大豪邸が抽選で当たって大喜びの“ビンボー”な大家族。しかし大豪邸の隣人は、意地悪で威張りん坊のセレブマダムだった……。
Netflixで2021年7月7日より独占配信中のオリジナルシリーズ『お隣さん戦争』は、隣人同士のおバカで熾烈な争いを描いたメキシコのコメディドラマ。
制作は、Netflixオリジナルシリーズ『母と母と娘』のカロリーナ・リベラとフェルナンド・サリニャーナ。
あらすじ
大家族ロペス家の母で大黒柱のレオノール(バネッサ・バウチェ)は、タクシー運転手。
ある日、乗客の女性がレオノールの自動車のドアを誤って破壊するが、弁償を拒否して逃走してしまった。
途方に暮れたレオノールは、女性が落とした豪邸の抽選券を偶然拾う。絶対に当たるわけないと思っていたのに思いがけず当選し、ロペス家は早速豪邸にお引っ越し。
しかし豪邸の“お隣さん”は、何とドアを破壊して逃走したあの乗客の女性だった。彼女の名前は、シルビア(アナ・ライェブスカ)。
シルビア率いるエスピノサ家は正真正銘の大金持ちであり、「貧乏人のくせに」隣の豪邸に住んでいるロペス家のことを何かと見下し、攻撃を仕掛けてくる。
引っ越し直後に盛大な初聖体拝領のパーティーを計画しているロペス家に対し、同じ日に大きな行事の開催を予定していたシルビアは激怒。嫌がらせを実行するが……。
見どころ
まるでギャグ漫画をそのまま実写化したような、ハチャメチャなシーンが多い本作。
同じくメキシコドラマの『ハウス・オブ・フラワーズ』と同じく、人間のエゴとエゴとが激しくぶつかり合う、喜怒哀楽激しいファミリー・コメディとなっている。
自分本位でその瞬間の本音に忠実、よく言えば感情表現が豊かな人物が多く登場するのが、メキシコドラマの面白さの秘訣かもしれない。
レオノールは勝ち気で押しが強いが情に厚いところもある、典型的な肝っ玉母さん。
頼りない夫ヘナロの代わりに大黒柱として奮闘しているが、前科持ちの弟のことを受け入れて一緒に暮らしてくれている優しいヘナロには感謝している。
敵役のシルビアは、一応お金持ちのセレブマダムでありながら清々しいまでの小悪党ぶりが、“ばいきんまん”のような雰囲気を醸している。
なお主にいがみ合っているのはシルビアとレオノールだけで、それぞれの夫や子どもたちは基本的にそこまで険悪ではない。
シルビアの独裁に耐えかねた子どもや家政婦が一時的にロペス家に避難するエピソードもあり、全体的にレオノールのほうがやや優勢な印象。
ラストに勝利を収めるのは一体どちらなのかは、Netflixを観てからのお楽しみ。
Netflixオリジナルシリーズ『お隣さん戦争』
独占配信中
文/吉野潤子