』(「不安」と「どちらかといえば不安」の合計、以下同様)は、【1年後の自分】では37.5%、【3年後の自分】では43.5%、【10年後の自分】では45.5%となった。中学生の半数近くが、10年後という未来を生きる自分の姿を思い浮かべた際に、明るい見通しをもてず不安にかられるようだ。
就職や経済的自立を経て、大人として生活する自分の将来像を、収束が見えないコロナ禍ではイメージしづらいと感じているのではないだろうか。
高校生は、『明るい(計)』は、【1年後の自分】では52.9%、【3年後の自分】では51.4%、【10年後の自分】では51.6%、『不安(計)』は、【1年後の自分】では47.1%、【3年後の自分】では48.6%、【10年後の自分】では48.4%となった。高校生の約半数が、1年後や3年後という近い将来にさえ確かな見通しをもてず、不安を感じているようだ。
コロナ禍による生活環境や経済環境の激しい変化に直面し、学習の進度や受験対策、進学や進路、就職活動などに対し、明るい見通しや将来像を描けない高校生は多いといえそうだ。(図1)
(図1)
では、日本や世界の将来に対してはどのような見通しをもっているのだろうか。10年後の日本や世界について、明るい見通しをもっているか、不安を抱いているか質問した。
中学生は、『不安(計)』は、【10年後の日本】では62.0%、【10年後の世界】では62.5%となった。10年後の日本や10年後の世界に対し、悲観的なイメージを抱いている中学生が多いようだ。
高校生についてみると、『不安(計)』は、【10年後の日本】で68.9%、【10年後の世界】で65.0%となった。高校生では中学生よりも不安を抱く割合はさらに高く、日本の近未来に対し明るい見通しをもてないという回答は約7割に上る実情が明らかになった。(図2)
(図2)
■中学生の将来設計に対するコロナ禍の影響
コロナ禍は中高生の将来設計に影響を与えたのだろうか。全回答者(中学生200名、高校生800名)に、コロナ禍が、自身が描く将来設計(人生・生き方・暮らし方の計画・選択)に対し影響を与えたかどうか質問した。
中学生についてみると【進路・進学先・志望校の選択】では「影響を与えた」が68.5%、【就労・職業・仕事内容の選択】では51.0%、【学習進度・学習方法の計画・選択】では68.0%、【クラブ活動の計画・選択】では66.5%と、いずれも半数を超える結果となった。
また、【友人との距離感・付き合い方の選択】では「影響を与えた」は62.5%、【家族との距離感・付き合い方の選択】では50.5%となり、【恋愛・結婚の計画】では「影響を与えた」は37.5%、【育児の計画】では19.0%となった。
そのほか、【趣味・レジャーの計画】では「影響を与えた」は60.0%、【マネープラン(収入・貯蓄などお金の計画)】では41.5%、【居住地域・居住環境の選択】では29.0%、【社会貢献・地域貢献の計画】では30.5%となった。(図3)
(図3)
他方、高校生についてみると、【進路・進学先・志望校の選択】では「影響を与えた」は65.5%、【就労・職業・仕事内容の選択】では53.1%、【学習進度・学習方法の計画・選択】では67.0%、【クラブ活動の計画・選択】では61.2%と、いずれも半数を超えた。
また、【友人との距離感・付き合い方の選択】では「影響を与えた」は63.4%、【家族との距離感・付き合い方の選択】では43.9%、【恋愛・結婚の計画】では「影響を与えた」は37.3%、【育児の計画】では17.1%となった。
そのほか、【趣味・レジャーの計画】では「影響を与えた」は64.1%、【マネープラン(収入・貯蓄などお金の計画)】では45.0%、【居住地域・居住環境の選択】では23.7%、【社会貢献・地域貢献の計画】では29.7%だった。(図4)
(図4)
コロナ禍は中高生の自身の将来のための選択に対しどのような影響を与えたのだろうか。
コロナ禍が【進路・進学先・志望校の選択】に影響を与えたと回答した人(中学生137名、高校生524名)に、どのような影響があったか聞いたところ、「不安を大きくした」(中学生50.4%、高校生50.4%)が特に高くなった。
以降、中学生では「範囲や視野を狭めた」(25.5%)、「モチベーションをダウンさせた」(24.8%)が続いたのに対し、高校生では「範囲や視野を広げた」(30.7%)、「モチベーションをダウンさせた」(25.6%)が続いた。
“コロナ禍が影響を与えた”と回答した中高生の半数以上は、不安が膨らむといった心理面への負の影響を実感したようだ。一方、“コロナ禍が影響を与えた”と回答した高校生の3割は、範囲や視野を広げたとポジティブな所感をもつ結果となった。
