説明できる？炊飯器の種類「IH」と「圧力IH」の違い

炊飯器を選ぶ時、「IH」もしくは「圧力IH」などという言葉を聞いたことはあるでしょうか。何となく「普通の炊飯器よりもおいしくご飯が炊けるのだろうな」とわかっていても、明確にその理由を説明できる人は少ないかもしれません。

そこで今回はIHタイプと圧力IHタイプの炊飯器の違いをご紹介するともに、圧力IHタイプの炊飯器を発売しているメーカーをご紹介します。

炊飯器の“IH”と“圧力IH”の違いは？ おいしいご飯を炊くためのヒケツって？

おいしいご飯を炊くには、加熱温度の大きさが大きく関わっていることをご存じでしょうか？

炊飯時、お米を加熱する温度が高ければ高いほど、でんぷんの「a化」や「糊化(こか)」が促進されます。

「a化」や「糊化」が促進されたご飯はもっちりとして、噛めば噛むほどおいしさが口の中に広がるといいます。

つまりおいしいご飯を食べるためには、炊飯器の加熱するための方法がポイントなのです。

炊飯器には主に「IH」と「圧力IH」のほか「マイコン」という加熱方式が採用されています。それではこれら加熱方式の違いは何なのでしょうか。

マイコン式とは、内なべの底に搭載されたヒーターで釜を加熱するタイプ。炊飯時に内なべの底から加熱をするため、釜の底付近のお米と上側のお米で微妙な温度差が生じ、炊きムラが発生しやすい傾向にあります。

しかし製品によっては炊飯器の上側にもヒーターが取り付けられており、上と下の両方から釜を加熱できるタイプも発売されています。また、マイコン式の大きなメリットはIHや圧力IHと比較して、本体価格が安価という特長もあります。

一方でIHとは「電磁誘導加熱（Induction Heating）」の略で、IH加熱コイルが底だけでなく内なべじたいを発熱。マイコン式と比べると炊きムラが発生しづらく、また炊き上がったご飯がふっくらするといった特長があります。

圧力IHはIH式と同じくIH加熱コイルによって内なべじたいが発熱するため、炊きムラが起きにくく、さらに炊飯時に釜内に圧力をかけます。圧力をかけることにより水の沸点があがり、100℃以上の高温でお米を炊けるというわけです。

高火力で炊いたご飯がおいしいのはもちろん、ふっくらもちもちとしていて冷めてもある程度弾力が維持されるため、お弁当やおにぎりのご飯に使ってもおいしくいただけます。

【参照】象印 マイコンとIHと圧力IHの違い

よりおいしいご飯を食べたいなら“圧力IH”がおすすめ!?

おいしくて触感も良いご飯を食べたいのであれば圧力IHがおすすめですが、圧力IHタイプの炊飯器は本体価格が高価な傾向にあります。

中にはマイコン式やIH式でも機能や釜の形に工夫を凝らした製品も発売されているため、購入する際はお財布とも相談しながら決めるのが良いかもしれませんね。

圧力やIHのほかにもある？ 炊飯器の選び方のポイント

圧力IHやマイコンといった加熱方式のほか、炊飯器選びのポイントは多数あります。例えばサイズ、手入れのしやすさ、内なべの素材などなど……。

下の関連記事では炊飯器の選び方について紹介しています。これから炊飯器の購入しようかと考えている人はぜひ参考にしてください。

【関連記事】土鍋タイプや圧力IHは何がどう違う？覚えておきたい炊飯器選び6つのポイント

圧力IH炊飯器を発売しているメーカー

ここからは圧力IH炊飯器を発売している主な家電メーカーを紹介していきます。

圧力IH炊飯器メーカー：アイリスオーヤマ

リーズナブルな家電を多くラインナップしているアイリスオーヤマは、圧力IH炊飯器を発売しています。価格帯は1万円～3万円と比較的安い値段で買える製品が多いため「圧力IHは欲しいけど値段が高くて出が出せない……」という人は、1度アイリスオーヤマの圧力IHを試してみてはいかがでしょうか。

【参照】アイリスオーヤマ

圧力IH炊飯器メーカー：象印

象印は2021年7月現在、圧力IH炊飯器を14種類発売しています。

「炎舞炊き NW-LB」は底に6つのIHヒーターを搭載しているため、炊飯時により激しい熱対流でお米をかき混ぜ、お米一粒一粒の甘みを最大限引き出します。

また、121通りの炊き方からお好みの炊き方を選択可能。「40時間極め保温」により、ご飯のパサつきを抑え、約40時間までおいしい状態のまま保温できます。

【参照】象印

圧力IH炊飯器メーカー：タイガー魔法瓶

タイガー魔法瓶は2021年7月現在、9種類の圧力IH炊飯器を発売(内3種類は内なべの素材が土鍋の製品)。

「土鍋ご泡火ほうび炊き JPL-G100」は内なべに本土鍋を採用。最高温度約280度とかなりの高温でお米を炊くことができます。また、遠赤効果による輻射熱で甘みと旨みをしっかり引き出します。

お米の銘柄によって炊き分けができる点もポイントの1つでしょう。

【参照】タイガー魔法瓶

圧力IH炊飯器メーカー：東芝

東芝は2021年7月時点で、真空圧力IH炊飯器を4種類発売しています。

「炎匠炊き RC-10VXR」は1420Wの大火力でかまどのような炊き方を追求。お米を芯から加熱し、ふっくらとした炊き上がりを実現しています。

また、工夫が施されている内なべの形により、炊飯時に大きな熱対流が発生。加熱ムラが抑制されて中心部までふっくら炊き上げることができます。

「ねらい炊き」モードを使えば、ご飯を炊き上げたいタイミングに合わせて25～50分までの5分単位で炊飯時間の選択が可能。「甘み炊き」モードならお米を水にひたす時間を長く取って、ご飯の甘みをアップできます。

【参照】東芝

圧力IH炊飯器メーカー：日立

日立は2021年7月現在、「圧力＆スチームIH」タイプの炊飯器を3種類と、「圧力IH」タイプの炊飯器を3種類発売しています。

「圧力＆スチーム RZ-W100EM」の内なべはアルミ層を重ねて大火力と軽さを実現。内なべの底の独特な凸形状により発熱面積が広くなり、さらに炊飯時には泡を発生させてお米の一粒一粒にしっかり大火力の熱を伝えます。

「スチーム保温」により、最大40時間炊き上がったご飯をしっとりとおいしい状態のまま保温できます。

【参照】日立

※データは2021年7月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。

文／髙見沢 洸