「GIGAスクール構想」という言葉も定着していき、スマートフォンやタブレットを活用して勉強することも一般的になってきた昨今。遊び感覚で学習に繋がるアプリも続々と登場しています。
今回紹介するのは、世界200か国以上に約18億人のユーザーを持つ「Kahoot!(カフート)」というアプリ。2021年6月からは正式に日本語にも対応しており、実際に公立小学校でも採用されているアプリ/デジタル学習プラットフォームです。
ソフトバンクグループも出資する大注目アプリ「Kahoot!」とは!?
「Kahoot!」はノルウェーの教材会社「Kahoot!社」が提供する学習/エンターテインメント用オンラインプラットフォームです。2013年にリリースされ、世界200か国以上で約18億人(累計50億人以上)がすでに利用しています。
Kahoot!社は、2021年6月時点でソフトバンクGが株式15.9%を取得するなど注目度の高い企業になっています。
従来は英語やフランス語、イタリア語といった欧米で使われている10言語のみの対応でしたが、2021年6月15日より日本語版のモバイルアプリも登場しました。
「Kahoot!」のサービスが開始したのは2013年ですが、2020年より猛威を振るう新型コロナの影響もあり、オンラインで楽しく学習できる環境が注目され、日本国内での利用者数も過去12か月で100%以上増加(昨年同期比)しています。
また、「Kahoot!」は茨城県水戸市立梅が丘小学校といった教育現場でも実際に導入されているようです。
注目の学習アプリ「Kahoot!」は自分で問題を作って楽しめる!
「Kahoot!」が世界的に教育現場などでも採用されている要因の1つに、「問題を誰でも気軽に作成できる」というものがあります。
例えば、先生が当日の授業内容に関するクイズを作成し、授業の最後や宿題という形で生徒が復習に活用するといった使い方が想像できるでしょう。先生としては、生徒の回答をアプリからすぐに確認することができるので、管理も簡単になります。
クイズの作成時にはPINコードを設定でき、コードを入力することで誰でもクイズに参加することが可能です。このPINコードを全生徒に配布することで、自宅からでも簡単にクイズに参加できるようになります。
コロナ禍の現状では毎日紙の宿題を渡して提出するといった、これまで当たり前にできていた作業が難しくなっています。宿題の配布/提出がすべて1つのアプリで完結すると考えると、オンラインに最適なサービスともいえるでしょう。
もちろん教育現場以外でも使用できるアプリなので、企業の社内教育の一環として利用したり、友達同士でクイズを出して楽しむといった使い方もできるでしょう。
「学習」モードと「プレイ」モードをうまく使い分けよう
今回、筆者も数日間「Kahoot!」を使用してみました。当然筆者は学生ではないので、学習目的での利用ではありませんが、純粋にクイズアプリとしても楽しむことができています。
「Kahoot!」には多くのユーザーが作成したクイズに参加することができるようになっており、1つのテーマにておよそ10問から20問ほどが用意されています。4択クイズが多くても20問程度なので、隙間時間にサクっと利用することができます。
クイズを解くにあたって、それぞれに「学習」モードと「プレイ」モードが用意されています。学習モードはその名の通り出題される問題について事前に学ぶモードで、「フラッシュカード」形式や「練習」形式、友達と勉強できる「チャレンジ」形式が利用可能です。
「プレイ」モードはテスト本番のようなイメージで、実際にクイズを解き点数を出すことができるモードです。「プレイ」モード内にも、友人と点数を競い合うモードや自分でクイズにチャレンジして成績を確認できるモードなどがあります。
それぞれのモードの使い分けは人によると思いますが、個人的には「学習」モードを予習、「プレイ」モードを復習のように活用することで、クイズながらしっかりと知識を蓄えられるのではと感じています。
オンラインコンテンツならではの課題もある?
ほとんどの人がスマートフォンやPC、タブレットのいずれかは持っている時代なので、多くのシーンで活用が見込まれる「Kahoot!」ですが、教育現場で使用するという観点で見るとどうでしょう。
「Kahoot!」を利用するためには、生徒1人1人が最低1デバイスを所持している必要があります。また、それらのデバイスはインターネット接続されている必要があるため、例えば学校で使用する場合には、Wi-Fi環境の整備などが必須になるかもしれません。
とはいえ、現在はGIGAスクール構想もあり多くの生徒がPCやタブレットを所持しているでしょう。学校教育のデジタル化が促進されている中、オンラインで使用できるコンテンツが続々と登場しています。コロナ禍という現状を踏まえても時代のニーズにマッチしており、日本語版アプリも登場したことで今後国内でも「Kahoot!」が大流行するかもしれません。
取材・文/佐藤文彦