今夏の注目映画「都会のトム&ソーヤ」で初主演!14歳の注目俳優・城桧吏が語った主演作品への思い
シリーズ累計200万部を超える、はやみねかおるさんの大人気推理小説を実写化した今夏の注目作『都会のトム&ソーヤ』。
どこにでもいそうな中学2年生だが並外れたサバイバル能力を持つ主人公・内藤内人(ないとう・ないと)と学校始まって以来の秀才と言われる財閥御曹司・竜王創也(りゅうおう・そうや)の凸凹コンビが謎のゲームクリエイター集団の仕掛けたリアルRPGゲームをクリアすべく、都会の街中を舞台に謎解きと冒険を繰り広げていく物語だ。
今回、内人役を務め、映画初主演を果たしたのが『万引き家族』『約束のネバーランド』などで注目を集めた城桧吏。「明るい性格が僕と似ている」と内人との共通点を語った城に今回“14歳の座長”を務めた初主演作への思いを聞いた。
元気で明るい性格が内人と似てる。でもサバイバル能力はちょっと(笑)
――映画初主演が決まったときのお気持ちから教えて下さい
「嬉しいという気持ちもありましたが、緊張とプレッシャーでいっぱいでしたね。主演という立場を経験したことがなかったので空気感や雰囲気がいつもと違うような気がして。その辺、どう立ち振舞えばいいのかな?と悩むことも多かったです」
「それと自分にできるのかなという不安もありました。いつもは友達とふざけているようなタイプで、リーダーっぽい感じでもないので(笑)」
――小学生のときに原作を読まれていたとか?
「はい、読んでいました。昔は本を読むのが苦手だったんですけど、挿絵があることで想像しやすく読みやすくて。物語の舞台も僕らが住んでいるような街中で身近だったし、そこから冒険が始まると本当に自分自身が不思議な世界を体験しているようでハマりました。主人公の内人と僕の性格も似ていたので、内人になりきって読んでいました」
――内人と似ているところはありますか?
「元気なところ、明るいところが似てる部分だなと思います。でも、内人のようなサバイバル能力やアウトドアに関しては全く知識がないですけど(笑)。そこだけは真逆かも」
――では、城さんの自慢できる能力は?
「それがあまりないんですよね。特技も特に…あ!そうだ、特技じゃないかもしれませんが最近ルービックキューブをやってます。友達をきっかけにやった事はあったのですが、以前、別の撮影現場で流行ったことがあって、藤木直人さんがやっているのを見てカッコいいと思ったのをきっかけにハマりました」
辛いものが大好きでしびれ好き!たまに“刺激”が欲しくなる
2018年、カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した『万引き家族』では父親と犯罪でつながる息子役を演じ『約束のネバーランド』ではクールで大人びた少年役で注目を集めた。今回の主人公・内人は城さんの等身大が映し出されたような元気で明るい中学生。現実と近しいキャラを演じることの難しさ、こだわりを聞いた。
「僕は内人を通して普段の自分、ありのままの自分を出そうと思いながら演じました。そこにサバイバル指導の先生から教わったことを盛り込んで、内人というキャラクターを作り上げた感じです。年齢もキャラも近いのでこれまでの作品と比べて演じやすい役柄ではありました」
――撮影で大変だったことは?
「走るシーンが多かったのでその時は正直疲れましたね(笑)。全ての撮影後に走るシーンだけ撮ることが何日かあったのですが、創也役の酒井大地くんと2人で何回も走ってはヘトヘトになっていました。身体を動かすのは好きなんですけど長距離が苦手。すぐ体力が無くなるんですよ」
――大地くんの印象は?とても仲良さそうに見えました
「最初はすごく大人しいと思っていたのですが、話してみると僕とめちゃくちゃ性格が似ていて。好きな食べ物、飲み物とかも怖いほど一緒だったんです。2人とも渋いものが好きなんですよね(笑)」
――ちなみに、辛い物が好物だとか
「辛いのが得意というわけではないんですが、なんか好き。しびれる感覚が美味しいというか、たまに刺激が欲しくなります」
――では、そんな「しびれ好き」の城さんが撮影でしびれた瞬間は?
「謎の生命体『Z』と戦うシーンですね。襲われるシーンが何度もあって、特にしびれたのは階段を上がっている時に飛び掛かってきたZを内人がよけるんですけど、そのあとZが階段を転がって行くシーンは凄かったです。スタントマンさんのアクションにしびれました」
正直大人っぽくなりたくない。いつまでも幼いままがいい(笑)
現在14歳の中学生。忙しい仕事の合間のプライベートも気になるところ。そこでこんな質問も。
――休みの日は何をされてますか?