一部の高校生は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い世界中の国々の報道に接したことで、様々な国の政治決断や感染症対策、医療体制や医療現場の実態、ワクチン・治療薬・先端医療技術などグローバルな情報を多数受け取った結果、視野や展望を広げたり新たな将来の選択肢を見い出すきっかけになったのではないだろうか。(図5)
(図5)
中高生がイメージする大人
“大人”に対して抱くイメージについて質問した。
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、いまの“大人”に対する対照的な2つのイメージを提示し、抱いている印象がそれぞれどちらに近いか聞いた。
■いまの“大人”に対して中学生が抱くイメージ82%が「大変そう」、59%が「楽しくなさそう」と回答
中学生についてみると、「大変そう」と「楽(ラク)そう」では『大変そう(計)』(81.5%)、「疲れている」と「元気」では『疲れている(計)』(83.0%)、「楽しくなさそう」と「楽しそう」では『楽しくなさそう(計)』(58.5%)、「甘い」と「厳しい」では『厳しい(計)』(64.5%)、「暗い」と「明るい」では『暗い(計)』(53.0%)、「尊敬できない」と「尊敬できる」では『尊敬できる(計)』(52.0%)が、多数となった。
2019年の調査結果と比較すると、『元気(計)』は9.0ポイント上昇(2019年8.0%→2021年17.0%)、『尊敬できる(計)』は5.0ポイント上昇(2019年47.0%→2021年52.0%)した。(図6)
(図6)
■いまの“大人”に対して高校生が抱くイメージ90%が「疲れている」、68%が「暗い」と回答
高校生についてみると、「大変そう」と「楽そう」では『大変そう(計)』(88.9%)、「疲れている」と「元気」では『疲れている(計)』(90.4%)、「楽しくなさそう」と「楽しそう」では『楽しくなさそう(計)』(70.9%)、「甘い」と「厳しい」では『厳しい(計)』(64.9%)、「暗い」と「明るい」では『暗い(計)』(67.5%)、「尊敬できない」と「尊敬できる」では『尊敬できない(計)』(52.6%)が、多数となった。
高校生では『楽しくなさそう(計)』が70.9%、『暗い(計)』が67.5%と、中学生の結果(順に58.5%、53.0%)と比べて10ポイント以上高くなった。高校生には、いまの“大人”に対し、明るくイキイキとした印象をもっている人は少ないようだ。
2019年の調査結果と比較すると、『厳しい(計)』は5.0ポイント上昇(2019年59.9%→2021年64.9%)、『暗い(計)』は5.7ポイント上昇(2019年61.8%→2021年67.5%)した。(図7)
(図7)
中高生がイメージする幸せ
■中高生がイメージする“幸せ”「安定した仕事」VS「好きな仕事」では「好きな仕事」が多数派
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、“幸せ”について2つの例を提示し、自身の考えがそれぞれどちらに近いか質問した。
仕事に関して聞いたところ、「安定した仕事に就いている」と「好きなことを仕事にしている」のどちらが幸せだと思うかでは、中学生、高校生とも『好きなことを仕事にしている(計)』(中学生62.0%、高校生54.1%)が多数派だった。中高生の多くは、自分の好きなことを仕事にする将来を志向しているようだ。
男女・学校別にみると、『好きなことを仕事にしている(計)』と回答した人の割合が最も高くなったのは女子中学生(67.0%)だった。(図8)
(図8)
「出世しているけれど、仕事のストレスは多い」と「出世していないけれど、仕事のストレスは少ない」では、中学生、高校生とも『出世していないけれど、仕事のストレスは少ない(計)』(中学生69.5%、高校生61.4%)が6割を超えた。
男女・学校別にみると、女子では『出世していないけれど、仕事のストレスは少ない(計)』が中学生78.0%、高校生69.0%と、男子(中学生61.0%、高校生53.8%)と比べてそれぞれ15ポイント以上高くなった。(図9)
(図9)
また、「給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている」と「給料は低いけれど、残業時間が短い会社で働いている」では、中学生、高校生とも『給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている(計)』(中学生55.5%、高校生53.4%)が多数派だった。
男女・学校別にみると、『給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている(計)』と回答した人の割合が最も高くなったのは男子中学生(61.0%)。男子中学生には、たとえ働く時間が長くなったとしても、高収入を得られるほうがよいと考えている人が多いようだ。(図10)
(図10)
■中高生が“幸せ”だと思うのはどちら?
