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0~100km/hの加速は3.8秒!最高速度290km/hを実現したアウディの新型「RS 3 スポーツバック&セダン」

2021.07.27

アウディ「RS 3 スポーツバック&セダン」

アウディは、2021年7月19日(現地時間)、ドイツ本国で新型RS 3シリーズの「RS 3 スポーツバック」「RS 3 セダン」を発表した。

0~100km/h加速3.8秒、最高速度290km/h、RSトルクスプリッター、セミスリックタイヤ、そして専用RSドライブモード。新型Audi RS 3は、セグメント最高レベルのドライビングダイナミクスを提供する。294kW(400PS)を発生する5気筒ターボエンジンは、酔いしれるようなサウンドとともに圧倒的な加速を実現。最大トルクは500Nmに引き上げられ、レスポンスもさらに鋭くなった。

視覚的にも、RS 3のスポーツDNAが表現されている。ワイド化されたボディにはRSスポーツエキゾーストシステムが組み込まれ、コクピットにはレーシングカーの雰囲気が漂っている。

Audi Sport GmbHマネージングディレクターのセバスチャン グラムズ氏は、次のようにコメントしている。

「第3世代のRS 3 Sportbackと第2世代のRS 3 Sedanは、日常ユースに適したプレミアムスポーツカーとして、公道でもサーキットでもスリリングなドライビングを提供します。この2台は、RSの世界へのエントリーモデルであり、トルクスプリッターにより、コンパクトセグメントにおける究極のパフォーマンスを発揮します」

比類なき加速と最高速度:2.5 TFSI

5気筒ハイパフォーマンスエンジンを搭載するRS 3は、セグメントにおいて唯一無二の存在となっている。2.5 TFSIユニットは、9年連続で「インターナショナル エンジンオブザイヤー」の部門賞を受賞。最新世代に進化を遂げたアウディのコンパクトスポーツカーは、同モデル史上最高のパワーを獲得した。

新型RS 3は、0~100km/hをわずか3.8秒で加速。最高速度は250km/hに制限されているが、オプションで280km/hに引き上げることも可能。さらにRSダイナミックパッケージとセラミックブレーキを装着すると、最高速度は290km/hに達する。

さらに、加速性能および最高速度においてもクラス最高の数値を誇る。その秘密は、2,250~5,600rpmの幅広い回転域で発生する最大トルク。これは、先代モデルよりも20Nm増加している。この結果、RS 3は、特に低速域の加速パフォーマンスがさらに強化されている。

最高出力294kW(400PS)の発生回転数は5,600rpmと、先代モデルよりも引き下げられているだけでなく、7,000rpmまでそのパワーを維持する。新しいエンジンコントロールユニットは、すべての駆動コンポーネントとの通信速度も向上している。

5気筒エンジンのパワーは、7速デュアルクラッチトランスミッションによって路面に伝達される。また、迅速なシフトチェンジとスポーティなギア比を特徴としている。エンジン点火順序は、1-2-4-5-3と独自のシーケンスが採用されたことで特徴的なサウンドを発生し、さらに爽快なドライブ体験を提供する。

エキゾーストシステムには、完全に可変タイプのフラップ制御システムが採用され、中間ポジションに設定することも可能になったため、サウンドの幅がさらに拡がっている。サウンドの特性は、アウディドライブセレクト ドライビングダイナミクスシステムで調整することができる。

たとえば、ダイナミックモードおよびRSパフォーマンスモードでは、フラップがより早い段階で開き、エモーショナルなサウンドを奏でる。また、オプションのRSスポーツエキゾーストシステムを装着すると、5気筒エンジンの紛れもないサウンドがさらに強化される。

最高の敏捷性:RSトルクスプリッターと専用のRS 3モード

新型RS 3は、アウディモデルとして初めて、トルクスプリッターを標準装備している。これは、リヤアクスルディファレンシャルや従来のリヤアクスル マルチプレートクラッチパッケージに代わるものですこのニューモデルでは、電子制御式のマルチプレートクラッチが左右のドライブシャフトに駆動力を配分する。これにより、左右のリヤアクスルにトルクが理想的に配分される。

