「共働きで高収入のはずなのに貯まらない…」
そんな悩みを抱えている人はいないでしょうか。
一般的に、共働き夫婦は、稼ぎ手が2人になるので、片働き夫婦よりお金が貯まりやすいはず。
しかし、実際には、貯金どころか借金まみれになっている共働き夫婦も多く見られるのが現実です。
私は、これまで1000件以上の家計相談をお引き受けしてきましたが、「共働きなのに貯まらない夫婦」には、実は特徴があるのです。
共働きなのに貯まらない夫婦の特徴
共働きなのに貯まらない夫婦の特徴1.お互い不干渉
共働きなのに貯まらない人の中でも、非常に多いのは、「お互いにお互いのふところ事情を知らない」という夫婦です。
お互いにいくら稼いでいるかもいくら使ったかも知らない。
お金のことに干渉されたくない、自由にお金を使いたい、小遣い制などにされてお金の使い道を制限されるのは嫌だ。
様々な事情で、お互いのお金について話し合うこと避けているため、ある日突然、パートナーから「自己破産してしまった」「実は借金がある」など、衝撃的な告白を受ける人も…。
お互いに不干渉の家計を続けても、お互い順調に貯蓄ができていれば問題はありません。
しかし、「最近パートナーの資金繰りがなんとなくうまくいっていない様子が見られる」など、「うすうす勘づいているけれど聞けない」といった、問題があっても目を背ける、見てみないふりをしている家計の場合は要注意です。
共働きなのに貯まらない夫婦の特徴2.相手に依存
もうひとつ、共働きなのに貯まらない夫婦の特徴として挙げられるのは「相手に過度に依存している」ことです。
自分より、パートナーの収入の方が高いはずだから、パートナーが貯蓄しているだろう。
パートナーの貯蓄を過度にあてにしすぎてしまいお互いに散財。ふたを開けてみたらお互いに貯蓄がなかった…というのは非常によくある話です。
また、パートナーがどうやら貯蓄をしているようだ、と気がつくと、パートナーの貯蓄をあてにして散財。老後の資金はパートナーの貯蓄で、と考えていたところ「老後を迎えても資金援助をするつもりは一切ない」と突き放されてしまうケースも。
共働き夫婦でお互いに不干渉の家計の場合、老後になったからと言って、生計を共にするとは限りません。
年金生活になっても今と同じ家計管理ができるのか、お互いに相談できる関係性を作っておくことが大切です。
共働きなのに貯まらない夫婦の特徴3.共働きだからに安心しすぎる
お互い稼いでいるのだから、これぐらいの支出があっても問題にはならないだろう。
お互いに収入があるということに安心してしまい、住宅ローンや車のローン、子どもの教育費など、いつのまにか様々な支出に無頓着に。
しかし、健康上の理由などにより、どちらかの収入が著しく減ってしまうと、家計が急変。
あてにしていた収入が途絶え、ひとり分の稼ぎではとてもやりくりできない。
とはいえ、ローンや教育費などは簡単に削減できないため、多額の借金を背負ってしまい、いよいよ自己破産が迫っているとご相談に見えた人も。
確かに、共働き夫婦は、片働き夫婦よりも収入面では多くなることが多いものです。
だからといって、安心しすぎると支出が肥大しすぎてしまい、本当にお金が必要な時期にお金がないという家計になりやすいのです。
高収入の夫婦ほど、「こんなはずじゃなかった」といった誤算がおきやすいので、将来のライフプランに合わせた支出の選択をしておく必要があります。
貯まる共働き夫婦になるために
貯まらない共働き夫婦の特徴は、大きく分類すると「不干渉」「依存」「誤算」です。
夫婦で生計を共にするという昔ながらのセオリーに従う必要はありませんが、夫婦で路頭に迷うことがないようにする準備は必要です。
少なくとも、お金のことについて相談できない関係性は改め、お互いに腹を割って話し合う機会を持つ習慣は身につけておいた方がよいでしょう。
もし、どうしても夫婦で話し合うことができないなら、まずは自分のことから。パートナーの家計管理の手腕に左右されないよう、自分の襟を少し正しておくだけでも効果的ですよ。
あまり難しく考えすぎず、簡単にできることから取り入れていくと、大きなストレスもありませんから、ぜひ前向きに取り組んでみてください。
文/家計簿・家計管理アドバイザー あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖 (講談社の実用BOOK)」「スマホでできる あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他