時短や自動調理など、キッチン家電はどんどん多機能化して進化し続けている。近年はAI機能が搭載され、家電がライフスタイルに合わせて提案してくれるようにもなった。
そんな機能満載なイメージのキッチン家電だが、また新しい流れが起きてきた。今秋発売予定のパナソニックのオーブンレンジと炊飯器からその潮流を探る。さらに、おうちごはん需要増しによるトレンドも押さえておこう。
必要な機能を後からカスタマイズできる「マイスペック」
少人数世帯が増えている中、ただ機能をたくさん盛り込めば良いというわけではなくなった。最低限の機能で良いユーザーもいれば、ある程度は使うけれど全部は使わないユーザー、フルスペックで使いたいユーザーもいる。そんな多様化したニーズに応えるべく、パナソニックは新しいオーブンレンジと炊飯器のコンセプトをハイスペックでもフルスペックでもなく「マイスペック」とした。
購入当初は最低限の基本機能を備えたオーブンレンジと炊飯器。そこへ、あとからアプリで自分に合ったメニューを随時追加し、本体に送信することで調理ができるというものだ。
●IoT対応オーブンレンジ「ビストロ」
Panasonic「ビストロ NE-UBS5A」市場想定価格:65,000円(税込)前後
購入時はレンジのあたため、解凍、煮物やパスタなどの調理機能とオーブンのパンやお菓子を焼ける機能のシンプルな基本機能のみ。そこへグリル皿やスチームポットを買い足せば焼き物や揚げ物、蒸し料理などの調理の幅が広がる。
グリル皿やスチームポットを追加したら、「キッチンポケットアプリ」と機器を連携することができ、レシピを検索してメニューを送信すれば調理が可能になる。メニューは随時更新され、興味のあるキーワードに合わせておすすめメニューを提案してくれる。
●IoT対応IHジャー炊飯器「ライス&クッカー」
Panasonic「ライス&クッカー SR-UNX101」市場想定価格:45,000円(税込)前後
炊飯器はライフスタイルに合わせてカスタマイ
アプリと連携しない状態では「銀シャリ」と「エコ炊飯」という基本の炊飯機能を利用できる。アプリと接続することで、本体に登録する炊飯コースを、冷凍用ごはんがおいしく炊ける「
外出先から予約中の炊き上がり時刻を変更することもできるので、急な予定変更などにも対応できる。
いずれも自分のライフスタイルやレンジや炊飯器に求める機能を必要に応じてカスタマイズできるという新しい家電といえそうだ。
ホットサンド需要増し!ホットサンドメーカーが進化
コロナ禍の自粛生活によって「おうちごはん」需要が高まる中、ホットサンドがブームとなっている。そのホットサンドを簡単かつ本格的に焼けるホットサンドメーカーが人気となっており、機能が進化している。
ライソン「7DAYS サンドメーカー」7,700円(税込)
2021年4月30日にライソンが発売した「7DAYS サンドメーカー」は、7種類ものプレートが付属したホットサンドメーカーで、ホットサンド2種、ベビーカステラ、ワッフル、パンケーキ、ドーナツ、焼きおにぎりなどに対応。もはやホットサンドメーカーではなく、幅広いおうちスイーツが手作りできる調理機器と言っても過言ではない。
レシピも付いてくるので、家族で調理を楽しむ手助けになる。
今年の夏のかき氷はおうちで「手作り&本格志向」
近年、かき氷を自宅で作って食べるのもブームだが、今年の夏は昨年に続きおうちで過ごすことも多くなると予想されるため、おうちかき氷も増えるだろう。
そんな中、今年のトレンドとして「本格派」「贅沢」があるようだ。
ドウシシャ「電動ふわふわ とろ雪かき氷器 プレミアム DTY-B12BKM」5,478円(税込)
ドウシシャが2021年6月29日に限定発売したふわとろかき氷が作れるかき氷器はその代表といえる。
コンセプトは「大人のかき氷」。シックなボディ色はブラックを利用し、かき氷の美しい白やシロップと色合いが引き立つ。
新モデルでは氷の食感を変える刃の調節ダイヤルが前面につけられ、調節しやすくなり、ふわふわのかき氷が実現。またやわらかい、練乳入りなどの氷やフルーツを凍らせたものなども削れるので、バラエティ豊かで、まさにプレミアムなアレンジかき氷が楽しめるのも特徴だ。
キッチン家電の新しいトレンドを紹介してきた。「後から機能を追加して自分仕様に」「手作りごはん&スイーツ」「本格派&贅沢志向」など、新たな流れをぜひつかんでおこう。
取材・文/石原亜香利