https://www.nintendo.co.jp/hardware/detail/switch-oled/index.html
任天堂は7月、新モデルの携帯ゲーム機「Nintendo Switch(有機ELモデル)」を発表した。しかしその後方には、全面的にスペックを刷新した「Pro」モデルが控えている可能性がある。
小改良にとどまった新モデル
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Nintendo Switch(有機ELモデル)の主な変更点は、従来の6.2インチ液晶ディスプレイにかわり、7.0インチの有機ELディスプレイを搭載したことだ。有機ELは明暗の差となるコントラスト比が高く、また一般的に液晶に比べて「濃い」発色が可能だ。これにより、ゲームをより鮮やかな表示で楽しむことができる。
背面のキックスタンドは幅が広くなり、安定して本体を立てかけられるようになった。据え置き用のドックには有線LAN端子を搭載し、オンラインゲームのレスポンスを高めている。本体保存メモリーは32GBから64GBへと増量され、スピーカーも高音質なユニットに刷新された。
しかし残念ながらNintendo Switch(有機ELモデル)では、CPUやメモリなどの性能向上は行われなかった。過去機種とスペックを揃えることでゲームの互換性が保たれるのも確かだが、より美しいゲームプレイを期待していたゲーマーには残念な知らせだった。
本命は「Pro」モデルに?
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実はNintendo Switch(有機ELモデル)の登場前から、スペックを完全に一新した「Nintendo Switch Pro」が用意されているとの報道や噂が伝えられていた。以下の情報は憶測を含むが、これらが実現すれば実に魅力的な携帯ゲーム機になることだろう。
Nintendo Switch Proでもっとも期待されているのは、ドック設置時の4K解像度出力への対応だ。これにより、大画面テレビへの接続時でも高画質なゲームプレイが可能となる。また、深層学習によりグラフィック処理を効率化する「DLSS」への対応も噂されていた。
これらの刷新されるグラフィック処理を下支えすべく、プロセッサは現行のTegra X1からTegra Orinへとバージョンアップ。また、高速なファイルアクセスが可能なSSD(ソリッドステートドライブ)の採用も期待されていた。
コントローラー改良にも期待
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Nintendo Switch(有機ELモデル)でゲーマーが一番落胆したのは、その性能よりもコントローラー「Joy-Con」が改善されなかったことかもしれない。実は一部のJoy-Conでは、操作していないのにスティック入力が行われる「ドリフト問題」が存在することが広く知られている。しかし任天堂は、Nintendo Switch(有機ELモデル)においてJoy-Conの内部構造には手を加えていないことを公式に認めている。
現時点では、Nintendo Switch Proがいつ、どのような形で登場するのかは不透明だ。一部では、人気タイトルの後継作『Breath Of The Wild 2』のリリースにあわせて新モデルが登場するという観測も伝えられている。
現行モデルのNintendo Switch(有機ELモデル)には特に大きな不満はないが、だからこそ次期モデルでの大幅刷新を期待してしまうのが、ゲーマーの性というものだろう。
文/塚本直樹