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知ってる?「拝領」の意味と正しい使い方

2021.08.22

拝見や拝読、拝聴など「拝」のつく謙譲語は多数あるが、その中の一つに「拝領」という言葉がある。これは、身分の高い人から物をもらうことを意味する言葉だ。拝見や拝読、拝聴などに比べると見聞きする機会が少なく、正確な意味を理解していない人もいるのではないだろうか。

そこで本記事では、拝領の意味と使い方、拝領を使った言葉、拝領の類語について解説する。ビジネスシーンでも使われる言葉のため、正しい使い方を理解し、状況に応じてスマートに使いこなせるようになろう。

拝領とは

はじめに、「拝領」の意味と使い方、また拝領を使った言葉を紹介する。現代では耳にする機会が少ないかもしれないが、古くから使われてきた歴史のある言葉だ。

意味は「高貴な人から物などをもらうこと」

拝領は「はいりょう」と読み、目上の人や身分の高い人から物などをもらうことの謙譲語。「拝」は自分のする動作につけることで、相手に対して敬意を示し「つつしんで~する」という意味を持つ。「領」は領収や受領といった言葉にも使われているように、「受け取ること」を表す。

拝領の使い方と例文

拝領は「主君より名刀を拝領する」のように、身分の高い人や目上の人から物をもらう場合に使用する。やや古い言い回しだが、ビジネスシーンでもプライベートでも用いることが可能。ただし、社長や社会的地位の高い人などから頂いた場合にのみ使用する点に注意しよう。

【例文】

「取引先の社長から記念品を拝領いたしました」
「我が家の家宝は、将軍家より拝領した扇子である」
「とても貴重なお品を拝領し、誠にありがとうございます」

拝領を使った言葉

先述した通り、拝領は身分の高い人から物をもらうことを指す。以下の拝領を使った言葉もまた、主君や神から「頂くこと」を表している。

・一字拝領(いちじはいりょう)

家臣が主君の諱(いみな)の一字を賜り、自分の名前に用いること。「一字御免(いちじごめん)」とも言う。主従関係の証として、室町・戦国時代に盛んに行われた。例えば、戦国大名の毛利輝元、最上義光、伊達輝元などは、室町幕府12代将軍・足利義輝の「輝」の字を拝領している。

また、主君の名字・家名を賜り、公的に自分の名字として名乗るのを許されることを「名字拝領」と言う。大規模に名字拝領を行った人物として豊臣秀吉が知られており、「羽柴」の名字を近親者だけではなく、同僚や臣従の大名にも授与している。

・聖体拝領(せいたいはいりょう)

アクションRPG『Bloodborne(ブラッドボーン)』において、「聖体を拝領するのだ」という最初の狩人ゲールマンの台詞がある。それにより、聖体拝領という言葉に馴染みのある人も多いかもしれないが、ここでいう「聖体」とはキリストの体のこと。キリストが最後の晩餐で、パンを「これは我が体なり」、葡萄酒を「我が血なり」と言ったことに基づき、パンと葡萄酒はキリストの肉と血を表す。

「聖体拝領」はカトリック教会のミサで、聖体を受ける、つまりパンと葡萄酒を体に受け入れること。また、キリストの体となったとされる、パンと葡萄酒を参加者に分け与える儀式、聖餐式のことを言う。

拝領の類語

最後に、拝領と同様に「目上の人から何かいただくこと」を表した言葉を三つ紹介する。使用する際の注意点も併せてチェックしてほしい。

拝受(はいじゅ)

「拝受」は「拝領」と同じ構成(拝+受)になっており、「つつしんで受け取る」という意味を示す。物を受け取ることをへりくだって表した謙譲語だ。「先ほどメールを拝受いたしました」、「商品が弊社に届きました。まずは拝受の御礼まで」のように、メールや手紙の書き言葉として使用されることが多い。ビジネスシーンやプライベートにおいても、書類や品物をやり取りする際、「届きました」と知らせる時に使用する。

頂戴(ちょうだい)

「頂戴」は、もらうこと、もらって飲食することを意味する謙譲語。話し言葉でもよく用いられ、「(名刺を)頂戴します」、「お時間を頂戴し、ありがとうございました」のように、物をやり取りする際に使用する。

なお、電話の取次ぎや受付で「お名前を頂戴してもよろしいですか」と耳にすることがあるが、これは「名前をもらえますか」と言っていることになるため、正確には間違い。「お名前をお聞かせいただけますか」、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と尋ねるようにしよう。

賜る(たまわる)

「賜る」も、もらうの謙譲語。また「与える」の尊敬語で、目上の人が目下の者に与える、つまり「下さる」という意味もある。物品だけではなく、厚意や意見などをもらう際にも使用可能。

謙譲語としては、「貴重なご意見を賜る」「過分なるお品を賜った」のように、自分が目上の人から何かをもらった状態を表す。一方、尊敬語として使用する際は「〇〇様よりご支援を賜りました」「会長より金一封を賜りました」と、目上の人が目下の者に何かをくれる(与える)場合に用いる。

文/oki

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