結婚や子どもに関して聞いたところ、「結婚しているけれど、自由な時間やお金は少ない」と「結婚していないけれど、自由な時間やお金が多い」のどちらが幸せだと思うかでは、中学生、高校生とも『結婚していないけれど、自由な時間やお金が多い(計)』(中学生59.0%、高校生53.0%)が多数派だった。
結婚して家庭をもつことよりも、自由に使える時間や金銭的な余裕を重視している人が多いようだ。男女・学校別にみると、男子高校生では『結婚しているけれど、自由な時間やお金は少ない(計)』(53.3%)のほうが高くなった。(図11)
(図11)
「子どもがいるけれど、自由な時間やお金は少ない」と「子どもはいないけれど、自由な時間やお金が多い」では、中学生は『子どもはいないけれど、自由な時間やお金が多い(計)』(51.5%)、高校生は『子どもがいるけれど、自由な時間やお金は少ない(計)』(52.3%)が多数派となっており、中学生と高校生で意見が分かれた。
男女・学校別にみると、男子中学生では『子どもがいるけれど、自由な時間やお金は少ない(計)』(57.0%)、女子中学生では『子どもはいないけれど、自由な時間やお金が多い(計)』(60.0%)のほうが高くなった。(図12)
(図12)
■中高生が抱く、理想の結婚相手のイメージ1位「優しい・思いやりがある」
次に、全回答者(中学生200名、高校生800名)に、将来どのような人と結婚したいか、理想の結婚相手のイメージについて質問した。
中学生についてみると、男女とも1位「優しい・思いやりがある」(男子45.0%、女子52.0%)となった。2位以降をみると、男子では2位「顔やスタイルが良い(イケメン・美女)」(26.0%)、3位「自分と価値観が合う」(24.0%)、4位「面白い・ユーモアがある」(20.0%)、5位「マナーがしっかりしている」(18.0%)、女子では2位「マナーがしっかりしている」(38.0%)、3位「自分と価値観が合う」(37.0%)、4位「面白い・ユーモアがある」(34.0%)、5位「顔やスタイルが良い(イケメン・美女)」(33.0%)となった。
高校生は、男女とも1位「優しい・思いやりがある」(男子38.0%、女子60.3%)となり、男子では2位「自分と価値観が合う」(31.5%)、3位「マナーがしっかりしている」(25.0%)、4位「顔やスタイルが良い(イケメン・美女)」(21.0%)、5位「真面目・うそをつかない」(17.5%)、女子では2位「マナーがしっかりしている」(45.0%)、3位「自分と価値観が合う」(44.5%)、4位「面白い・ユーモアがある」(29.5%)、5位「身近な人々(家族や仲間)を大事にする」(28.7%)となった。(図13)
中高生の将来の夢
■中学生が抱く、将来の夢 男子1位「お金持ちになる」女子1位「好きなことを仕事にする」
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、将来の夢について質問した。
中学生についてみると、「好きなことを仕事にする」(39.0%)が最も高く、次いで、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(36.5%)、「趣味を充実させて生きる」(35.5%)、「お金持ちになる」(35.0%)、「安定した毎日を送る」(33.5%)となった。
男女別にみると、男子では1位「お金持ちになる」(32.0%)、2位「素敵な相手と恋愛・結婚する」(26.0%)、3位「趣味を充実させて生きる」「あたたかい家庭を築く」(いずれも23.0%)、女子では1位「好きなことを仕事にする」(57.0%)、2位「趣味を充実させて生きる」(48.0%)、3位「素敵な相手と恋愛・結婚する」(47.0%)となった。
高校生についてみると、「好きなことを仕事にする」(45.3%)が最も高く、次いで、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(43.1%)、「安定した毎日を送る」(42.9%)、「趣味を充実させて生きる」(38.4%)、「あたたかい家庭を築く」(37.0%)となった。
