今、国内で「ジン」の売行きが非常に好調だ。国内酒類トレンドを見ても、数ある酒類の中でジンの伸長率がナンバー1(※)で、一番勢いのあるカテゴリーなのだ。
ジンは「年配の方がゆっくりとたしなむ」、「バーでカクテルにして飲む」というイメージがある。しかし2020年サントリーから発売された国産ジン「翠(SUI)」は、まるでレモンサワーのように普段の食事と一緒に楽しめるお酒として、20~40代を中心に人気急上昇中だ。
これから本格的なジンブームを予感させる、火点け役の「翠」ジンの楽しみ方をご紹介したい。
(※)21年1~5月前年比で122%(インテージSRI+ 20年1月~21年5月実績、金額ベース)
そもそもジンってどんなお酒?
はじめに「ジン」というお酒について簡単におさらいしたい。
ジンの定義(※EUの場合)は、ジュニパーベリーの香りを主とする、アルコール度数37.5%以上の蒸留酒ベースのスピリッツ製品だ。
(※)アメリカではアルコール度数40%以上。日本の酒税法ではスピリッツに分類される。
ジンは13世紀ごろにオランダで医薬品・強壮剤として生まれた。19世紀にイギリスで連続式蒸溜機が発明されてドライジンが誕生し、20世紀にアメリカでカクテル文化が発展してドライジンが拡大した。
ジンの原料は、刺激的な香りを持つ「ジュニパーベリー」が主原料で、それ以外にもコリアンダーシード、レモンピールなどさまざまな植物が使われており、これらはボタニカル(草根木皮)と呼ばれている。サントリーでは、基本的に8種類のボタニカルを原料としてジンを造る。
そして興味深いことに、これまで日本のジン市場では輸入ジンのシェアが多かったが、現在では国産ジンがシェアを逆転しており、国産ジンへの注目がさらに高まっている。
「翠」は「柚子・緑茶・生姜」の3種の和素材を使用! 日本人の嗜好にピッタリの味!
昨年発売された翠の最大の魅力は、ジンに和の素材を感じられることだ。柚子・緑茶・生姜を使うことで、普段の食事との相性が良く、日本人の味覚に合った味わいを表現している。
一般的なドライジンは、ベーススピリッツにボタニカルを一度に浸漬し、単式蒸溜機で蒸溜させていくのだが、翠は3つの製法で造られた原酒をブレンドしている。
1.和素材以外の全てのボタニカルをまとめて一回で蒸溜する製法の原料酒。
2.ジュニパーベリーだけを先に蒸溜し、その次にボタニカルを浸漬させて再度蒸溜させた原酒を使用。2回蒸溜することで非常に強く独特なジュニパーベリーの香りが和らぎ、日本人の味覚に合う原料酒となる。
3.3種の和のボタニカルを使用した原料酒を使用。素材に合わせてそれぞれ浸漬・蒸溜を行い、原料酒を造り分ける。
(柚子は、柚子の果皮を用いた浸漬酒と、柚子をまるごと漬け込んだ浸漬酒の2種に加えて柚子の蒸留酒も造る。柚子だけで計3種の原料酒を造る)
そして、上記の原酒を巧みにブレンドして完成だ。一般的なドライジンの製法よりも、非常に手間暇かかって丁寧に造られていることが分かる。
原酒の飲み比べでわかった! 翠ジンだけが持つおいしさ
「翠」ブランドセミナーでは、和素材を使用した原酒のテイスティングも特別に体験することができた。
先に浸漬酒の味わいを紹介したい。
「柚子」はフレッシュで上品な柚子の香りがして、搾りたての透明感のある柚子の甘みも感じられる。トップの香りが鼻を抜ける時に非常に清々しい。
「緑茶」は甘みのニュアンスがあり、旨味が出ている。玉露と抹茶のブレンドだが、抹茶のまろやかさや甘みを感じた。渋さは控え目。
「生姜」は、辛みを感じる香りが鼻を通る。すり下ろしたばかりの生姜のよう。余韻はピリッと刺激的だ。
これらの浸漬酒を堪能して改めて「翠」を飲むと、清々しい柚子の香りが前面に出ていることに気付く。飲み始めは柚子がさわやかに香り、中間は緑茶由来の甘みを感じ、後味はキリっと引き締まる苦味と辛みがある。一般的なドライジンよりも、ジュニパーベリーの香りや味が強すぎないため、苦みも穏やかとのことだ。
柚子、緑茶、生姜とそれぞれの和素材の香りや味わいが順番に追い掛けてくるのが非常におもしろい。
おすすめの飲み方はソーダで割るだけの「翠ジンソーダ!」
居酒屋や自宅で食事と一緒に楽しめる「翠」だが、最もおすすめする飲み方はジン(30ml)とソーダ(120ml)を1対4で割るだけの翠ジンソーダだ。
こちらも体験した。
グラスいっぱいに氷を入れてから、翠ジンを入れる。炭酸ガスが抜けないように、グラス壁面にソーダをゆっくりと注ぎ、マドラーで一回かき混ぜたら完成だ。
一口飲んで、感激した。「ジンってこんなに爽やかに飲めたっけ?」と、ジンの概念が変わった。
ソーダで割ると、柚子のさわやかな香りがさらに心地良く感じられる。後味にキレがあるため、炭酸も相まって夏にピッタリの辛口の1杯になる。非常に爽快感のある味わいだ。癖のある苦味ではないので、ジン初心者の方にも飲みやすいだろう。
「翠」は唐揚げ、焼鳥、餃子といった「居酒屋メシ」との相性が特に良い。筆者も自宅で翠ジンソーダと生姜がたっぷり入った餃子と合わせたが、相性抜群だった。これから本格的な夏を迎えスタミナをつけたい今、餃子は最高の組み合わせだ。
繊細な和食や刺身などよりは、油分とボリューム感のある料理と合わせやすい。麻婆豆腐、回鍋肉などの中華料理や、翠と同じく生姜を使った「豚の生姜焼き」など、家庭で並ぶ普段の料理とよく合うだろう。
1本1518円という価格も、手間暇かかった製法であること、そして家飲み価格を考えれば納得のいく値段ではないだろうか。煎茶割り、梅干し割りなどいろいろなアレンジもできる。
今年、「翠」は去年の約2倍以上の販売数量を見込んでいることからも、これからジンブームがやってきそうだ。ハイボールやレモンサワーをいつも飲んでいる方こそ、「翠ジンソーダ」で国産ジンの魅力を体感してみて欲しい。
【製品概要】
サントリー ジャパニーズジン 翠(SUI)
希望小売価格:1518円
容量:700ml
アルコール度数:40%
【「翠」ブランドサイト】
https://www.suntory.co.jp/wnb/suigin/
※ブランドサイト内より、各ECサイトで購入可能。
【取材協力】
サントリーホールディングス株式会社
取材・文/Mami
(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
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