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AMGとの共同開発エンジンを搭載!ロータス史上最高で最後のミッドシップスポーツ「エミーラ」

2021.07.11

ロータス「エミーラ」

ロータスカーズは7月6日(イギリス現地時間)、ミッドシップスポーツモデルの新型車「エミーラ(Emira)」を発表した。

エミーラは、ロータスのビジネスとブランドの継続的な変革を完全に体現する、新しいミッドシップエンジンのプレミアムスポーツカー。エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの能力や特徴、技術の素晴らしさに基づいて構築されたエミーラは、ロータスの飛躍的な進歩を表すものだ。

ロータスカーズのマネージングディレクターであるマット・ウィンドル氏は、次のように述べている。

「エミーラはロータスのゲームチェンジャーです。これは、ビジネスの変革、つまり私たちの進歩の具現化において、これまでに達成したすべてのビーコンとしての役割を果たします。これは、グローバルなパフォーマンスカーブランドになるための非常に重要なマイルストーンです」

エミーラはロータスによって開発された、新しい軽量の接着アルミニウムシャーシを搭載。これはロータススポーツカーのDNAの本質的な部分である。その革新的な車両アーキテクチャは、エヴァイヤにも通ずる大胆で象徴的なデザインで包まれている。エミーラの主要な寸法は全長4,412㎜、全幅1,895㎜、全高1,225㎜、ホイールベース2,575㎜となっている。

エミーラの世界初のデリバリーは、来年の春から開始する(※日本向け車両の生産は、来年の春以降を予定)。エミーラは、2つのガソリンエンジンから選択ができ、どちらもその性能・特性で世界を魅了する。最初の車両は、エキシージとエヴォーラに供給されているロータスで研ぎ澄まされた3.5リッターV6を搭載した限定生産の「ファーストエディション」として発売される。

そのエンジンは、エキシージとエヴォーラのドライバーにとても愛されている3.5リッターのスーパーチャージャー付きトヨタV6となり、マニュアルまたはオートマチックより選択できる。

一方、2022年の夏以降、ロータスにとって初となるAMGのエンジンを搭載したスポーツカー、エミーラがデビューする。新しいロータスAMGユニットは、メルセデスベンツのパフォーマンス部門のターボチャージャー付き2.0リッター4気筒「i4」。

AMGとロータスは初めて開発協力を行い、AMGはエミーラプログラムのテクニカルパートナーとして参加、デビューに向けてインライン4気筒セットアップにいくつかの基本的な変更が加えられた。横置きで後輪駆動を実現するユニットは、エミーラのキャラクターに合わせて、新しいエアインテークシステムと新しいエキゾーストに変更され、DCTと組合される。

エミーラの最高出力は365~405ps(予定)、最大トルクは430Nm。0〜100km/h加速は、4.5秒未満、最高速度290km/hを実現するという。また、車両重量は1,405kgをめざす。

車両の製造は、ノーフォークのヘセルにあるロータスの本拠地で行われ、ロータスの英国に存在する施設へは1億ポンド(約155億円)以上の新規投資が行われる。高度なスキルを持つ運用チームは、生産効率、生産能力、および全体的な品質を向上させるための新しいプロセスとテクノロジーによってサポートされる。

マット・ウィンドル氏は、次のように述べている。

「ロータスエミーラは、ヘセルのファクトリーゲートを通過する車両の中で、最も完成度の高いロータスロードカーです。エヴァイヤオールエレクトリックハイパーカーにインスパイアされた見事なデザインと、美しく調和した、完璧なパッケージです。エミーラは、スリルと人を振り向かせるほどの魅力を備えたジュニアスーパーカーですが、同時に目の肥えたドライバーが要求する最新のテクノロジーを搭載した、快適性と機能性に優れた日常のスポーツカーです」

エミーラについて

エミーラは、2028年に80周年を迎えるロータスの変革を導く戦略計画であるVision80の下で開発された、新しいロータススポーツカー。これは真にグローバルなモデルであり、世界中の主要なマーケットで販売するように設計されている。

「Eh-meer-ah」と発音されるこの単語は、多くの古代言語で使用され、「司令官」または「リーダー」と訳されることがある。これは、10年後にブランドの完全なるEV化と新時代を受け入れる前に、内燃エンジンを備えたロータスをリードするエキサイティングな新しいスポーツカーであるため、とても適切な名前だと考えているとのこと。

エキゾチックなスーパーカーの魅力をアピールするエクステリアデザイン

エミーラは、エヴァイヤのデザインの特徴を持った、初めてのロータススポーツカー。アーティスティックシェイプが施されたサーフェイスと技術的なディテールを備えた現代的な外観で、スポーツカーカテゴリーでエキゾチックなスーパーカーの魅力を提供する。形状と素材の点でロータスにとって新しくよりプレミアムなアプローチであり、フィット感と仕上がりも飛躍的に進歩している。

ロータスのデザインディレクターであるラッセル・カー氏が率いるクリエイティブチームは、美しく、時代を超越し、思い出に残るような、モダンなデザインにすることに成功。その最適化されたプロポーションとアスレチックシュリンクラップボディは、ロータスの伝説的な俊敏なドライビング特性を視覚的に表現している。