男女別にみると、男子では1位「好きなことを仕事にする」(34.8%)、2位「安定した毎日を送る」「お金持ちになる」(いずれも32.3%)、女子では1位「好きなことを仕事にする」(55.8%)、2位「素敵な相手と恋愛・結婚する」(54.5%)、3位「安定した毎日を送る」(53.5%)という結果がでた。(図14)
(図14)
■男子中学生が将来なりたい職業1位「YouTuber」2位「プロeスポーツプレイヤー」、5位「ゲーム実況者」
次に、将来なりたい職業を聞いた。
中学生についてみると、男子中学生では1位「YouTuberなどの動画投稿者」(23.0%)、2位「プロeスポーツプレイヤー」(17.0%)、3位「社長などの会社経営者・起業家」(15.0%)、4位「ITエンジニア・プログラマー」(13.0%)、5位「ゲーム実況者」(12.0%)と、男子中学生に一番人気の職業はYouTuberだった。
将来なりたい職業として挙げた理由をみると、1位の「YouTuberなどの動画投稿者」では「憧れの人がいるから」「活動している人を見て自分もやりたいと思ったから」「楽しみながら収入を得られそうだから」、2位の「プロeスポーツプレイヤー」では「ゲームが好きだから」「選手を見てかっこいいと思ったから」、3位の「社長などの会社経営者・起業家」では「自分の力を試したいから」「自分の思い描いたことを実現できる可能性が高まるから」、4位の「ITエンジニア・プログラマー」では「自分の趣味だから」「ITエンジニアをしている父親の姿に憧れたから」、5位の「ゲーム実況者」では「ゲームが好きだから」「YouTubeでゲーム実況者のことを知り、面白いと思ったから」といった回答が挙げられた。
■女子中学生が将来なりたい職業1位「歌手・俳優・声優などの芸能人」2位「YouTuber」、「ボカロP」がTOP5入り
女子中学生では1位「歌手・俳優・声優などの芸能人」(17.0%)、2位「YouTuberなどの動画投稿者」(16.0%)、3位「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」「美容師」(いずれも14.0%)、5位「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」「デザイナー(ファッション・インテリアなど)」(いずれも11.0%)となった。
芸能界に憧れをもち、活躍を夢見ている女子中学生は多いようだ。将来なりたい職業として挙げた理由をみると、1位の「歌手・俳優・声優などの芸能人」では「憧れているから」「尊敬する歌手がいるから」「いろいろな人を笑顔にさせたいから」、2位の「YouTuberなどの動画投稿者」では「好きなことをやって稼ぎたいから」「人に見て楽しんでもらいたいから」「動画編集の技術を磨きたいから」、3位の「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」では「絵を描くことが好きだから」「自分がやりたいことをやりたいから」、「美容師」では「たくさんの人と話をすることで、自分の世界観が広がると思ったから」「美容関係の仕事に就きたいから」、5位の「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」では「人を感動させるような曲を作ってみたいから」「自分の人生を変えてくれたのがボカロPをやっている人だったから」、「デザイナー(ファッション・インテリアなど)」では「ファッションが好きだから」「ファッションについてもっと知りたいから」といった回答が挙げられた。(図15)
(図15)
2019年の調査結果と比較すると、男子中学生ではTOP2「YouTuberなどの動画投稿者」「プロeスポーツプレイヤー」は変化がなく、「ゲーム実況者」が新たにTOP5入りした。
他方、女子中学生では1位「歌手・俳優・声優などの芸能人」は変化がなく、「YouTuberなどの動画投稿者」が7位から2位に大幅上昇したほか、「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」が新たにTOP5に入った。(図16)
(図16)
■男子高校生が将来なりたい職業1位「YouTuber」2位「会社経営者・起業家」3位「ITエンジニア・プログラマー」
