金銭的に後ろ暗い過去がある人にとって、クレジットカード発行時の審査待ちは緊張のひと時。今回もダメなのか、なんとか通過するのか……ドキドキしながら審判が下されるのを待つものだ。
一方で、はじめて発行する人や収入の少ない人など、自分が審査に通るのか不安に感じる人もいるだろう。どのような状況だと審査に落ちてしまうのか知っておきたい人も多いのではないだろうか。
クレジットカード等のお金に関する情報メディア「まねーぶ」ではこのほど、クレジットカード審査落ち経験者84人に意識調査を行い、審査落ちしたときの状況や原因、不安の声を明らかにし、まねーぶディレクターの最上天晴氏が総評した。
審査落ち時の年齢は「20代」が5割、年収は8割以上が「300万円以下」
クレジットカード審査落ち経験者84人に意識調査をしたところ、審査落ち時の年齢については、「20代」が5割と最も多く占める結果となった。次いで「30代」が21.4%、「40代」が16.7%という結果だった。
審査落ち時の年収については、「150万円以上~300万円未満」が27.4%と最も多く、「100万円未満」が25.0%、「100万円以上~150万円未満」が22.6%と続き、8割以上が「300万円未満」ということがわかった。審査落ち時の勤続年数については、「1~3年未満」が29.8%と最も多く、「1年未満」が22.6%、「働いていない」が15.5%と続いた。
審査落ちしたクレジットカードは「JCBカード」、「三井住友カード」と続く
審査に落ちたクレジットカードについては、「JCBカード」が12人と最も多く、「三井住友カード」が11人、「楽天カード」が9人と続いた。
自身で考える審査落ちの原因については、「収入が少ない」が34人とおよそ4割が回答し、原因のトップとなった。次いで「勤続年数が短い」、「スマホ料金や奨学金の延滞滞納をしていた」が14人ずつと続く結果となった。
審査落ち後に信用情報の確認をしたかについては、「確認した」と回答した人は9.5%にとどまった。信用情報を確認した人が審査落ちの原因が分かったかについては、「原因となるものは何も記載がなかった(原因が分からない)」が5人、「予想していたものがあった」が2人、「予想していたものとは違う原因の記載があった」が1人という結果だった。
審査落ち後に再度クレジットカードを新規発行できた人は4割以上
審査落ち後にクレジットカードを新規発行したかについては、4割以上が「新規発行した」と回答した。審査落ち後に発行したクレジットカードについては、「楽天カード」が15人と突出し、「エポスカード」が4人、「セゾンカード」が3人と続いた。審査落ち時と新規発行できたときの違いについては、収入の増加や勤続年数が長くなったという声が多く目立ったが、「何も変わっていないのに審査に通った」という人も少なからずいるようだ。
新規発行しなかった人に再度申し込もうと思わなかった理由について聞くと、信用情報に傷をつけたくない、また同じ思いをしたくないといった声が多く寄せられた。
審査落ちの原因がわからない、信用情報の傷により今後のキャッシュレス化にさらに不安の声
クレジットカードの審査に落ちた経験したことで不安を感じていることだろう。どのような声があるのか紹介していく。
・審査落ちした理由がよく分からないのが1番不安でした。何故審査が通らないのか教えてくれない事に疑問を感じます。これからもずっとクレジットカードを持てないのかと不安になりました。信用調査で落とされたということは、信用基準となる情報が、知らないところで、公開されたり売買されたりしているのかなと疑いました。(30代/女性/20代で楽天カード審査落ち)
・税金や貸金返済の滞納などした覚えがなく、クレジットカードも複数所有していたので、理由が分からず不安でした。その後も何回か申し込みましたが全てダメで、最終的に直接カード会社に連絡すると、個人情報の登録に誤りがあったことがわかりました。こんなことがあっていいのでしょうか。(40代/男性/20代でライフカード審査落ち)
・債務整理中で順調に返済しておりますが、現在は信用情報機関に傷がついているので、やはり不安になります。どうしてもせざるをえない状況だったので後悔はありませんが、これからどんどんキャッスレスが進んでいく中で、もっと多くのことが信用情報機関で判断されるようになった場合にどうなるのか心配になります。(40代/女性/40代で楽天カード審査落ち)
■まねーぶディレクター最上天晴氏の総評
クレジットカードの審査に落ちる原因の8割近くは「返済能力が低い」「金融事故情報がある」「多重申込をしている」「クレジットカードを持ったことがない」の4つだと言われています。
自身が考える審査落ちの原因の1位と2位の「収入が少ない」「勤続年数が少ない」でしたが、これは返済能力が低いとクレジットカード会社に判断される大きな要因になっています。ただ収入はクレジットカード会社やカードの種類によって基準が変わってきます。
審査に落ちたクレジットカードの上位であるJCBカードや三井住友カードは信販系・銀行系なので審査基準が高めに設定されています。これに対して流通系・物販系と呼ばれているカードは、なるべく顧客を取り入れたいと考えているものが多いので、信販系・銀行系に比べると間口が広いと言えます。
少しでも審査に不安がある人は、流通系・物販系のカードを選ぶようにするとよいでしょう。
<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年4月5日~2021年4月20日
調査対象:クレジットカード審査落ち経験者84人
出典元:株式会社GV
https://www.money-book.jp/company/
構成/こじへい