ディズニー&ピクサー映画『あの夏のルカ』が2021年6月18日(金)よりディズニープラスで独占配信されている。これまで〝アニメーション映画は子どもが楽しむもの〟という印象を持っていたが、ステイホームの経験を経て、最新映画を自宅で観られる手軽さに魅力を感じ、『あの夏のルカ』を鑑賞してみたので、本音レビューしていきたい。
『あの夏のルカ』のストーリーは? 大人でも楽しめる?
『あの夏のルカ』の舞台はイタリアの美しい港町ポルトロッソ。住民たちは海で魚を獲りながら生活していた。そんな平和な町には古くからの言い伝えがあった。
海の世界にはシー・モンスターと呼ばれる怪物がいる。シー・モンスターが現れるとされている海域には近づいてはならないと。
一方、シー・モンスターたちも未知なる人間の世界を恐れ、平穏な海の世界で静かに暮らしていた。人間の世界と海の世界は決して交わることはなかったのだ。
海の世界で暮らすシー・モンスターのルカは海底に落ちてきた〝人間のモノ〟に興味津々。お母さんに「決して海の外には行ってはいけない」と言われていたルカ。しかし、見たことのない世界への憧れは募るばかりだった。
ある日、ルカは人間の世界を知るアルベルトと出会う。なんとアルベルトは陸の上で暮らすシー・モンスターだったのだ。ルカはシー・モンスターは身体が乾くと人間の姿になる性質を持つということを知り、アルベルトと一緒に陸の上で見たことのない世界に夢中になった。
しかし、ルカの両親にそのことが知られ、しばらくの間、深海で過ごすことを命じられたルカ。「深海で過ごすなんていやだ!」と思ったルカはアルベルトと一緒にポルトロッソの町に足を踏み入れてしまう。
陸の上では人間の姿の彼らだったが、少しでも水に濡れると元の姿になってしまうのだ。
シー・モンスターに懸賞金を懸け、退治しようとしている人間たち。自分たちがシー・モンスターであることを知られる恐怖を抱えながらも、ルカは目の前に広がる新しい世界に魅了されていく。
そして、2人は決して交わることのなかった人間の世界と海の世界に大事件を巻き起こしてしまう。どんなに禁じられても〝知りたい〟と願ったルカに待ち受ける未来とは……。
『あの夏のルカ』は子ども向けのように思えるが、最後まで見終わった時に胸の奥にジワッと温かい思い出が蘇ってくる、そんなメッセージ性のある物語だ。
『あの夏のルカ』の率直な感想は? リアルレビュー!
『あの夏のルカ』の世界観は現実には考えにくい〝シー・モンスター〟という存在を受け入れるところから見えてくるように思う。
ただ歳を重ね、大人になってしまった私はきっと想像力に欠けているのだろう。子どもの頃のような柔軟性があればすぐに世界観に入り込めたのかもしれない。
『あの夏のルカ』の世界観に入り込むまでの間は正直、〝よくある子ども向けのアニメーション映画〟という印象だった。
私たち人間は自分たちが中心に世界が回っていると思いがちだが、この世界には人間以外にも多くの生き物が暮らしていて、未知の生物もいるかもしれないということが腑に落ちた時、物語の見え方がガラッと変わるのだ。
もちろん〝家族愛〟や〝友情〟、〝絆〟といったテーマに胸を打たれる部分が大いにある。
それに加えて、子どもの頃には当たり前のようにあった〝未知の世界〟へ抱く胸の高鳴りを思い出させてくれる、そんな映画だと思った。
「子どもの頃に抱いていた夢ってなんだろう……」これが私の映画を見終わった後の率直な感想だ。
いつも世界がキラキラして、一瞬一瞬が掛けがえのない時間だった子どもの頃の自分とルカを重ね、大人になっても忘れてはいけないことを教えてくれた映画だったように思う。
『あの夏のルカ』
6月18日(金)よりディズニープラスにて見放題で独占配信中
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(C)2021 Disney/Pixar.All Rights Reserved.
取材・文/RoMoKo