「ゲームも好きですが、弟と遊んでることが多いかも。おもちゃで遊んだり、戦いごっこしようとか言われるので家で弟とバトルを繰り広げています」
――城さんの生活に欠かせないアイテムは?
「去年の誕生日プレゼントでもらったワイヤレスイヤホン。外出するときはそれをもっていないと落ち着かないぐらい。忘れたらヤバいと思っちゃうほどいつも持ち歩いています」
――撮影中に身長が伸びたとか?
「中2の時に撮影が始まったんですが一度コロナで延期になったんです。数ヶ月後に撮影再開し、久しぶりにみんなに会ったら驚かれて。それまでは豊嶋花ちゃんより僕の方が小さかったんですが、いつの間にか追い抜いてました。10㎝ぐらい伸びたかも」
「若干目線が変わったという感じがしましたね。家で朝起きて洗面所の鏡見ると、『あれ?なんか目線上がってる?』みたいな感覚がありました」
――どんどん大人っぽくカッコよくなってます
「ありがとうございます。でも、身長は伸びたけど性格はずっと幼いままって感じです。全然性格変わらないね、って学校の友達にも言われたりするので。大きくなったからといって大人っぽくするとかカッコつけるのもイヤなので、僕はずっと幼いままがいいです(笑)」
何を考えているのか分からない“怖い人間”を演じてみたい
『都会のトム&ソーヤ』では城さんと同世代のキャストが集結。そのため撮影現場はまるで学校のような楽しい雰囲気で終始笑い声が絶えなかったとか。初主演という重圧の中、同世代の仲間と絆を深め、みんなで作り上げた作品の見どころを聞いた。
「太陽をバックにして走っているシーンをぜひ見て下さい!僕自身もとても好きなシーンですし、創也と内人、2人が同じ目標に向かって進んで行く、それを象徴しているようなシーンだと思います。あの場面は2人の友情、絆も感じられると思います」
――作品の最後に「僕らには夢がある」というセリフがありましたが城さんの夢は?
「夢かぁ…やったことのない役をやってみたいですね。シリアスな役、怖い役とか。ミステリアスな感じで何を考えているか分からないようなキャラクターもすごく興味あります」
「あとは身体を動かすのも大好きなのでアクションにも挑戦してみたいです。『GANTZ』や『るろうに剣心』が好きで、剣を使ったアクションも大好きなのでそういう作品に出てみたいですね」
――改めてファンの皆さんにメッセージをお願いします!
「今回の『都会のトム&ソーヤ』は謎解き感覚で楽しめる映画ですし、内人と創也の凸凹コンビ、お互いがそれぞれの足りない部分を支えあいながら謎に挑戦して行くところがとても楽しいので一緒に謎解きしながら楽しんでもらえればと思います」
城桧吏(じょう かいり)
2006年9月6日生まれ、東京都出身。18年に出演した映画「万引き家族」が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞。その後、CX「グッド・ドクター」NHK大河ドラマ「西郷どん」などのドラマを始め、映画「約束のネバーランド」に出演。21年公開の「都会のトム&ソーヤ」では初主演を務め、大きな話題に。
映画「都会のトム&ソーヤ」公開記念オンライントークイベント開催!
