
「見窄らしい」という漢字を見たことがあるだろうか。外見を表す言葉の一つで、誰しも「そう思われたくない」と思うはず。では、この「見窄らしい」、何と読み、どのような意味を持っているのだろうか。本記事では、「見窄らしい」の正しい意味と使い方を解説する。類語や英語表現も併せて参考にしてほしい。
「見窄らしい」の正しい意味は?
見窄らしいの読み方は「みすぼらしい」。まずは、この言葉の正しい意味と例文を見ていこう。
「外見が貧弱」「身なりが見苦しい」の意味
見窄らしいは、「外見が貧弱」「身なりが見苦しい」という意味を持つ言葉。貧しそうで見劣りする人や物に対して用いられ、具体的には「見窄らしい格好」「見窄らしい家」「見窄らしい老人」などのように使われる。
「見窄らしい」の語源は、“「身」と「窄らし」の組み合わせ”からきているという説が一般的だ。「窄らし」は、動詞である「窄る」が形容詞化したもので、「狭い」「つぼむ」という意味がある。そのため、「身」が「窄る」ように見えるさまを「見窄らしい」と言うようになったという。
「見窄らしい」を使った例文
では、具体的にどのようなシーンで「見窄らしい」を使えばいいのだろうか。以下の例文をチェックしてほしい。
【例文】
「彼はいつもみすぼらしい格好をしている」
「幼少期は見窄らしいアパートに住んでいた」
「こんな見窄らしい身なりで、デートには行けない」
「築50年4畳半の見窄らしい僕の部屋を、彼女に見られたくない」
「見窄らしい」の類語、英語表現
ここからは、「見窄らしい」の類語と英語表現をチェックしていこう。「見窄らしい」の類語は多数存在するが、ここではその中から2つの言葉を紹介する。
貧相
「貧相」は、貧乏そうな雰囲気が漂っている様子を表す言葉の一つ。服が破れていたり、靴がぼろぼろだったり、表情に覇気がなかったり、いかにも貧しそうな見た目をしていることを指す。ちなみに、実際にその人が貧乏かどうかは関係なく、「見た目が貧乏そうに見えていること」がポイント。貧弱な外見を表す言葉のため、「見窄らしい」の類語と言える。
哀れ
「哀れ」には、「かわいそうに思われるさま」という意味がある。「あまりにも無残な姿で見ていられない」「不憫で気の毒」などと感じる人や物、環境に対して使われる表現だ。「見窄らしい」と同様に、見苦しい様子を表している類語だ。ちなみに、「哀れ」という言葉には、「もの悲しい雰囲気があること」「感慨深い気持ち」「人に対する慈愛や純愛の気持ち」などの意味があることも併せて覚えておこう。
「見窄らしい」の英語表現
「見窄らしい」を英語で表す場合は、「shabby」を使う。「shabby」は、日本語で「だらしない、ラフな見た目」という意味があるため、「見窄らしい」と似た表現だと言える。具体的には、「a shabby house/見窄らしい家」「a shabby district/見窄らしい地区」「a shabby old shack/見窄らしい古い小屋」などのように用いる。
ちなみに、英語圏では「Not too shabby!/いいじゃん!」という使い方をすることもあるようだ。つまり、「shabby」は、日本語の「見窄らしい」よりも、ネガティブな要素は少ないと考えて良いだろう。
みすぼらしい人の特徴は?
最後に、「見窄らしい人」の特徴について紹介する。見窄らしく見えてしまう要素はたくさんあるが、ここでは「見窄らしい人の典型的な例」を男女別に見てみよう。
みすぼらしい男性の特徴
見窄らしく見える男性は、髪の毛や髭の手入れを怠っている傾向がある。一般的に男性は女性に比べて短髪なことが多い分、定期的なヘアカットが欠かせない。特に男性の髪が伸びっぱなしになっていると、清潔感がない印象を周囲に与えてしまう。また、メンテナンスをしていない不精髭も不潔な印象を与え、見窄らしさを漂わせやすい。たとえ服装がきちんとしていても、髪や髭を整えていない男性は見窄らしく見える傾向があるため、日頃から手入れを怠らないように気を付けよう。
みすぼらしい女性
見窄らしく見える女性の特徴として、「靴の汚さ」が挙げられる。「おしゃれは足元から」と言うように、身なりが整っている人は足元まで気を遣っているもの。反対に、靴がぼろぼろなせいで、全体の印象が見窄らしくなってしまう可能性もある。具体的には、ヒール部分が削れてカツカツ足音がするパンプスや、かかとが潰れているローファー、先端が擦れて穴が開いているスニーカーなどを履いていると、見窄らしいと周囲に感じられてしまうかもしれない。
文/oki