この播州そうめんに加え、生産量全国2位の長崎県の島原そうめん、「島の光」という統一ブランドを持つ香川県の小豆島そうめん、日本のそうめんのルーツで日本一細いと言われる奈良県の三輪そうめん、逆に日本一太い徳島県の半田そうめん、の5つが、いわゆる「日本5大そうめん」。5大そうめんのほかにも、全工程100%手作りの、熊本県の南関そうめんと富山県の大門そうめんが、最近人気です。
今は、日本一細い三輪そうめんでも、日本一太い半田そうめんでも、いくらでもお取り寄せで自宅で食べられる時代。麺つゆだって、九州の甘いタレとか、そうめんと一番相性が良いと言われるしいたけだしとか、何でもお取り寄せできます。この夏は、日本全国のそうめんとつゆを食べ比べてみてはいかがでしょう。
また、最初にそうめんを家以外で食べる人はいないと書きましたが、東京にも少数ながらそうめん専門店があります。走りは、2009年オープンの東中野の半田そうめん専門店『阿波や壱兆』と銀座の小豆島そうめん専門店『小豆島 大儀(旧・臼家)』。ほかに、大井町と武蔵小山の播州そうめん専門店『そうめん屋はやし』、恵比寿の小豆島そうめん専門店『そそそ』といったところ。そうめんを自宅でおいしく食べるために、専門店で新しい食べ方を学ぶというのも、いいかもしれません。逆に、出店する側から言えば、今、そうめん専門店が狙い目、ということになりますね。
(左)宮崎・ヤマエ食品の自社でだしをとった「高千穂峡つゆ しいたけ味」。
(右)1735年創業のさつま甘口醤油の会社、鹿児島・丁字屋のつゆ。
恵比寿の『そそそ』は、2013年に代官山にオープンした和菓子店『楚々』の社長の娘で、元アイドルの安藤成子さんが、小豆島産の手延べそうめん「島の光」に魅せられ、2018年に出店したそうめん専門店。食べログで3.5点台は立派。2021年6月には、渋谷ヒカリエ6階に『そうめん そそそ 研究室』を出店の予定。◆住所:渋谷区恵比寿西1-4-1◆電話番号:03・6416・9284
【秘訣】ふだん自宅でしか食べないものの専門店を出す
取材・文/ホイチョイ・プロダクションズ