スポーティな走行時に、トルクスプリッターは、より大きな負荷がかかる外側リヤホイールの駆動トルクを増加させ、アンダーステアの傾向を大幅に軽減。左コーナーでは、右リヤに駆動トルクを配分し、右コーナーでは、左リヤに配分する。直進時には、左右のホイールに均等にトルクを配分する。

この新しいテクノロジーにより、サーキットでは車両を完全にコントロールした状態でドリフト走行することが可能になる。この場合、トルクスプリッターは、すべてのパワーを左右いずれかのリヤホイールのみに伝達する。各ホイールには、最大で1,750Nmのトルク伝達が可能。

アウディは、ドリフト専用の「RS Torque Rear」(RSトルクリヤ)と呼ばれるモードを開発した。このドリフトモードでは、トルクスプリッターのトルク配分曲線が専用のセットアップに切り替わる。

サーキット専用に設計したRSパフォーマンスモードも、これまでにはなかった革新的テクノロジー。このモードでは、RS 3に初めて工場オプション設定されるセミスリックタイヤに合わせて、エンジンおよびトランスミッションの設定が調整されている。この場合、トルクスプリッターは、アンダーステアとオーバーステアを可能な限り抑え込み、非常にダイナミックでスポーティな走りを実現。

これらのモードは、アウディドライブセレクト ドライビングダイナミクスシステムで選択できる。アウディドライブセレクトには、コンフォート、オート、ダイナミック、RSインディビジュアル、エフィシェンシーの各モードも設定されている。

さらにダイナミックに、さらに精密に:RSスポーツサスペンション/より大きなホイールキャンバー

標準装備されるRSスポーツサスペンションには、RS 3専用に新開発されたショックアブソーバーとバルブシステムが装着されている。このバルブシステムにより、ショックアブソーバーは、伸び側および縮み側ともに非常に敏感なレスポンスを示す。これにより、このサスペンションシステムは、現在のドライビングコンディションに対して、これまで以上に迅速かつ効果的に対応することができる。

さらに、アダプティブダンパーコントロール付きRSスポーツサスペンションプラスも用意されている。このシステムは、道路状況、運転状況、アウディドライブセレクトで選択されたモードに合わせて、各ショックアブソーバーを連続的かつ個別に調整する。ショックアブソーバーの特性は、快適性、バランス、スポーツ性を重視した3つのモードが用意され、これまで以上に幅広い可変幅を持っている。

ホイールキャンバー角を大きくした結果、さらに正確なステアリングレスポンスとコーナリングフォースの増加がもたらされる。A3と比較すると、新型RS 3のフロントホイールには、約1°大きなネガティブキャンバーが設定されている。これを実現するために、ピボットベアリングが変更され、ロワーウィッシュボーンベアリングの剛性を上げて、ジオメトリー変更に対応している。

フロントアクスルには、サブフレームやスタビライザーも装着されている。リヤアクスルは、別体式のスプリング/ダンパー、サブフレーム、チューブラースタビライザーバーを備えた4リンクデザインを採用している。A3およびS3よりも剛性の高いホイールキャリアは、トルクスプリッターによって発生する横方向の力の増加を吸収する。

リヤホイールのネガティブキャンバーは、A3比で約0.5°増加している。RS専用プログレッシブステアリングは、操舵角に応じてギアレシオを変化させる。操舵角が大きくなると、ギアレシオが小さくなり、ステアリングがいっそうダイレクトになる。また、速度に応じたパワーアシストを提供し、アウディドライブセレクトを介して設定を変更することができる。スプリングおよびショックアブソーバーは、かなり硬めに設定されている。車高は、S3比で10mm、A3比で25mm低くなっている。

