大人になってからの『敬老の日』は、高齢の親や義母・義父へ感謝の気持ちを伝えるよいチャンスです。メッセージを贈るポイントや例文をチェックして、関係性に合ったお祝いの言葉を伝えましょう。敬老の日に贈るギフトの選び方も解説します。
9月第3月曜「敬老の日」とは
国民の祝日の中でも、高齢の人に敬意を示す日が『敬老の日』です。具体的にどのような意味を持つ日なのかを理解して、お祝いの準備を進めましょう。
お年寄りを敬い長寿を祝う国民の祝日
敬老の日は長い間社会に貢献してきてくれたお年寄りを敬う気持ちを伝え、長生きできるように願う国民の祝日です。
2002年までは9月15日に固定されていましたが、ハッピーマンデー制度の導入で『毎年9月の第3月曜』に変更されました。
もともとは『としよりの日』という名で、昭和29年に制定された日本独自の記念日です。より親しみやすい名前にしようと『老人の日』という名を経て『敬老の日』と改称され、昭和41年に国民の休日になりました。
日頃の感謝と尊敬を伝えるチャンス
自分の思いを日頃から口に出すのが苦手な人が多い日本人にとって、敬老の日は感謝と尊敬を伝える絶好のチャンスです。幼い頃は絵や手紙を贈っていても、大人になると親や祖父母に感謝する機会は減ってしまいます。
成人してから親に何もできてきないと思う人は、敬老の日に敬う気持ちを伝えるのがおすすめです。子どもがいるなら互いの両親へ孫と連盟でメッセージを送るのもよいでしょう。
普段はなかなか会えなくても、敬老の日に一緒に食事をするのもよい過ごし方です。遠方で合うのが難しいなら、手紙やハガキなどで言葉を贈るだけでも気持ちが伝わります。
お祝いの言葉を考えるときのポイント
敬老の日にお祝いのメッセージを贈るときは、相手への気遣いが大切です。自分の思いが伝わりやすく受け取った人がうれしい言葉を伝えましょう。メッセージを考えるときのポイントを二つ紹介します。
シンプルかつ気遣いが伝わる言葉を選ぶ
「気持ちを伝えたい」と力が入ると冗長な表現が多くなり、書いているうちに伝えたいメッセージがぼやけてしまいがちです。できるだけシンプルな表現を心掛けましょう。
自分の思いを一方的に伝えるのではなく、相手と共通の思い出に触れるのがポイントです。旅行に行ったときのエピソードや普段手伝ってもらっていることを思い出し、具体的なストーリーを入れると温かみが出ます。
冬に向けて体に気を付けてほしい旨など、相手の体調に気遣う言葉もおすすめです。いつまでも元気でいてもらうためにも、気遣いを感じるフレーズを取り入れましょう。
「忌み言葉」を使わない
お祝いの手紙やメッセージには『忌み言葉』を使わないように注意しましょう。忌み言葉とは何かのお祝いや葬儀のとき、縁起が悪いとされている言葉です。
敬老の日には『倒れる』『衰える』『散る』『弱る』『落ちる』『終わる』といったワードを避けます。いずれも病気や死を思わせる言葉で、末永く元気でいてほしい相手へ贈るには適していません。
また最近の高齢者には元気な人が多く、「年寄り扱いされたくない」と思っている人もたくさんいます。いつまでも若くありたい相手に対しては、体への心配など加齢を感じさせる言葉は避けましょう。
お祝いしたい親や祖父母が入院中・療養中の場合は、『重ね言葉』にも注意します。『くれぐれも』『ますます』など2かい同じ言葉を繰り返すワードは、二度と起こってほしくない病気やケガにはNGです。
敬老の日に贈るお祝いの言葉に使える例文
一口に敬老の日のメッセージといっても、贈る相手との関係によって喜ばれる内容や言い回しは変わります。3種類の関係性ごとに、使える例文をチェックしましょう。
孫から祖父母へ
孫から祖父母へのメッセージは自由に書くのが1番です。大人があまり手助けしすぎず、子どもならではの感性で感謝の気持ちを伝えると喜ばれるメッセージになるでしょう。
「おじいちゃんおばあちゃん、いつも一緒に遊んでくれてありがとう。これからも元気で一緒に遊んでね。」
「いつも優しくしてくれてありがとう。また遊びに行くから待っててね。」
「おじいちゃんおばあちゃん、体に気を付けて元気でいてください。夏休みには一緒におじいちゃんが作ったトマトを食べたいです。」
敬語を使う場合も硬くなりすぎない程度にすると、丁寧ながらも親しみのこもった文章に仕上がります。
おしゃれが好きだったりスポーツを楽しんでいたりする祖父母には、次のようなメッセージもおすすめです。
「いつも明るくておしゃれなおばあちゃんが大好きです。これからも僕の自慢のおばあちゃんでいてください。」
