https://blog.mi.com/en/2021/01/29/forget-about-cables-and-charging-stands-with-revolutionary-mi-air-charge-technology/
ケーブルを使わずにスマートフォンをチャージできるワイヤレス充電は、すでにほとんどの端末で利用できるようになった。しかしそのワイヤレス充電も、メーカーの努力により日進月歩の進化を遂げているのだ。
数メートル先のスマートフォンを狙い撃ち
https://blog.mi.com/en/2021/01/29/forget-about-cables-and-charging-stands-with-revolutionary-mi-air-charge-technology/
スマートフォン向けのワイヤレス充電技術でもっとも先進的なアイディアを披露しているのは、中国シャオミだ。同社が今年1月に発表した「Mi Air Charge Technology」では、なんと部屋のどこにいてもスマートフォンの充電が可能となる。
Mi Air Charge Technologyでは、まず送電側と受電側がアンテナでお互いの位置を正確に補足する。そして144個のアンテナアレイによるビームフォーミング技術を利用し、周波数の高いミリ波で電力を送信する。
シャオミによれば、Mi Air Charge Technologyでは5Wでのワイヤレス充電が可能だ。さらに複数台のスマートフォンへの同時充電や、障害物越しでの充電も可能だと説明している。そして将来的には、家全体をワイヤレス充電に対応することも可能になる予定だ。
すでに実用化されている遠隔ワイヤレス充電
https://twitter.com/oppo/status/1364107473452339205
シャオミほどチャレンジングではないが、離れた場所のスマートフォンを充電する技術はすでに実用化されている。上のデモは、中国OPPOの巻取りスマートフォンのコンセプト「OPPO X 2021」を用いて遠隔ワイヤレス充電している様子だ。
OPPOが披露した「Wireless Air Charging」では、スマートフォンを充電台から10センチ以上離しても、ワイヤレス充電が続く。同社によれば、10センチメートル以内なら7.5Wの電力を供給できるとしている。
さらに米モトローラも、独自の遠隔ワイヤレス充電技術「Motorola One Hyper」を発表していおり、電力の送受信のデモにも成功している。各社の製品開発が順調にすすめば、そう遠くないうちに私達もこれらの技術を利用できるようになるだろう。
充電速度の高速化も過激に
https://twitter.com/Xiaomi/status/1399186017421127680
通常の充電マットを使ったワイヤレス充電も、高速化の一途をたどっている。シャオミが6月に披露した「HyperCharge」技術では、なんと120Wでのワイヤレス充電を実現。スマートフォンを15分で満充電できるとうたっている。
さらにHyperChargeは有線充電の速度も大幅に底上げしており、現在は200Wでの充電が可能だ。これにより、スマートフォンをわずか8分で満充電できる。もし家を出る直前にスマートフォンのバッテリーが空だと気づいても、すぐに十分な量の充電ができることだろう。
このようにより遠距離へ、そしてより高速にと進化を続ける、スマートフォンワイヤレス充電技術。シャオミが示唆しているように、いずれ充電という作業を行わなくても、自動でスマートフォンが充電される時代がくるのかもしれない。
文/塚本直樹