最新のビジネスをチェックすると、仕事にヒントにもなるおもしろいアイデアを発見できる。Wunderbarが2021年7月にβ版をリリースした「VOM(ヴォム)」は、著名人にオリジナルの動画メッセージを依頼できるサービス。同社によれば日本初のオンライン完結型プラットフォームだ。
VOMには、一定の審査を経たTVタレントやYouTuber、アスリートなどが登録する。ユーザーは好きなタレントにリクエストを送り、最低30秒〜平均1分程度のオリジナルショート動画メッセージを受け取る。タレントごとに定められた代金が発生する仕組みだ。
従来の映画やテレビなど不特定多数に向けたショーとは異なり、ファンとタレントのコミュニケーションが「1対1」に変わる。好きなタレントから、自分のためにメッセージをもらえれば、ファンにとって貴重な体験になる一方、そのためにどれだけお金を払うかは未知数だ。
「ちょっといいサインをもらう感覚」と同社は説明する。米国では、著名人に動画メッセージを依頼できる同様のオンラインサービス「Cameo」が急成長しており、現在4万人のセレブやアスリートが登録している。VOMでもタレント登録を充実させ、まずは国内に動画メッセージの文化を築くのが同社の狙いだ。
注目したいのは、その先のギフト需要を見据えている点。「最初はファンが自分のために利用する。Cameoも同じだったが、今ではギフト目的での利用が大半を占めている(同社)」。
エンタメに消費するのはファン本人が基本だが、ギフトなら、その周辺にいる家族や友人にマーケットが広がる。コロナ禍の影響もあってソーシャルギフト(直接会ったり、住所を聞かなくても、メールやSNSで贈れるギフト)が人気を集めており、日本のギフト文化とも合致する可能性がある。
同社が目指す「カジュアルにエンタメを使える世界」は実現するか。同社は2022年6月までにVOMタレント数を1000人まで伸ばすことを、当面の目標としている。
取材・文/ソルバ!
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