RS 3に新たに追加されたもう1つの機能は、モジュラービークルダイナミクスコントローラー(mVDC)である。この集中制御システムは、横方向のダイナミクスに関連するすべてのコンポーネントからデータを取得し、それらのコンポーネントがより正確かつ迅速に作動できるように調整する。mVDCは、トルクスプリッター、アダプティブダンパー、ホイールセレクティブトルクコントロールを同期させ、正確なステアリングと取り回しを実現。全体として、特にワインディングロードにおける敏捷性が向上している。

パワフルなブレーキ:6ピストンスチールおよびセラミックブレーキシステム

RS 3には、強化された5気筒エンジンのパワーに合わせて、新開発の大径6ピストンスチールブレーキが標準装備されている。また、380x38mmのフロントセラミックブレーキがオプション設定され、ブレーキブースターに合わせてペダル特性が調整されている。このハイパフォーマンスブレーキシステムは、スチールブレーキよりもさらに10kg軽量である。内部ベンチレーション機能を備え、ドリル加工されたディスクのサイズは、フロントが375x36mm、リヤが310x22mm。

このディスクは、先代モデルよりも大径で、より高い安定性を誇る。エアコントロールエレメントにより、ブレーキ冷却時間が20%短縮された。これにより、ハードブレーキング中のピーク温度がより迅速に低下する一方で、ペダルフィールは一定に保たれる。

さらに、ブレーキパッドの摩耗も減少する。表面積が15%増加したパッドは、銅を含まない材質になっている。セラミックブレーキを選択すると、ブレーキキャリパーをグレー、レッド、ブルーから選択できるようになる。スチールバージョンには、標準色のブラックに加えて、レッドがオプション設定されている。

独自の個性を備えた豊かな表情:エクステリアおよびライティング

新型RS 3のデザインは、先代モデルよりもさらにダイナミックでパワフルだ。フロントには、ワイドなRSバンパーが装着され、デザインが変更されたシングルフレームには印象的なハニカムグリルが組み合わされ、大型エアインテークがコンパクトスポーツカーのエクステリアに豊かな表情を生み出している。

RS 3には、フラットなウェッジシェイプLEDヘッドライトとLEDテールライトが標準装備される。どちらのシステムにも、ダイナミック ターン インジケーターが組み合わされる。マトリクスLEDヘッドライトは、オプション設定されている。

ダークカラーのベゼルには、エッジのあるデジタルデイタイムランニングライトが内蔵されている。3×5ピクセルのLEDセグメントにより、明確な外観が完成している。ダイナミック リービングホーム/カミングホーム機能が作動すると、左側ヘッドライトにはチェッカーフラッグが描き出され、ドライバー側にはRS 3の文字が投影される。走行中は両側にチェッカーフラッグライトが点灯する。

フロントホイールアーチ後方には、新たなデザインエレメントとして、人目を惹くエアアウトレットが設定された。ブラックトリムのロワーサイドシルもデザインが見直され、大きく張り出したホイールアーチとともに、新型RS 3の表現力豊かなエクステリアに貢献している。

フロントトレッドは、先代モデルと比較して33mm拡大されている。Sportbackでは、リアトレッドも10mm広げられた。RS 3には、10-Yスポークデザインの19インチ鋳造ホイールが標準装備される。さらにレーシングカー的なデザインを求める方のために、RSロゴが施された5-Yスポークホイールがオプション設定されている。

またアウディ史上初の試みとして、ピレリP Zero“Trofeo R”パフォーマンス セミスリックタイヤをオプション設定している。モータースポーツを連想させる装備としては、ディフューザーが統合されたRS専用リヤバンパーに加え、2つの大きな楕円形テールパイプを備えたRSエキゾーストシステムが挙げられる。

新型RS 3には、キャラミグリーンとケモラグレーの2つの専用色が設定されている。今回から初めて、Sedanのルーフをコントラストカラーのブリリアントブラック仕上げにすることもできる。シングルフレームのハニカムグリルをはじめとする個々のエクステリアパーツは、マットブラックまたはハイグロスブラック仕上げが標準設定される。