高校生についてみると、男子高校生では1位「YouTuberなどの動画投稿者」(15.3%)、2位「社長などの会社経営者・起業家」(13.5%)、3位「ITエンジニア・プログラマー」(13.3%)、4位「公務員」(12.0%)、5位「教師・教員」(9.5%)となった。
将来なりたい職業として挙げた理由をみると、1位の「YouTuberなどの動画投稿者」では「好きなことを仕事にできるのは最高だから」「見ている人を笑顔にさせたいから」「コロナ禍でも安定しそうだから」「楽しみながら仕事ができるから」「柔軟な働き方ができるから」、2位の「社長などの会社経営者・起業家」では「社会を牽引してみたいから」「世界を変えられるような人になりたいから」「いろいろなチャレンジをしたいから」「父が経営者だから」、3位の「ITエンジニア・プログラマー」では「これからますます需要のある仕事だと思うから」「何かを作り出す仕事をしたいから」、4位の「公務員」では「人のためになれる仕事だから」、5位の「教師・教員」では「人に何かを教えることが好きだから」といった回答が挙げられた。
■女子高校生が将来なりたい職業1位「公務員」「看護師」3位「教師・教員」「歌手・俳優・声優などの芸能人」
女子高校生では1位「公務員」「看護師」(いずれも11.5%)、3位「教師・教員」「歌手・俳優・声優などの芸能人」(いずれも10.3%)、5位「保育士・幼稚園教諭」(9.8%)となった。
将来なりたい職業として挙げた理由をみると、1位の「公務員」では「安定した職に就きたいから」「人の役に立ちたいから」、「看護師」では「人を助けたいから」「大変そうだがやりがいがありそうだから」「元気な人が少しでも増えてほしいから」、3位の「教師・教員」では「尊敬する先生のようになりたいから」「子どもの成長に携わるとともに、自分自身も成長したいから」、「歌手・俳優・声優などの芸能人」では「強い憧れがあるから」「元気を届けられるような人になりたいから」、5位の「保育士・幼稚園教諭」では「子どもと触れ合って、子どもの成長を感じたいから」といった回答が挙げられた。(図17)
(図17)
2019年の調査結果と比較すると、男子高校生では2019年調査で3位だった「YouTuberなどの動画投稿者」が1位となったほか、「公務員」が2019年調査6位→今回調査4位、「教師・教員」が2019年調査8位→今回調査5位と順位を上げた。
他方、女子高校生では「教師・教員」が2019年調査6位→今回調査3位と、順位を大幅に上げたほか、「保育士・幼稚園教諭」が2019年調査6位→今回調査5位と順位を上げた。(図18)
(図18)
■45歳時点の目標年収のイメージ中学生は平均1,175万円、高校生は平均953万円
続いて、全回答者(中学生200名、高校生800名)に、年収や貯蓄額のイメージについて質問した。
まず、30歳時点の目標年収のイメージをもっている人(608名)に、30歳時点の目標年収を聞いたところ、「500万円」(16.4%)や「600万円」(12.8%)、「1000万円」(12.0%)などに回答が集まり、平均は中学生905万円、高校生685万円だった。
中高生の親世代の年齢を想定し、45歳時点の目標年収を聞いたところ、目標年収のイメージをもっている人(543名)の回答は「500万円」(11.8%)や「600万円」(12.2%)、「1000万円」(12.3%)、「3000万円以上」(10.1%)などに分かれ、平均は中学生1,175万円、高校生953万円だった。(図19)
(図19)
また、30歳時点の目標貯蓄額のイメージをもっている人(578名)に、30歳時点の目標貯蓄額を聞いたところ、「1000万円」(16.8%)に多くの回答が集まり、平均は中学生1,024万円、高校生855万円だった。
45歳時点の目標貯蓄額のイメージをもっている人(534名)に、45歳時点の目標貯蓄額を聞いたところ、「1000万円」(14.4%)や「3000万円以上」(17.8%)などに回答が分かれ、平均は中学生1,352万円、高校生1,274万円だった。(図20)
(図20)
中高生の“いま”
■中高生が“いま、すぐに欲しいもの”1位「お金」中学生2位は「パソコン」、高校生2位は「時間」
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、“いま、すぐに欲しいもの”を聞いたところ、「お金」がダントツで、以降、2位「パソコン」、3位「時間」、4位「学力・頭脳」、5位「スマートフォン」が続いた。
