三日坊主とは、ネガティブな性格を指して使われる言葉です。概要や言葉の由来、似た意味の言葉について知っておけば、三日坊主への理解をより深められるでしょう。三日坊主の基礎知識や、克服するコツを紹介します。
「三日坊主」とは
三日坊主の具体的な意味や語源について解説します。どのような性格や人のことを指すのか、まずは言葉の基礎知識を押さえておきましょう。
何事も長続きしないこと
『三日坊主(みっかぼうず)』とは、何事も長く続けられないことを指す言葉です。何をやっても長続きしない人を意味するケースもあります。
たとえば、日記やダイエットなど、今まで経験がないことにチャレンジしたものの、すぐに諦めてしまったことがある人も多いでしょう。このようなケースで、『三日坊主に終わった』などと表現します。
長続きしない期間が『三日』に限定されるわけではありません。三日坊主の『三日』は、単に期間が短いことを意味しています。
三日坊主は何を始めても継続できない性格や人を指すため、ネガティブな意味合いで使われることがほとんどです。三日坊主になりやすい人は、何事も諦めずに継続できるよう努力する必要があるでしょう。
言葉の由来
三日坊主の由来は、一人前の僧侶(坊主)になることを志す修行僧が、三日ほどたって脱落してしまう様子から、『三日坊主』といわれるようになったとされています。
僧侶の修業は時に過酷であり、中途半端な気持ちでは続けられません。たとえ意気込んで出家したとしても、しばらく経過したら再び俗人に戻りたいとする人も出てくることを指した言葉です。
また、『坊主』という言葉は、単独で僧侶を意味する以外に、親しみの意味を込めて他の言葉に付けられることもあります。いたずら坊主ややんちゃ坊主が代表的な言葉です。
「三日坊主」の使い方と類義語
三日坊主の適切な使い方を、例文と併せて覚えておきましょう。数多くの類義語がある点もポイントです。
使い方と例文
三日坊主は、名詞として使うケースと、『三日坊主になる』の形で動詞として使うケースがあります。具体的な使い方を、以下の例文で確認しましょう。
- 今回のアルバイト先は、本当に激務で体がもたなかった。いつも三日坊主だねとからかわれてきたが、今回ばかりは違う
- 日記や筋トレなど、今までさまざまなことに挑戦してみたが、全て三日坊主で終わってしまった
- 資格試験の勉強が三日坊主になるのを予防するために、今回は職場の同僚にも声をかけて一緒に頑張ることにする
- 今年こそは夏に向けてダイエットを頑張るつもりだ。飽きやすい性格で毎年三日坊主になっているため、今年は目標を甘く設定しようと思っている
類義語は「飽きやすい」「長続きしない」
三日坊主と意味が似ている言葉としては、『飽きやすい』や『長続きしない』などが挙げられます。いずれも三日坊主の特徴を表している言葉です。
ただし、『飽きやすい』に関しては、必ずしも飽きやすい性格から三日坊主になるとは限りません。『集中力が続かない』や『我慢強くない』など、長続きしない性格的な理由はケースバイケースです。
何事も継続できない様子を意味する言葉なら、どのようなものでも三日坊主の類義語になります。『根性がない』『すぐに諦める』『粘りが足りない』『簡単に折れる』『気が散りやすい』などが該当します。
長続きしない原因とは?
三日坊主になりやすい代表的な原因を二つ紹介します。三日坊主にならないためには、長続きしない理由をしっかりと理解し、対策を講じることが大切です。
変化を嫌う傾向
人間は、自分に習慣付いていることの変化を嫌う傾向があるといわれています。日常で変化が起こった際に元へ戻そうとする意識が、三日坊主になる大きな原因の一つです。
新しいことを始めようとすると、大なり小なり変化を伴うことになります。変化を習慣化させるためには、元に戻そうとする意識に抵抗しなければならず、より多くのエネルギーが必要です。
エネルギーが足りない人は、変化を嫌う意識のほうが勝ってしまうため、変化を求めても長続きしません。ある意味どうしようもない原因ともいえることから、三日坊主になりやすい人は、継続するための工夫を凝らす必要があります。
はっきりとした目標がない
目的や目標が明確に定まっていないことも、三日坊主になる原因の一つです。努力して得ようとする成果が曖昧な状態では、努力に必要な強い意志を持ちにくくなるため、何事も長続きしにくくなってしまいます。
たとえばダイエットを始める場合、単に『やせたい』と思うだけでは、目標設定として不十分です。お金を貯めようとするケースでも、少なくとも目標金額くらいは具体的に設定する必要があります。
何をやっても続かない人は、意気込みだけは強くても、はっきりした目標を定めていない人がほとんどです。三日坊主を防ぐためには、自分がどうなりたいのかという明確な目標を決めるようにしましょう。
三日坊主にならずに継続する方法
三日坊主になりやすい人は、考え方や生活習慣を改善する必要があります。何事も長続きしやすくなるための方法を覚え、できることから実践してみましょう。
期限を決める
三日坊主にならないためには、明確な目標を定めることが大事です。ただし、『いずれ達成すればよい』という意識では、挫折につながってしまう恐れがあります。
具体的な目標を定めたら、ゴールまでの期限も決めましょう。目標を達成できるかどうかはともかく、期限を決めればその間のモチベーションを高めやすくなります。
期限を設ける際は、実現可能な範囲で設定することが重要です。無理なく目標を達成できそうな期限にすれば、途中で挫折しそうになっても「あと少し頑張ってみよう」と踏ん張れます。
何を始めるにしても、多くの場合は最初が最もやる気に満ちている状態です。モチベーションが下がったときのことも考慮し、余裕を持たせた期限を設定しましょう。
達成できそうな小さな目標にする
やる気のある状態で目標を定めようとすると、大きな目標に設定しがちです。しかし、自分に負荷をかけすぎるとやる気がなくなっていき、途中で挫折しやすくなります。
目標を決める際は、実現できそうな小さな目標にすることを意識しましょう。いきなり最終目的を設定するのではなく、確実にステップを踏むことが成功するポイントです。
最終的に100万円貯めたいなら、まずは1年後に10万円貯める目標を定めるとよいでしょう。小さな成功体験を積み重ねれば、徐々に目標を大きくしていけます。
小さな目標を設定しても達成できない場合、取り組みが自分に向いていない可能性もあります。目標を小さくすることは、向き不向きを判断する方法としても有効です。
いつものルーティンに取り入れる
三日坊主を防ぐ方法の一つとして、普段のルーティンに取り入れることが挙げられます。習慣化できれば大きなエネルギーを必要としないため、長続きしやすくなります。
無意識のうちにしていることを洗い出し、組み合わせられるものはないか考えてみましょう。新しい取り組みを日常に取り入れてしまえば、体が勝手に動くようになります。
あることを人が完全に習慣化するには、最低でも3カ月はかかるといわれています。3カ月もやる気を維持するのは大変であるため、いつものルーティンに取り入れる方法はとても効果的です。
記録を付ける
目標達成に向けて長続きさせるためには、小まめに記録を付けるのもおすすめです。達成度を確認できるため、モチベーションを維持しやすくなります。
記録を付けるのが面倒なら、アプリを利用するのも一つの方法です。勉強や運動を習慣化できるスマホ用の習慣記録アプリが、種類豊富に用意されています。
何事も長続きしない人にとっては、記録付けも継続できない可能性があります。しかし、スマホアプリなら手軽に使える上、モチベーションアップにつながる仕掛けも役立つでしょう。
構成/編集部