イヤホンは、100円ショップなどで購入できる割安の製品から、数万円するワイヤレスタイプの製品など幅広い価格帯で販売されています。近年よく見かけるBluetoothイヤホンでは、1万円前後の製品が多いでしょう。
ただ、イヤホンの世界は奥が深く、中には10万円を軽くオーバーするような製品も存在します。今回は、そんな10万円超えの高級イヤホンについて紹介していきましょう。
知られざる高級イヤホンの世界! 10万円超え製品はなにが違う?
10万円越えのイヤホンといわれても、どんな製品なのかいまいちピンとこない人がほとんどでしょう。では、比較的安価な100円台/1000円台の製品と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
多くの安価なイヤホンの場合、内蔵されているドライバーは1つなのですが、10万円を超えるようなハイエンドモデルの場合はドライバーを2つ以上搭載することが珍しくありません。
ドライバーはサイズや素材によって得意とする再生音域が変わります。そのため複数のドライバーを内蔵することで、各音域を正確・精細に表現できるようになるため、体感できる音質の向上につながると考えられます。
ただし、音質に関しては好みの分かれる部分です。10万円越えのイヤホンよりも、5万円程度の製品のほうが良い音質に聞こえるという可能性も十分にあるので、基本的には自分の好みの音が鳴るイヤホンを探すのがおすすめです。
ほかにも、イヤホン本体に高級な素材を採用したり、長時間使用していても快適なようにフィット感に注力されていたりと、各方面において割安モデルとは一線を画すこだわりが込められています。
中には、イヤホン自体の組み立てを職人の手作業によって行う製品もあるほど。こう考えると、価格に幅が出てしまうのも納得なのではないでしょうか。
10万円を超える高級イヤホンを紹介【SHURE SE846 PRO】
「SHURE SE846 PRO」は4基の高精度ドライバーを内蔵し、明瞭で伸びやかな高音域と、迫力のある重低音の両立を実現した製品。オープン価格の製品ですが、SHURE公式ストア(楽天市場)での販売価格は12万670円となっています。
また、着脱式メタルノイズと交換式ノイズインサートを自分好みに選ぶことで、周波数レスポンスやサウンドシグネチャーのカスタマイズが可能。よく聞く音楽のジャンルに合わせてカスタマイズすることで、より好みの音質に近づけることができます。
SHURE製品の強みである遮音性の高さにももちろんこだわられており、自分の耳に適したイヤパッドを付けることで最大37dBまで周囲の騒音をカットできます。ケーブルは着脱式となっているので、仮に断線してしまってもイヤホン自体を買い替える必要はありません。
【参照】SHURE SE846 PRO
10万円を超える高級イヤホンを紹介【audio-technica ATH-IEX1】
数千円の割安なイヤホンも多く展開しているaudio-technicaは、プロ仕様の高級イヤホンも多数販売しています。今回紹介する「ATH-IRX1」は公式HPでの販売価格が15万1800円のハイエンド製品です。
本製品はダイナミック型とバランスド・アーマチュア型によるハイブリッド型ドライバー構造を採用しています。複数ドライバーの配列にもこだわられており、1つのドライバーから音が再生されているかのような滑らかな音のつながりが楽しめます。
本体素材は剛性のあるチタニウムが採用されています。チタニウムは音に不要な振動を低減し、より原音に近い音楽の再生を可能とします。
また、固体のチタニウムから切断・鍛造し切削、そこから一つ一つを手作業で研磨し、蒸着処理を施すと1つのイヤホンに対して複数の工程を丁寧に行うことで、人の耳に最適な形状を目指しています。
10万円をこえる高級イヤホンを紹介【ソニー IER-M9】
ソニーの「IER-M9」はバランスド・アーマチュア・ドライバーを5基(フルレンジ×2+ウーファー+トゥイーター+スーパートゥイーター)も内蔵し、各楽器をバランスよく鳴らすことができるイヤホン。公式のソニーストアでは14万2868円で販売されています。
インナーハウジングの素材には高剛性と高内部損失のマグネシウム合金を使用することで、ドライバーユニットを堅牢に固定し、不要な振動をおさえます。これにより音の透明度がより高められるとのことです。
コードは無酸素銅の表面に純銀コートを施した二重構造を採用。信号伝送のロスが最小限に抑えられ、音の劣化を少なくすることで滑らかな高音域の再生を実現します。さらにプラグ部分は電流の流れを阻害しにくく、よりクリアな音質を実現できる非磁性体のメッキを採用しています。
【参照】ソニー IER-M9
※データは2021年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/佐藤文彦