中学生では1位「お金」、2位「パソコン」、3位「洋服」、4位「推しのグッズ(有名人・アニメなど)」「パートナー・恋人」となった。中学生には、自分専用のパソコンや最新のパソコンが欲しいという人が多いのではないだろうか。
高校生では1位「お金」、2位「時間」、3位「学力・頭脳」、4位「パソコン」、5位「スマートフォン」となった。高校生には、勉強や趣味にあてる時間や、受験を突破するための学力を欲しているという人が多いようだ。(図21)
(図21)
また、“いま、頑張っていること”を聞いたところ、1位「勉強」、2位「部活動」、3位「スポーツ」、4位「学校生活」、5位「アルバイト」となった。勉強や部活動など、学校生活に一生懸命取り組んでいる中高生が多いことをうかがえる結果となった。
中学生では1位「勉強」、2位「部活動」、3位「スポーツ」、4位「ダイエット」「学校生活」となり、高校生では1位「勉強」、2位「部活動」、3位「スポーツ」、4位「学校生活」「アルバイト」となった。(図22)
(図22)
■中高生が“いま、変えたいこと”1位「性格」2位「見た目(顔・容姿・体型など)」3位「生活習慣」
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、“いま、大切にしたいこと”を聞いたところ、1位「友達」、2位「時間」、3位「家族」、4位「勉強」、5位「お金」となった。
中学生では「友達」がダントツとなった。コロナ禍のために一人で過ごす時間が増えた一方、友達とスマホやSNSなどでコミュニケーションをとることで、一人でいる時間を楽しく過ごすことができたという人が多いのではないだろうか。
以降、2位「家族」、3位「時間」「勉強」、5位「お金」「命」が続いた。高校生では1位「友達」、2位「時間」、3位「家族」、4位「勉強」、5位「お金」となった。(図23)
(図23)
また、“いま、変えたいこと”を聞いたところ、1位「性格」、2位「見た目(顔・容姿・体型など)」となった。内面や外見を磨きたいと感じている人が多いようだ。以降、3位「生活習慣」、4位「勉強習慣」、5位「学力・成績」が続いた。
中学生では1位「性格」、2位「見た目(顔・容姿・体型など)」、3位「コロナ禍」「生活習慣」、5位「学力・成績」「勉強習慣」となり、高校生では1位「性格」、2位「見た目(顔・容姿・体型など)」、3位「生活習慣」、4位「勉強習慣」、5位「学力・成績」となった。(図24)
(図24)
中高生が選ぶ有名人・キャラクター
■中高生が好きなYouTuber1位「HIKAKIN」2位「東海オンエア」3位「キヨ」
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、好きなYouTuberを聞いたところ、1位「HIKAKIN」、2位「東海オンエア」、3位「キヨ」、4位「Fischer’s-フィッシャーズ-」、5位「スカイピース」となった。
選んだ理由を聞いたところ、1位のHIKAKINについては「見ていると元気をもらえるから」(男子高校生)や「努力家なところが尊敬できるから」(男子中学生)、「被災者のために募金をするといった思いやりがあるから」(女子高校生)といった回答がみられた。
視聴者を元気にする動画を投稿するために努力を惜しまないことや、思いやりや誠実さをもっていることが好まれているようだ。
2位の東海オンエアについては「どの動画も面白く、やりたいことを徹底的にやっているから」(女子高校生)や「企画力や編集力があるから」(女子高校生)、3位のキヨについては「トーク力があるから」(女子高校生)や「ボケのバリエーションが豊富だから」(男子高校生)といった回答がみられる結果となった。(図25)
(図25)
次に、将来のことを相談したいと思う有名人を聞いたところ、1位「マツコ・デラックス」「明石家さんま」、3位「西村博之」、4位「櫻井翔」、5位「HIKAKIN」となった。
選んだ理由を聞いたところ、マツコ・デラックスについては「的確なアドバイスしてくれそう」(女子高校生)や「どんな悩みでも聞いてくれそう」(男子中学生)、明石家さんまについては「明るいアドバイスがもらえそう」(女子中学生)や「悩みを吹き飛ばしてくれそう」(女子高校生)といった回答が挙げられた。(図26)
