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「共依存」に陥りやすい人の3つの特徴

2021.08.09

共依存という言葉が、近年よく聞かれるようになってきています。意味や歴史について知っておけば、メディアなどで取り扱われた際にも理解をより深められるでしょう。共依存の概要や陥りやすい人、脱却方法について解説します。

共依存とは

共依存とはどのような関係性や状態を指す言葉なのでしょうか。言葉の意味や由来について解説します。

共依存とはどのような状態?

共依存とは、特定の相手から必要とされることを過剰に欲する状態を指す言葉です。問題を発生させる人と、その人の世話をする人が、互いに支配しようとする関係性を指す場合もあります。

自分と特定の相手が共依存に陥ってしまうと、精神的・肉体的・経済的に離れられない状態になりやすい点が特徴です。親子・夫婦・職場など、さまざまな環境において共依存に陥ることがあります。

共依存であることを自覚すると、多くの場合は相手との関係性や自分の将来に対して不安を覚えるでしょう。関係が破綻することで、結果的に当事者同士が深刻な状態に陥ってしまうケースもあります。

参考:共依存 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

1970年代のアメリカで生まれた

共依存という言葉の由来には諸説あり、中でも1970年代のアメリカで誕生したとする説が有力です。当時のアルコール依存の治療・看護現場で、自然発生的に使われ始めたとされています。

アルコール依存症患者の配偶者は、患者に立ち直ってもらおうと本人に働きかけ、家庭を支えるのに必死でした。しかし、配偶者が頑張るほど患者は配偶者に甘え回復が遅くなり、いつまでもアルコールを絶てないという悪循環に陥っていきます。

このような状況下で悩み苦しむ中、患者ではなく自分自身に焦点を当てる考え方が生まれました。

患者と配偶者が過剰に欲し合う共依存の関係性が、結果として患者の回復を遅らせてしまう要因の一つと考えられるようになったのです。共依存の概念が誕生したことをきっかけに、依存症へのアプローチ方法も変化しました。

陥りやすい人の三つの特徴

(出典) pexels.com

共依存に陥りやすい人には、いくつかの共通した特徴があります。代表的な特徴と、なぜその特徴があると共依存になりやすいのかを解説します。

自己肯定感が低い

自分の存在に価値を見出せず、自分に自信を持てない人は、共依存に陥りやすくなります。自己肯定感が低いと、相手から評価されたり頼られたりしなければ、自分の価値を自ら認められないためです。

幼少期に親から褒められる機会が少なかった人や、今までの成功体験が少ないと考える人は、自己肯定感が低くなる傾向があります。兄弟や他人と比較される機会が多かった人も同様です。

自己肯定感の低さが原因でパートナーと共依存になった場合、相手から暴力を受けても離れられなくなるケースがあります。深刻な共依存に陥ると、暴力さえも自己肯定のために受け入れてしまう場合もあるほどです。

世話好き

二者間で互いに相手を支配しようとする関係性も、共依存の状態によく見られる特徴です。単なる世話好きが過剰になり、相手をコントロールするまで発展すると、共依存に陥りやすくなります。

支配する意識にまで至らない場合も、相手にアドバイスしたり行動をサポートしたりすることで自分の存在価値を見出す傾向があるなら、共依存体質だといえるでしょう。

相手の世話をして感謝されることで、自己肯定感を高めようとする意識が働くことも、共依存につながりやすいポイントです。この場合は支配を求めるのではなく、相手からの愛情や評価を得て自分の存在価値を肯定します。

子どものころにトラウマがある

幼少期に心が傷つくような経験をし、トラウマとして残っている場合は、共依存に陥りやすい傾向があります。子どものころに失った自尊心を取り戻すべく、他人に尽くして評価を得ようとするのです。

子どものころに心が傷つく経験をすると、多くの人は自分の心を抑制したまま大人になります。認められたり褒められたりする機会が少ないため、成長しても自己肯定感は低いままです。

不仲の両親に育てられた人も、自分は両親のようになりたくないとの思いから、パートナーに対して過剰な愛情を注ぎやすくなります。カップルや夫婦で共依存になる典型例といえるでしょう。

