【コスプレイヤー】×【国家転覆アニメ】ルルーシュ様が逆境の中でも自分を支えてくれる
人生で大切なことはルルーシュ様が教えてくれた。超人気コスプレーヤーがアニメから学んだ「自分らしく生きるコツ」とは?
子供の頃、初めて自分のお小遣いで買った雑誌が『ちゃお』でした。『エンジェル・ハント』『ミルモでポン!』はよく読んでいて、『極上!!めちゃモテ委員長』をきっかけにファッションにも目覚めました。
大人になってから一番強く影響を受けたのは、アニメ『コードギアス』シリーズ。コスプレ活動だけじゃなくて、生き方のベースになっている考え方が、主人公のルルーシュ・ランペルージの「撃って良いのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」という言葉ですね。この言葉のとおり、作中で彼は自分が撃たれてもいいという覚悟を持ちながら覇道を突き進む。その姿から、自分に正直になることの大切さを教わりました。
コスプレって、どうしても最大公約数が取れない表現方法なんですよね。2次元のキャラクターを現実に落とし込むという作業なので、例えば髪の色ひとつでも濃いのか薄いのかも人によって解釈が異なってくるし、アニメ版とマンガ版でも違う。全員の想像を完璧に再現するコスプレを目指すと破綻してしまう。
私にできることは、自分の中のイメージに正直になって、それを忠実に表現することだと思っています。だからメイクは今でも自前だし、ウィッグもクライアントから許可を頂けたらメーカーから自分で決めて、形や色を指定します。そうやって自分の意志を貫き通す大切さを教えてくれたのがルルーシュ様です。私はもともと気が強い性格で、違うと思ったらはっきり言ってしまうことに悩んだりしていたんですが、ルルーシュ様がその生き方を後押ししてくれた気がします。理想の夫像として挙げるくらいルルーシュ様が好きなんですが、実はまだ劇場版最新作の『コードギアス 復活のルルーシュ』は観に行けていないんですよね。好きすぎて先を観るのが怖くて……。
『コードギアス』シリーズもそうなんですが、ハッピーエンドよりも少ししこりが残る結末のほうが好みです。何か闇を抱えているほうが共感できるというか、自分とは違う闇の部分を知ることで、よりやさしくなれる気がする。だから、作品を通して自分じゃ経験できない知識や感覚を知りたいというのも読む動機ですね。私の好きなマンガの『闇金ウシジマくん』に登場する人物って結構大変な目に遭いがちなんですが、マンガを通して疑似体験することで、自分の人生じゃ知りえない世界を知ることができます。コスプレ業界をリアルに描いたマンガが作られないかなあ……取材が必要でしたらぜひ協力させてください。できれば明るい雰囲気の作品でお願いしますね(笑)。
コスプレーヤー えなこさん
2008年にコスプレを始め、16年『ヤングジャンプ』でグラビアデビュー。内閣府クールジャパン・アンバサダー。
えなこさんのイチオシはこの作品!
『コードギアス 反逆のルルーシュ』
(2006年10月放送開始、TBS系)
誰であろうと如何なる命令も強制できる絶対遵守の力「ギアス」を手に入れた主人公ルルーシュが、最愛の妹であるナナリーが安心して暮らせる世界を創るために大国に反逆するピカレスクロマン。
イチオシ作品をこんな人に薦めたい!「自分の信念を貫き通したい人」
仕事やプライベートで決断を迫られたり、自分の意見をはっきり言う必要があったりする場面で、自分の考えに素直になって行動する勇気をこの作品から学ぶことができると思います。
『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平、全46巻、小学館)
トゴ(10日で5割)という暴利で融資を行なう闇金融会社、カウカウファイナンスの経営者・丑嶋馨と、彼のもとに融資を依頼する様々な闇を抱えた顧客や周囲の人間との関わりを描いた作品。
取材・文/桑元康平/すいのこ