7/30(金)の本作の公開を記念して 8 月 1 日、都内スタジオで原作者・はやみねかおる氏と脚本家・徳尾浩司氏による公開記念オンライントークイベントが行なわれた。イベント後半には内藤内人役の城桧吏と竜王創也役の酒井大地がサプライズ登場した。
映画はシリーズ累計200 万部を超える大人気の推理小説シリーズ「都会(まち)のトム&ソーヤ」(講談社YA!ENTERTAINMENT 刊)が原作。ごく普通の中学生だが、実は類稀なるサバイバル能力を持つ内藤内人と、一大財閥“竜王グループ”の御曹司で学校一の秀才である竜王創也の対照的な二人が、天才ゲーム・クリエイター集団「栗井栄太」が仕掛ける、街中を舞台にしたリアルRPG<エリアZ>に出現する数々の「謎」を解きゲームクリアを目指すため、都会の様々な場所を舞台に推理と冒険を繰り広げていく物語。
映画版は原作では描かれていないオリジナルストーリーを展開。主人公の内藤内人役は話題作への出演が続く中で本作が初主演となる城桧吏。内人とバディを組む相棒・竜王創也役は「スターダストプロモーション 第 1 回 スター☆オーディション」で男子グランプリを射止め、本作で映画デビューを飾る酒井大地。
内人の好意に気付かず、創也に想いを寄せる同級生・堀越美晴を豊嶋花。中川大志が竜王創也のボディーガード・二階堂卓也役で出演。正体不明のゲームクリエイター集団“栗井栄太”を市原隼人、本田翼、森崎ウィン、玉井詩織(ももいろクローバーZ)が演じている。監督は『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』が控える河合勇人。脚本は『おっさんずラブ』などの大ヒットメーカー、徳尾浩司が担当。
映画の公開にはやみねは「嬉しいというか実感がない。でも映画になって夢みたい」と喜び、徳尾も「小説の世界観をそのまま映像化するために時間をかけて脚本を作ってきたので、無事に公開されて嬉しい」と封切りに感慨。
脚色に当たって徳尾が「今回の原作を読んで、子供の頃に感じたワクワクする体験を大人になって体験させてもらった。その感じを脚本に落とさなければと思った。原作は皆さんに愛されている作品なのでプレッシャーもありました」と明かすと、はやみねは「セリフなどを読んで僕の原作を大事にしてくれていると思って安心しました」と徳尾氏による脚色に太鼓判を押していた。
また本作にカメオ出演しているはやみねは「一瞬ですので瞬きをしていると見逃します。目を見開いて見てください!撮影では6 回くらい撮り直して、使われたのは1 秒くらい。自分は物書きなので演技をしたことがないので恥ずかしい。もう体験したくない」と照れながら話し、それに徳尾は「ファンの方にとっては先生のカメオ出演は一つの楽しみになるはずです」とコメントした。
また執筆の際のルーティンに話が及ぶと、徳尾は「僕はノートに書き留める癖や習慣はないけれど、面白い話や人の話し方の特徴には注目しています。それが自分の作劇に活かされているような気がする」と人間観察を重要視。
はやみねは「構成やトリックのアイデアをノートに書くことはあるけれど、あとから読み返すと意味不明でほとんど役に立っていない」と苦笑いも「僕は子供向け作品を書いているので、僕の本を買った子供たちがお小遣いを損したと思わないようなレベルに達するまで原稿は渡しません」と作家としてプライドをうかがわせた。
そしてサプライズで城と酒井がステージに登場。この粋なサプライズにはやみねは「ビックリ!」、徳尾も「二人が映画の中から飛び出して来たみたい!」と大興奮。
城は脚本について「あっという間に読み終わった」と絶賛で、酒井も「脚本の面白さにハマりすぎて学校の授業に遅れそうになった」と笑わせた。そんな二人のコンビネーションぶりに徳尾氏は「抜群!」、はやみねも「仲の良さが画面から伝わって来て、二人が走るシーンは見ていてウルっときた」とバディぶりに目を細めていた。
現在、東京ではオリンピックが開催中。酒井が「男子バレーは見ていて面白かった」と言うと、城は「競泳では大橋悠依選手が二冠して『金メダルだ~!』と思った」と日本勢の活躍に嬉しそう。徳尾は日本勢のメダルラッシュに沸いた新種目のスケボーを挙げて「男子も女子も金メダル。ストリートの遊びから生まれたスポーツだと考えると、若者たちが頑張っている姿も含めて『都会のトム&ソーヤ』のことを思い出しながら応援していました」と本作との共通点を見出していた。
これに城も「スケボーは感動しました。自分よりも年下なのに金メダルを獲得していて凄い!」とアスリートたちの姿に尊敬しきりだった。最後に主演の城は「二人の凸凹コンビが支え合いながら補い合いながら、謎解きを通して成長していく姿が魅力的。是非映画館に足を運んでください」とアピール。酒井も「僕にとっても大切な作品で、最高の仲間もできました。僕ら凸凹コンビぶりにも注目してもらって、一緒に冒険をしているような気分になってほしいです」と呼びかけていた。
映画『都会のトム&ソーヤ』はTOHO シネマズ日比谷、イオンシネマほか全国公開中!
映画「都会のトム&ソーヤ」公式サイト:https://machitom.jp/
取材・文/太田ポーシャ 撮影/田中智久