洗濯機を購入する時、「ドラム式」と「縦型」のどちらを購入しようかと迷う方も多いのではないでしょうか。
特に今まで縦型洗濯機を愛用していた人の場合、ドラム式洗濯機のメリットや縦型との違いがわからないというケースもあるでしょう。そこで今回はドラム式のメリットや縦型との違いを紹介しつつ、ドラム式洗濯機を発売している国内メーカーを紹介します。
ドラム式洗濯機の特徴
最初にドラム式洗濯機の特徴をチェックしていきます。
ドラム式のメリット、縦型洗濯機との違い、おおよその水道代、掃除方法や寿命などを確認しましょう。
ドラム式のメリットや縦型洗濯機との違いは?
ドラム式と縦型洗濯機の大きな違いは、衣類の洗い方にあります。
縦型洗濯機で衣類を洗う時は「かくはんもみ洗い」が基本です。
パルセーターという洗濯槽の底にある羽根が回転し、衣類をもみ洗いします。この方式のメリットは、衣類同士をこすり合わせて汚れを落とすため、頑固な汚れも落としやすいところ。しかし、衣類に傷みやからみが発生しやすいという点(※)もあります。
※一部製品にはやさしく衣類を洗うコースも搭載されています。
一方でドラム式は「たたき洗い」と「もみ洗い」を組み合わせた洗い方が基本です。
設置されたドラムが回転し、衣類を持ち上げて上から下に落とす「たたき洗い」とドラムを急速に反転させて衣類を小刻みに動かす「もみ洗い」の合わせ技で洗濯物の汚れを落とします。
この方式のメリットは縦型洗濯機よりも使う水の量が少ない点。節水につながるのはもちろん、洗剤の濃度を濃くできるため、皮脂汚れに強いといわれています。また衣類のからみや傷みが少ないため、洗濯物の生地にも優しいといった特徴があります。
【参照】ドラム式と縦型 洗い方の違い
ドラム式洗濯機の水道代はどれくらい?
上の項目で紹介したとおり、ドラム式洗濯機は縦型洗濯機よりも節水しやすく、ランニングコストを抑えることができます。
例えばパナソニックのドラム式「NA-VX900BL/R(洗濯・乾燥容量11kg)」の場合、使用する標準の水量は約78Lで運転1回あたりの水道代は約21円。それに対して縦型「NA-FW120V5(洗濯・脱水容量 12kg)」の場合、運転1回あたり約150Lの水量を利用し、水道代は約39円発生します。
つまり節水を重視する人にとってはドラム式がおすすめなのです。
ドラム式洗濯機の電気代はどれくらい?
水道代はドラム式洗濯機の方が安く抑えられるでしょう。一方で電気代も比較的安く抑えられます。
パナソニックのドラム式「NA-VX900BL/R」の場合、消費電力量は約68Whで1回あたりの定格洗濯運転で発生する電気代は約1.9円となっています。一方で縦型「NA-FW120V5」の場合、消費電力量は約98Whで、1回あたりの定格洗濯運転で発生する電気代は約2.7円です。
また、定格洗濯乾燥時の消費電力量はドラム式「NA-VX900BL/R」が約890Wh(標準)。それに対して縦型「NA-FW120V5」の消費電力量は約2550Whです。
定格洗濯乾燥を1回運転すると発生する電気代は、ドラム式「NA-VX900BL/R」が約25円で縦型「NA-FW120V5」が約69円。
以上のように電気代においてもドラム式洗濯機の方が安く抑えられる傾向にあるのです。しかし、ドラム式洗濯機は縦型洗濯機よりも本体価格が高いという点もあります。
ランニングコストを抑えたい人は「ドラム式洗濯機」。
イニシャルコストを抑えたい人は「縦型洗濯機」をチョイスすると満足できるはずです。
ドラム式洗濯機の掃除方法は?
ドラム式洗濯機の掃除方法は、基本的には取り扱い説明書にかかれている手順にしたがって行いましょう。
例としてパナソニックのドラム式洗濯乾燥機の場合、洗濯終了後に「乾燥運転」をすることで洗濯槽の中にある湿気を取り除き、カビの発生を防ぐ効果があります。
また、機種にもよりますが洗濯槽を洗浄できるコースが搭載された製品や、洗濯槽洗浄のタイミングをサインでお知らせしてくれる製品も発売されています。
【参照】洗濯槽の黒カビ 予防と対策
ドラム式洗濯機の寿命はどれくらい?
ドラム式洗濯機の寿命は製品の耐久度や使用環境によって異なります。一般的には7年から長くても10年程度がドラム式洗濯機の寿命といわれています。
ドラム式洗濯機を発売している主な国内メーカー
ここからは2021年6月現在、ドラム式洗濯機を発売している主な国内メーカーをご紹介します。
ドラム式洗濯機メーカー:日立
日立は「ヒートリサイクル 風アイロン ビッグドラム」というドラム式洗濯乾燥機を主に4種類発売しています(2021年6月現在)。
洗濯容量は12kgの製品が2つで、11kgの製品が2つとなっています。いずれの製品にも、洗濯物の量や汚れ具合などを判断して洗い方や洗う時間を自動で調整してくれる「AIお洗濯」機能が搭載されているため、細かい設定をする手間が省けるでしょう。
【参照】日立 洗濯機 フルラインナップ
ドラム式洗濯メーカー:シャープ
シャープは2021年6月現在、8種類と豊富なラインナップのドラム式洗濯乾燥機を発売しています。
一部製品には高圧シャワーノズルから、水道水を毎秒100万個以上の微細な水滴にして衣類に噴射する「マイクロ高圧洗浄」を搭載。これにより繊維の奥にまでからまったしつこい泥汚れなどをスッキリ洗い流すことができます。
洗濯・脱水容量は11kgの製品が4つ、10kgの製品が2つ、7kgの製品が2つとなっています。
【参照】シャープ 洗濯機 製品一覧
ドラム式洗濯メーカー:東芝
東芝は2021年6月現在、「ドラム式洗濯乾燥機 ZABOON TW-127X9L/R」という洗濯・脱水容量12kgのドラム式洗濯乾燥洗濯機を発売しています。
洗剤を繊維の奥まで浸透させ、汚れを落として臭いを防ぎ、さらに抗菌効果もある「抗菌ウルトラファインバブル洗浄W」機能を搭載。専用アプリをインストールしたスマホと連携すれば、外出先で操作することもできます。
液体洗剤・柔軟剤の自動投入もできるため、洗濯時の手間も省くことができるでしょう。
【参照】東芝 TW-127X9L/R
ドラム式洗濯メーカー:アイリスオーヤマ
コスパの良い家電製品を多く展開しているアイリスオーヤマも6つのドラム式洗濯機を発売しています。
洗濯・脱水容量は8kgが5つ、7.5kgが1となっています。2021年2月に発売された「FLK832」は温水洗浄が可能。洗濯物に付いた臭いや黄ばみを徹底的に除去します。
※データは2021年6月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/髙見沢 洸