さまざまな環境で起こる共依存

(出典) unsplash.com

共依存の関係は、あらゆる環境下で起こる可能性があります。共依存に陥りやすい代表的な環境について解説します。

親子での共依存

親と子が互いに相手を求め過ぎると、共依存に陥ることがあります。子どもがなかなか親元を離れられず、親も子離れができない状態です。

親子間の共依存は、子どもに対する親の過保護・過干渉が主な原因です。「自分がいなければこの子は何もできない」という状況を作り上げるため、子どもは成長しても親離れできません。

親自身も、子どもの世話に自分の価値を見出していることから、子離れを許容できない心理状態に陥ります。中には、子どもが自立したタイミングで体調を崩す親もいるほどです。

恋愛関係や夫婦間での共依存

カップルや夫婦は、特に共依存を発生しやすい関係です。一般的には、片方が相手に尽くし、もう片方がそれに甘える関係性に陥ります。

尽くしたり甘えたりするバランスが崩れると、尽くされる側は甘えっぱなしになり、結果的に自立した考えを持つ機会を失います。尽くす側がなかなか満たされない点も、カップルや夫婦における共依存の大きな特徴です。

相手に見捨てられるという不安を抱えてしまい、片方が相手に対して過剰な束縛を生むこともあります。束縛される側が、束縛を愛情の裏返しと考えて我慢してしまうことで、ストレスを抱えることにもつながりかねません。

援助職での共依存

共依存体質になりやすい職種として、援助職が挙げられます。援助職とは、教師・看護師・介護士・保育士など、人を援助することが主な仕事となる職種です。

援助職に就いている人は、仕事で多くの人から頼られる立場にあります。しかし、頼られることに慣れてしまうあまり、プライベートでも頼られた際に過剰な対応をしてしまうのです。

自分の仕事においても、被援助者に対して行き過ぎた援助をすると、共依存の関係に陥りやすくなります。相手を自分の支配下に置き、無意識のうちにコントロールする状態になってしまうのです。

共依存から抜け出す方法はある?

(出典) pexels.com

自分や相手に対する考え方を見直せば、共依存を克服できる可能性があります。以下に挙げる三つの方法を理解し、できることから実践してみましょう。

相手をコントロールしようとしない

共依存から抜け出す方法の一つに、相手の感情や行動をコントロールしないように意識することが挙げられます。相手を支配下に置こうとすればするほど、共依存は深刻になっていくものです。

他人の感情や行動を自分が思うままに操ることは不可能です。自らがコントロールできるのは、自分自身の感情や行動のみであることを意識しましょう。

逆の立場で考えれば、自分をコントロールしようとしている人の意見を、全て受け入れられるわけではないことが理解できます。相手への接し方を思い返し、支配しようとしている部分があれば見直す必要があるのです。

ありのままの自分を受け入れる

共依存に陥っている人は、相手に気に入られようとするあまり、自分の意見を主張できない傾向があります。共依存から抜け出すためには、何もかも相手に合わせるのではなく、たまには自分の率直な意見を伝えてみるのも効果的です。

自己肯定感が高まるように努力することも、共依存からの脱却につなげられます。ありのままの自分を受け入れ、自分の良い部分を肯定することから始めれば、自己を徐々に認められるようになるでしょう。

例えば、自分の趣味や好きなことをするサークルに力を入れてみることです。趣味を通じてさまざまな人と関わり、自信を持てるようになれば自分を認められることにつながります。

自分に価値がないという思いから抜け出し、自分にとって自信になりそうなことを、何か一つでも見つけてみることが大切です。

専門家を頼る

共依存は自分だけでなく相手の考え方も大きく影響し合う関係性です。自分の考え方を見直せても、相手に変化する意思がなければ、共依存からの脱却は難しいでしょう。

自力での克服が困難だと感じたり、共依存の度合いが深刻なものであったりする場合は、専門家を頼るのがおすすめです。

共依存からの回復をサポートしてくれる病院やカウンセラーに相談すれば、第三者の立場から適切なアドバイスをもらえます。自力での克服より早い回復を期待できる点もメリットです。

構成/編集部

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