【プロ野球選手】×【サバイバルホラー漫画】アスリートを魅了する吸血鬼と戦う姿
どんな悪球でも観客席に放り込む異次元な打撃で有名な柳田悠岐選手。選んだ作品『彼岸島』との関わりなどについて聞いた。
学生時代から、主なマンガ雑誌は毎週欠かさず読み続けています。プロ入り直後は練習漬けの毎日だったけれど、雑誌の発売日が来るのを励みにがんばりました。(読みたい週刊誌の出ない)水曜日から月曜日まで間が空くのはキツくて(苦笑)。
そんな僕にとって〝過去イチ〟の作品は『彼岸島』です。とにかく主人公・宮本明が吸血鬼と戦っていく姿が、熱くて格好いい。何て言ったらいいか……。上手に説明できないけれど、キャラクターやストーリー、それらを含めた世界観など、マンガの魅力がすべて詰まっているような作品だと思います。
主人公に感情移入したり、名場面やセリフのシーンを何度も読み返したりと、マンガには様々な楽しみ方があって、僕は全体的なストーリー展開に惹かれるタイプ。「最後にこんなどんでん返しが待っていたのか……」「序盤のあの伏線が、ここで生きてくるのか……」といった点が心に響きます。そういう意味で、常に先の展開が気になる『キングダム』も大好きな作品ですね。
スポーツの作品も好きで、最近のお気に入りはサッカーマンガの『ブルーロック』。同じスポーツ選手として登場人物には共感できるところがあって、心が奮い立ちます。
僕にとってのマンガは、趣味の枠を超えて、完全に生活の一部です。野球での疲れを癒してくれるアロマのような効果もあるし、マンガを読むことで一日一日気持ちをリセットできています。マンガのない生活なんて考えられません。それくらい大切な存在なんです。
福岡ソフトバンクホークス 柳田悠岐さん
1988年生まれ(32歳)。日本球界を代表するスラッガーで東京五輪侍JAPANの中心選手。モノノフとしても有名。
チームのサウナルームにはマンガコーナーがある!
福岡ソフトバンクホークスの本拠地・福岡PayPayドームの選手専用サウナには、選手たちが持ち寄ったマンガ単行本がズラリと並ぶ。
柳田さんのイチオシはこの作品!
『彼岸島』
(松本光司、全33巻、講談社)
孤島を舞台に、日本本土にウイルスをまき散らす計画を立てた吸血鬼と、それを阻止しようとする主人公たち人間の戦いを描いたバトルホラー作品。アニメ化、ゲーム化のほか、TVドラマ化や映画化もされている。
イチオシ作品をこんな人に薦めたい!「自分を奮い立たせたい人」
宮本青果店の息子・宮本明が、彼岸島に跋扈する吸血鬼の恐怖に怯えながらも、友人とともに兄を捜そうとする姿は胸アツ。仕事の壁にぶつかった時などに読めば、きっと勇気づけられるはず。
取材・文/田中周治