(図26)
■中高生が“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人男子1位は「HIKAKIN」、女子1位は「新垣結衣」
全回答者(中学生200名、高校生800名)に、“将来、こういう大人になりたい”と思う有名人を聞いたところ、1位「HIKAKIN」、2位「明石家さんま」、3位「新垣結衣」、4位「出川哲朗」「星野源」と、“好きなYouTuber”に続きHIKAKINが二冠となった。
男女別にみると、男子の回答では1位「HIKAKIN」、2位「明石家さんま」、3位「出川哲朗」「西村博之」、女子の回答では1位「新垣結衣」、2位「橋本環奈」「北川景子」となった。
選んだ理由を聞いたところ、男子の回答1位のHIKAKINについては「自分の好きなことで生きていくスタイルが良いと思ったから」(男子高校生)や「自分の道を選んで生きているから」(男子中学生)、女子の回答1位の新垣結衣については「優しくて、周りのことを楽しませているから」(女子高校生)や「気遣いのできるところが素敵だから」(女子高校生)といった回答がみられた。(図27)
(図27)
■中高生が“こんな生き方をしたい”と思うアニメ・漫画のキャラクター1位「モンキー・D・ルフィ」2位「野比のび太」
最後に、“こんな生き方をしたい”と思うアニメ・漫画のキャラクターを聞いたところ、1位「モンキー・D・ルフィ(ONEPIECE)」、2位「野比のび太(ドラえもん)」、3位「ドラえもん(ドラえもん)」、4位「竈門炭治郎(鬼滅の刃)」、5位「アンパンマン(それいけ!アンパンマン)」「野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)」となった。
選んだ理由を聞いたところ、1位のモンキー・D・ルフィについては「目標に向かって仲間とともに進んでいく姿がかっこいいから」(男子高校生)や「何事にも勇敢に挑戦しているから」(女子高校生)、「諦めない強い心をもっているから」(男子中学生)、「夢を追い続けている姿がかっこいいから」(男子中学生)、「仲間を思いやることができ、仲間から頼られて信じられる存在になりたいから」(女子高校生)、2位の野比のび太については「どんなに苦しいときでも挫けずに生きているから」(男子中学生)や「のびのびと暮らしているから」(女子高校生)、「自由気ままに生きているから」(男子中学生)、「素敵な人間関係を築いているから」(女子高校生)、3位のドラえもんについては「優しくてみんなから愛されているから」(女子高校生)や「優しくて面倒見が良いから」(女子高校生)、「ドラえもんのように、困っている人に手を差し伸べられるような人になりたいから」(男子高校生)、4位の竈門炭治郎については「家族思いで、自分の使命を受け入れて行動しているから」(男子高校生)や「常に努力を怠らずに、誰にでも優しく接しているから」(男子高校生)、「何に対しても必死に立ち向かう姿勢が素敵だから」(女子高校生)、5位のアンパンマンについては「正義感が強いから」(女子高校生)や「常に周りのことを考えて行動しているから」(女子高校生)、野原しんのすけについては「友達思いだから」(女子高校生)や「自分のやりたいことを素直にやっているから」(女子高校生)といった回答がみられた。(図28)
(図28)
注:本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がある。また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがある。
※ソニー生命調べ
<調査概要>
調査タイトル:中高生が思い描く将来についての意識調査2021
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の中高生
調査期間:2021年6月9日~6月17日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(有効回答から中学生200s、高校生800sになるように抽出)
調査協力会社:ネットエイジア株式会社
出典元:ソニー生命保険株式会社
https://www.sonylife.co.jp/
構成/こじへい