Visaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の使い方

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」を運営する株式会社スマートバンクが、2021年7月15日（木）に記者説明会を実施した。

本説明会では、サービスの紹介や開発背景の他、同日より提供開始された新機能“ペア口座”や、 総額10億円の資金調達を実施したことを公表。ここでは、家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の利点や、今後の展望について、紹介したい。

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」とは？

家計簿プリカとは、株式会社スマートバンクが発行運営するVisaプリペイドカードと家計簿アプリがセットになった支出管理サービス。

Visaプリペイドカードとスマホアプリを連携し、毎月の予算をプリペイドカードにチャージして支払いを行うだけで、明細が即座に自動記録されるため、計画的な支出管理が可能になる。
※2021年6月末時点ではiOSアプリのみ提供　ダウンロード

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の開発背景

イギリスでは、バス、電車などの公共交通機関だけでなく、外食、スーパーのセルフレジ、屋台、美術館や教会、ホームレスなどへの支援、有料トイレ、博物館の地図、シェアサイクルのレンタルもキャッシュレスである。遊園地にある子供の乗り物にまで、キャッシュレス決済が幅広く普及している。

それに対し、経済産業省データ「キャッシュレス化促進に向けた国内外の現状」によると、イギリスでは2007年に37.9%だったキャッシュレス決済比率が2016年には68.6％に上昇しているのに対し、日本では2007年に13.6%が2016年には19.9％と、わずか6％しか上昇していない。

家計管理においても、封筒で現金を仕分けるなど、アナログな手法で管理しているケースが目立つ。

同社代表取締役CEOの堀井翔太氏によると、イギリスと形は違えど、日本のキャッシュレス比率は、今後も増加を続け、紙幣の流通は減っていくと見込まれるという。

そこで誕生したのが、デジタルで生活費の支出が管理できる家計簿プリカというわけだ。

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の使い方

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の使い方は以下の通り。

•アプリから簡単な申し込みをする
•やりくりしたい金額をコンビニやペイジーから入金
•発行されたカードを普段の買い物に利用する

発行したVisaプリペイドカードを利用して買い物をすると、明細が自動的に家計簿アプリに記録される。

一般的な家計簿アプリでは、クレジットカードを利用した明細がアプリに反映されるまでに時間がかかるが、リアルタイムで支出が確認できるのが特徴だ。

プリペイドカードの残高を見れば、あといくら使えるかがひと目でわかるため、使い過ぎを防止する効果があると見込まれる。当月の予算を設定することもでき、月初にまとめレポートも届く。

目的別に「ポケット」を作成し自由に出し入れすることで、残高を分けて管理することもできる。

なお、入金手数料は無料で、出金については月に2回まで無料となっている。その他、ユーザーの残⾼管理、本⼈確認システム(eKYC)や Visaのネットワークを通じた決済システムを⾃社開発している。

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の活用方法

少し私見を加えると、これまでの家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」では、家計の全体を管理するというよりは、比較的少額をチャージしたプリペイドカードを個人の財布代わりに使うというやりくりに向いていたのではないかと思う。

例えば、『毎月夫から生活費としてもらっている10万円をやりくりするのに家計簿を手書きでつけるのは面倒だから自動的に家計簿を作成したい』、『毎月の小遣い3万円をやりくりするのにわざわざ本格的な家計簿アプリは使いたくない』などといった人に向いているように感じる。

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」を利用することで、財布の残高を確認したり、カードの利用明細が更新されるまで何度も確認したりする手間を省くことができる。また、財布や複数のクレジットカードを使う代わりにプリペイドカードを利用することで、支出管理をデジタルで一本化することができる。

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」ペア口座機能

今回発表された“ペア口座”は、家族やパートナーで使える専用口座が作れる新機能。これにより、パートナーと共同で家計管理をすることができるようになる。

前述の私見では、比較的少額をチャージしたプリペイドカードを個人の財布代わりに使うという使い方が適していると述べたが、ペア口座により、個人単位の家計管理から、夫婦やパートナー、ファミリーやビジネスなど、利用範囲の拡大が期待される。

家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」の今後の展望

コロナ禍で生活様式が大きく変わったこともあり、キャッシュレス普及はより幅広い世代に浸透する可能性がある。

現金を主体としたアナログな手法を用いた家計管理から、デジタルでスマートに家計を管理できる方法として、家計簿プリカ「B/43（ビーヨンサン）」にも期待が集まる。

スマートバンクが今回大きく調達した資金をどのように利用していくのかという点もあわせて注目したい。

参考／家計簿プリカ「B43（ビーヨンサン）」スマートバンクが新機能「ペア口座」で共同管理が可能に

※データは2021年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文／家計簿・家計管理アドバイザー　あき
著書に「1日1行書くだけでお金が貯まる! 「ズボラ家計簿」練習帖（講談社の実用BOOK）」「スマホでできる　あきの新ズボラ家計簿（秀和システム）」他