時間やお金を自由に使える独身貴族は、人生を満喫している人としてうらやましがられる傾向があります。しかし、少なからず先々に対する不安を感じている人が多いのも事実です。言葉の由来や特徴、デメリットを紹介します。
「独身貴族」とは?
独身貴族とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。具体的な意味や言葉の由来について解説します。
独身生活を謳歌している主に男性を指す
独身貴族とは、時間やお金の制約を受けずに、自由な暮らしを満喫している独身者を意味する言葉です。一般的には、『独身生活を謳歌している男性』を指します。
経済的に自立していることも、独身貴族に当てはまる条件の一つです。親からの仕送りなどで生計を立てているのではなく、職に就いて自分で収入を得ている人が該当します。
独身貴族が結婚しない理由は人それぞれです。自由な人生を望んで独身貴族となることを選んでいる人もいれば、結婚願望はあっても相手に恵まれない人もいます。
言葉の由来
独身貴族は1977年頃から使われ始めたとされる言葉です。高度経済成長期が終わって数年後の1977年に、自分で稼いだお金を趣味などに使う人が増加し、これらの人を独身貴族と呼び始めました。
戦後から高度経済成長期にかけて、多くの日本人にとっては結婚して家庭を持つことこそが幸せな人生だと解釈されていました。この考え方を覆し、家庭に束縛されず自由に生きる道を選んだ人たちが独身貴族となっていったのです。
独身貴族の『貴族』は、『貴族のように優雅な生活を送っている人』という意味で付けられています。多くの場合はうらやましさの意味で用いられますが、『結婚できない人』という皮肉が込められることもあります。
「独身貴族」の特徴
独身貴族と呼ばれる人には、いくつかの共通点があります。代表的な特徴を確認しておきましょう。
お金や時間に余裕がある
独身貴族の大きな特徴として、お金や時間に十分な余裕があることが挙げられます。高級車やブランド品を所有しているなど、一見してお金持ちであると分かる点がポイントです。
多くの学生は十分な時間があるものの、お金に余裕がないため独身貴族とはいえません。また、経済的に自立しているサラリーマンでも、残業に追われて時間がない人は独身貴族とは呼ばれないでしょう。
自分の仕事で得た収入を全て自由に使えることや、生活費以外に多くのお金を残せることが、独身貴族になるための最低条件です。時間も心置きなく使える必要があります。
趣味が多い
一般的に、趣味を持つとある程度の時間とお金が必要となります。多趣味の人であっても、結婚後はお金と時間に制約を受けることから、趣味が中途半端に終わりがちです。
しかし、独身貴族は時間やお金を持て余しているため、趣味に対して存分にそれらをつぎ込めます。一つの趣味に打ち込んだ後、次々と趣味を増やしていける点も特徴です。
お金がかかりそうな趣味を避ける必要もありません。車・バイク・旅行など、多額のお金を必要とするタイプの趣味にも、迷わず没頭できます。
物事にこだわりがある
独身貴族が持つ特徴の一つとして、物事に対するこだわりの強さが挙げられます。簡単には曲げられない確固たる軸を持っており、何事においても妥協を許しません。
物事に対するこだわりが強ければ、必然的により多くの時間やお金を必要とします。譲れない部分を守りたい気持ちの強さこそが、独身貴族を貫く一つの理由であるともいえるでしょう。
こだわりの強さは、我の強い性格にもつながりやすくなります。頑固な性格であることがうかがえるため、なかなか結婚できない理由の一つとして考えられます。
「独身貴族」でいることを不安に思うのは
病気にかかったときや老後を迎えたときを考える場合、独身貴族のままでは不安に感じることもあるでしょう。それぞれについて詳しく解説します。
病気になったとき
既婚者が病気になった場合、一般的には配偶者や子どもに看病してもらえます。しかし、独身貴族が病気になっても、基本的には自分の世話をしてくれる人が身近にいません。
生活を謳歌している間は気が強くなり、自分が病気になったときのことも楽観しがちです。しかし、実際に重い病気にかかった場合は、身近な人の存在がいないデメリットを痛感することになるでしょう。
自身で対処できる程度の病気であっても、体が不調になると心も不安な気持ちになるものです。常に健康でいられるわけではないことを意識しておかなければなりません。
老後のことを考えたとき
独身貴族が抱きやすい大きな不安の一つに、老後の問題があります。結婚しなければ子どももいないため、年老いて体が弱ってきた場合も、自分でなんとか対処しなければなりません。
老後資金がなくならないように気を付けておくことも重要です。1人なら老後もなんとか生活できるだろうと思っていても、現役時代に派手なお金の使い方をしていた人は、簡単に生活レベルを落とせないものです。
収入の多かった人が、年金も多くもらえるわけではありません。年金で生活できなければ貯金に手を出さざるを得なくなり、貯金もなくなれば老後破産に陥る恐れがあります。
独身貴族を謳歌していても、老後の問題は避けて通れないものだといえるでしょう。
構成/編集部