「テニスを頑張ってるおじいちゃんはかっこいい!健康に気を付けてパワフルなおじいちゃんでいてください。いつか一緒にウインブルドンを見に行こうね!」
紹介した例文はあくまでも一例です。子どもが書く内容に困っていたときのアドバイスに使うとよいでしょう。
自分の親へ
自分の親には照れもあって、普段から感謝の言葉を伝えていないことが多いかもしれません。砕けた言葉でも構わないので、率直に感謝の気持ちを伝えれば喜ばれるでしょう。
あまり会えていないなら日々の暮らしの様子を書き添えると、近況も伝わります。
「お父さんお母さん、敬老の日おめでとうございます。なかなか言葉にできないけれど、私たち家族をいつも支えてくれていること本当に感謝しています。これからも元気で長生きしてください。」
「敬老の日おめでとうございます。いつも仲良しな二人が私にとって理想の夫婦です。これからも元気で仲良く過ごしてください。感謝の気持ちを込めて。」
「お父さんお母さん、いつも見守ってくれてありがとうございます。最近は仕事も軌道に乗ってきました。二人の温かい眼差しに心から感謝しています。いつまでも元気で長生きしてください。」
実の親に対しては堅苦しすぎる言葉や、年寄り扱いする内容を避けるのがポイントです。特に、まだ孫がいない人は気持ちも若い傾向があるため、末永い健康や夫婦円満を願う言葉が喜ばれます。
義理の両親へ
義理の両親へ贈るメッセージは、実の親よりも丁寧な言葉を使うのがポイントです。感謝の気持ちや夫をはじめとする家族の様子を伝え、最後に身体を気遣う一言を添えましょう。
「敬老の日おめでとうございます。いつもお二人の愛情を感じられ、私たち家族は安心して暮らすことができています。趣味を楽しみながら長生きしてください。これからも宜しくお願いします。」
「いつも私たち家族に細やかなお心遣いありがとうございます。感謝の気持ちを込めて、お母さんが好きな果物を贈ります。どうぞ召し上がってください。これからも体に気を付けて、いつまでも元気で優しいお母さんでいてください。」
「今年も元気で敬老の日を迎えられたこと、とてもうれしく思います。いつまでも変わらず、元気でいてください。今度の連休、○○さんや孫たち(名前)と一緒に伺います。」
文中で夫の名前を出すときは『さん』を付けます。孫の話を伝えるときは名前で書くと顔が思い浮かびやすいでしょう。あえて『お父さん・お母さん』とすることで、よそよそしさがなくなります。
敬老の日に贈るギフトの選び方
敬老の日にはメッセージだけでなく、相手の気持ちを考えたプレゼントも一緒に贈ると喜ばれます。敬老の日にぴったりなギフトを選んで、お年寄りを敬う気持ちを表しましょう。
相手の好みに合わせる
プレゼントを選ぶときは贈る相手の好みに合わせることが大切です。ギフト選びを始める前に、普段の暮らし方や趣味・好きな色や食べ物などを思い出してみましょう。
好きな食べ物や趣味がはっきりしていれば、それに合わせて考えてみるのがおすすめです。ただし、趣味を本格的に楽しんでいる場合は、道具にこだわりがあるケースもあるので、注意が必要です。
日頃から密に連絡をとっておらず分からないなら、思い切って聞いてしまうのも一つの手です。物にこだわらず一緒に時間を過ごせるようなプレゼントを検討してみてもよいかもしれません。
健康状態に配慮する
体調の不具合も多くなってくるお年寄りには、ギフト選びにも健康への配慮が必要です。せっかく趣味に関係するものを選んでも、具合が悪く楽しめないと悲しい気持ちにさせてしまいます。
庭いじりが趣味の親や祖父母に対してでも、腰やひざを痛めているなら観葉植物の方がよい場合もあるでしょう。普段から相手の状況をよく見て、負担にならないプレゼントを贈りましょう。
逆に、数年前までは必要のなかった健康グッズが喜ばれるケースもあります。親や祖父母と同じくらいの年代の人に意見を聞いてみれば、アイデアを得られるかもしれません。
気を遣わせない金額のものを選ぶ
いくらお祝いだからといっても、高額すぎるプレゼントは避けた方が無難です。特に、義父や義母に贈る場合は、お返しに気を遣わせてしまう原因にもなりかねません。
関係性や家庭の経済状況にもよりますが、敬老の日に贈るギフトの相場は3000~5000円です。高くても1万円以内に収めた方が気を遣わせずに済みます。
高価なアイテムでなくても十分に気持ちは伝わるため、まずは相手の喜ぶものは何かを考えましょう。5000円程度の花束や小物・小型のマッサージ機なども検討してみましょう。