オプションとして利用可能な「Alu-Optic Trim」パッケージを装備すると、フロントバンパー、ディフューザーインサート、ウィンドートリムにアクセントが追加される。スポーティなスタイルを強調するには、カーボンファイバー強化ポリマーによるサイドイシル インレイが用意される。同じ仕上げを、Sedanのドアミラーカバーとテールゲートスポイラー、Sportbackのルーフエッジスポイラーにも施すことができる。

正真正銘のレーシングフィーリング:インテリア

インテリアにも数多くのRS専用コンポーネントを装着して、スポーツ性を強調している。12.3インチ ディスプレイを備えたアウディ バーチャルコクピット プラスが標準装備。このディスプレイは、エンジン回転数をバーグラフで表示するだけでなく、出力とトルクをパーセンテージで表示することもできる。

オプションで、新しい「RSランウェイ」デザインのタコメーターが設定された。このオプションが装着されている場合、滑走路を思わせる独特のスタイルで、通常とは反対方向に(最高値が手前、最低値が奥に)エンジン回転数が表示される。さらに、アウディバーチャルコクピットプラスには、加速度(G)、ラップタイム、0~100km/h加速、0~200km/h加速、1/4マイル(400メートル)加速、1/8マイル(200メートル)加速の表示も含まれている。

RS専用のシフトインジケーター(マニュアルモードで作動)は、グリーン、イエロー、レッドと色を変えながら、まさにレーシングカーのように点滅して、理想的なシフトアップタイミングをドライバーに知らせる。10.1インチタッチディスプレイには、クーラント温度、エンジン温度、トランスミッションオイル温度、タイヤ空気圧が表示される。また、RS 3としては今回初めて、シフトライトインジケーターの他、各種情報をドライバーの視界内のフロントウィンドーに表示するヘッドアップディスプレイも設定される。

カーボンファイバー製インストルメントパネルやRSエンボス加工が施されたRSスポーツシート、アンスラサイトのコントラストステッチも、レーシングカー的な雰囲気作りに貢献している。シート地には、RSハニカムステッチとコントラストステッチが施されたファインナッパレザーも用意されている。

ステッチカラーは、光沢ブラックとレッドに加えて、今回初めてグリーンが設定された。RSデザインパッケージにもレッドとグリーンを設定し、組み合わせて利用することができる。このパッケージには、コントラストステッチとRS刺繍が施された専用フロアマットとカラーエッジ付きシートベルトが含まれる。デザインパッケージプラスを選択すると、シートバック コーナー(肩の部分)にレッドまたはグリーンの装飾が付き、さらにエアベントにもアクセントカラーが配される。

すべてを制御下に:12時マーカーストライプとRSモードボタンが配置されたステアリングホイール

RS 3には、ボトムフラットの3スポークRSスポーツマルチファンクション レザーステアリングが標準装備される。このステアリングには、高品質なダイキャスト亜鉛シフトパドルが装着されている。デザインパッケージを選択すると、RSバッジに加えて、12時位置にストライプマーカーも施される。あるいはハンズオン検知機能(静電容量式タッチセンサー)を備えたRSステアリングホイールも設定されるが、こちらは円形になる。

どちらも、ステアリングホイールスポークの右側には、共通の新しいRSモードボタンが配置される。このボタンは、アウディドライブセレクトモードのRSパフォーマンスまたはRSインディビジュアルモードを選択する場合や、前回設定したモードを呼び出したい時に使用する。どちらのRSモードを選択しても、インストルメントディスプレイとヘッドアップディスプレイがスポーティな表示となり、点滅式シフトインジケーターも表示される。

発売情報:市場導入時期と価格(欧州仕様)

Audi A3 SportbackおよびRS 3 Sedanは、2021年8月半ばからヨーロッパで注文の受付が開始される。新型RS 3は、ヨーロッパでは今秋に発売される。RS 3 Sportbackのベース価格は60,000ユーロ、RS 3 Sedanのベース価格は62,000ユーロ。

関連情報:https://www.audi.co.jp/jp/web/ja.html

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

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