コロナ禍2年目を迎えた2021年はWithコロナ・Afterコロナ時代に沿った商品やコンテンツがバズった。流行に詳しい3名のトレンドセッターが、今年上半期の消費動向を総括。ファッション、食品、アニメやTVドラマなどのコンテンツまで、幅広いジャンルから印象に残った新しいトレンドやそれを象徴する商品、ヒットの理由を聞いた。
ライフスタイル市場の消費傾向はどう変わった?
「人とのつながりを喚起する商品が人気を集めました」(太田さん)
伊藤忠 ファッションシステム
太田敏宏さん
大手流通業やメーカー向けに商品戦略、品揃えのアドバイス、事業戦略など、実践的なマーケティングや企画提案を行なう。
昨年と今年で、コロナ禍に向き合う消費者の意識は大きく変化。〝人とつながることの重要性〟が再認識される流れにきている、と太田さんは語る。
「コロナ禍を一時的なアクシデントと考えていた多くの人が、今年に入ってコロナ禍を受け入れるマインドへとシフトしたように感じます。当社が実施した意識調査によると、調査対象者の約6割がワクチン接種後もマスクを着用し、抗菌を徹底する生活は続くと回答。コロナが収束したとしても以前の生活に戻れない、と答える人が増えました」
スーツ専門店AOKIが発売した『パジャマスーツ』『アクティブワークスーツ』は、消費者の意識の変化を象徴する商品だと続ける。
「昨年ルームウエアがヒットした理由は、自宅で過ごす時間が長くなったこと、そしてモニター越しに映えることなど、自宅時間の充実にありました。それに対してAOKIの新商品は、屋内だけでなく、屋外でもリラックスして過ごせることに目を向けた商品。オン・オフ、屋内・屋外の生活がともに充実する。この〝ボーダーレス〟な感覚がアパレル業界唯一ともいえるヒットへとつながりました」
視聴率はまずまずだったものの、放送終了後にSNSなどにファンが集って内容について語り合う熱量の高いコミュニティーを生んだテレビドラマ「松たか子さん主演『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ)もその一例だ。
「人の往来が減った都心にありながら集客力を高めたIKEA新宿店の総菜量り売りサービスは好例で、パーティーの準備をするかのように、雑貨感覚で総菜を購入する人が目立つのは、人とつながりたいという欲求の高まりを象徴する消費傾向のひとつだと感じます」
『大豆田とわ子と三人の元夫 Blu-ray BOX』
2021年11月5日発売。3万1680円。発売元/カンテレ 販売元/TCエンタテインメント
Ⓒ2021カンテレ
太田さんが納得!上半期を象徴するヒット商品&サービス
キーワードは【ボーダーレス】
AOKI『アクティブワークスーツ』
AOKI初のイージーセットアップで、今年2月に予約販売開始。完売続出の状況から5月よりEC通常販売に!
キーワードは【食の雑貨買い】
IKEA『スウェーデン バイツ』
5月開業のIKEA新宿にオープンしたテークアウト専門店。ミートボールなどの量り売りサービスを日本初導入。