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メンタリストも知らない本当の「メンタリズム」とは?

2021.08.08

 今や「メンタリスト」や「メンタリズム」という言葉は、日本人メンタリストの努力によってその認知度を確実なものになりました。その結果、多くの方がメンタリストという名前に憧れ、〇〇メンタリストという肩書きをつけるようになりました。この現象は「メンタリスト」や「メンタリズム」という捉え方がいかに難しいのか、いかに多くの方はその本当の意味を知らないままでいるのかを感じずにはおられません。

 私は今から19年前の2002年頃に、日本で初めてプロのメンタリストという職業で、メディアやテレビに出演させていただきました。大阪にも5年間、日本初のメンタリズムバーを経営していました。当時は毎日のようにメンタリズムのパフォーマンスをし、多くの方の心を読んだり、操作したりして楽しませていましたので、もしかするとこれを読んでいる方の中で知っている方もいるかも知れません。

メンタリズムとは一体何か?

 多くの方は、メンタリズムというと、心理学や心理術のテクニックを使って人の心を読むと思い込んでいます。まずこれはとんでもない勘違いだということを断言していきたいと思います。

 メンタリズムは今から約100年前に、セオドア・アンネマンという人が確立したものです。いわゆる近代メンタリズムができた時代でした。それ以前のメンタリズムというのは、偽超能力者や偽霊能力者が活用していた技術であり、いわゆる人を騙す技術だったのです。

 例えば、偽霊能力者や占い師が相手の心を読み取り、過去や未来を言い当てたりするのを見て驚く場面を今まで見たことがあると思いますが、このような現象はメンタリストが使うコールドリーディングなどで簡単に再現できます。

 あなたがもし、何かの悩みがあって、友人に相談してみたら「未来や過去も全部当たる凄い霊能力者がいるらしい」と言われ、その霊能者を紹介されたとしましょう。するとその霊能者があなたの顔を見るなり「なるほど、あなたは人のいうことを根拠なしに信じたりしないタイプですね」といきなり言われたとします。ここであなたが「はい」と言えば、その霊能者が言ったことは当たったことになりますし、たとえ「いいえ」や「そんなことはない」と答えても、「そういうところをわたしは言っているのです。

 私のいうことを信じていないということ指摘しているのです」と言えば、これもまた質問の内容が肯定されてしまうということになるわけです。ちなみにこれはコールドリーディングのテクニックの中の「ダブルバインドルーズ」と言われる技術で、「はい」「いいえ」のどちらを答えても正しいと思わせる技法です。ただしこの技術はあくまでも初心者レベルであり、本物はもっと深いテクニックを使用します。

偽物を排除するために始まったメンタリズム

 こうした偽のテクニックを使用して、多くの偽霊能者や偽超能力者は何も知らない人たちを騙し、お布施や除霊などと称して金品を巻き上げてきました。それを見たセオドア・アンネマンはこうしたテクニックをステージの上で行い、あくまでもパフォーマンスとして人を楽しませるようにしていったのです。

 どの時代でもこうした偽物のトリックを暴く人は存在しますが、こうした動きは今まで偽物の技術でお金を稼いできた人たちにとって面白くはないものです。何せ他人を騙そうとしてもできなくなるわけですから。そんなある日、アンネマンがパフォーマンスで銃から放たれたピストルの玉を口で受けるという演目を行なったとき、なぜか銃には本物の玉が入っていて、アンネマンはその玉を受け即死をしてしまいました。故意的なのか、偶然なのか、ただハッキリしていることは、アンネマンが死ぬことで、得をしている人たちがいるというということです。

メンタリストが歩む次のステップ

 ここまで説明すると、多くの方は気がつくと思いますが、メンタリストというのはパフォーマーであり、それらは全てトリックで出来上がっているということなのです。メンタリズムの技術で人の心を読むこともできなければ、相手の心を操作することもできません。では、マジシャンのような存在なのかというと、これがまた違うのです。

 メンタリズムはトリックの上に、コールドリーディングやしぐさ学、微表情学、催眠術などの心理術を実際に融合することで、トリックだけでは出せないパフォーマンスができるわけです。他人からみると、それはまるで心を操る魔術師にみえるのです。

 日本ではあまりメンタリストに関しての情報はないので、知っている方は少ないのですが、世界中のメンタリストの多くは、次のキャリアのステップで「ロビイスト」を目指していることが多いのです。政界と大手企業の橋渡しで莫大な収益を上げるロビイスト、人の心を操ることに長ける職業のたどり着くゴールなのかもしれません。

文/ロミオ・ロドリゲス(プロフェッショナル・メンタリスト)

1972年香港生まれ。説得術、交渉術のエキスパートであり、ビジネス心理専門家である。幼いころよりイギリス、カナダ、日本とさまざまな国々で生活し、4カ国語を操る。相手の心を読み、暗示をかけ、操作をするエンターテイメント「メンタルマジック」を日本に確立させた第一人者。メンタリストの徒弟制度を開設し、次世代なるメンタリストの育成にも力を入れている。一方、独自のビジネス心理方法論を元にしたセミナーを開催し、サービスや接客業のビジネス現場でいかにお客様の心を読むかを指導。インターネット事業でも多方面にビジネスを展開し、メンタリズム・アンダーグラウンド・アカデミーオンラインや多種類のインターネットビジネスにも関連、2015年、「マインドリーディング協会」を立ち上げるなどマインドリーディングの発展のため、さらに活動の幅を広げている。主な著書に、「メンタリズム 最強の講義 メンタリストがあなたの心理を操れる理由」(日本実業出版社)などがある。
https://peraichi.com/landing_pages/view/romeorj888/

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