ラッセル・カー氏は、以下のように語っている。

「エミーラは、エキゾチックなスーパーカーで素晴らしいプロポーション、フロアスペースが広く、そしてキャビンは力強いリア回りよりも低い位置にあります。さらに、毎日使用できる実用的な車両で、最高の品質と手の届きやすい価格であり、既存の競合スポーツカーのコンペティションの中でも魅力的な選択肢であることに間違いありません。エミーラは、熱心な運転愛好家を魅了し、スリルを提供しながら、世界中の人々に私たちのブランドを印象づけています」

ロータスエヴァイヤの影響は、流線的なサーフェイスと鮮明で特徴的なラインを通してはっきりとわかる。人目を惹くエッジの効いたシャープに仕上げたボンネット、後部に向かって次第に引き締まっていくシュリンクラップされたキャビン、力強いリア回りに切り込まれたアーティスティックシェイプが施されたドアとベントで、さらに明白。ボンネットに組み込まれたベントは、車の空気の流れを誘導し、エアロダイナミクスを最適化するためにエヴァイヤの構造から派生している。

縦型のオールLEDヘッドランプが標準装備されており、ロータスハイパーカーでもおなじみのウイングにインスパイアされたツインブレードデザインが採用されている。ボンネットには、象徴的な新たなロータスロゴを配しており、以前のモデルよりもわずかに大きくなっています。

エミーラを細かく見ると、ドアに切り込まれたアーティスティックシェイプセクションがドアを通してリアホイール前の吸気口に向かって空気の流れを導いている。これは、エンジンに空気を供給するだけでなく、エンジンを冷却するという2つの目的を果たす。

ネームバッジは側面から見え、Cピラーに組み込まれている。前後のホイールは直径20インチ。標準でグッドイヤーイーグルF1スーパースポーツタイヤが装着され、ミシュランパイロットスポーツカップ2はロータスドライバーズパックと組み合わせて利用できるオプション。どちらのタイヤも、エミーラのためにメーカーによって特別に開発された。

エミーラのリア部には、ロータスのワードが組み込まれたバンパーがボディカラーのパネルの上にあり、これもエヴァイヤからインスピレーションを受けてる。両端には、ホイールアーチからの空気を排出する排気口がある。ナンバープレートの両側にツインエキゾーストパイプを収納し、ダウンフォースを補助するためにその下にエアディフューザーを備えている。

エアロダイナミクスは、1948年にロータスが設立されて以来、ロータスブランドの中でも最も大切な部分。これは、車両が路上でもレーストラックでも優れたパフォーマンスを提供することに密接に関連する哲学。

シンプルさがエミーラのコアとなり、巧妙なエンジニアリングによるアクティブなエアロダイナミックスは必要ない。これは、車の重量配分とサスペンションジオメトリーに完全に調整された、すべての速度域でフロントアクスルとリアアクスルの間で正確にバランスが取れたパッシブダウンフォースを作成するクラスで唯一のモデル。これは、ダウンフォースが速度とともに増加し、コーナーで並外れたグリップを生み出すため、ハンドリング特性が一定で正確かつ予測可能なままであることを意味する。

ロータスカーズのチーフエアロダイナミストであるリチャード・ヒル氏は、以下のように語っている。

「ロータスでは、新しいスポーツカーの開発において、エアロダイナミクスまたはヴィークルダイナミクスのいずれかにのみ焦点を当てることは決してありません。それは自然の力のユニークなハーモニーを作り上げることがロータスダイナミクスです。また、自動車業界で比類のないスリリングな運転体験を生み出すマジック、エミーラにはそのマジックとそれ以上があります」

高性能エンジンと組み合わされた高度な新しいプラットフォーム

エミーラは、最近発表された新しいロータススポーツカーアーキテクチャに基づいて構築されている。エリーゼでデビューしたのと同じ押出し結合アルミニウムシャーシテクノロジーを使用している。ただし、エミーラの場合、すべての寸法が以前のロータスシャーシとは異なり、へセルからわずか数マイル先のノリッジにある新しい施設、ロータスアドバンスドストラクチャーで製造されている。

エミーラには、2つのシャーシとサスペンション設定がある。そのひとつであるツアーは日常の道路での使用に合わせて調整されており、ロータスのダイナミックなパフォーマンスとハンドリングの最適なブレンドとより快適な乗り心地を提供。スポーツはオプションのロータスドライバーズパックで利用可能であり、より強化されたダイナミックケーパビリティとフィーリングのためにわずかに硬いサスペンションセットアップを提供。油圧ステアリングは、ドライバーに優れたフィードバックを提供する。

ヴィークルアトリビューツのディレクターであるギャヴァン・カーショウ氏は、次のように述べている。

「2.0リッターは、パドルシフトと運転モードを備えたAMGの評価の高いDCTと組み合わされた世界で最も強力な直列4気筒ユニットです。最先端のテクノロジーのおかげで高性能かつ、非常に効率的であり、低排出量と線形性能を提供します。それに加えて、経験豊富なヘセルのエンジニアによって社内で調整され、その独特のロータス体験をお届けします。エミーラは最近のロータスロードカーよりもトレッドを広く取り、安定性を高め、並外れた路面保持と非常に低い重心の感覚を提供します。これは、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラのDNAに基づいて構築された真のロータススポーツカーです」

ロータスにとって大きな転換となったインテリアデザイン

ロータスのインテリアは常にドライバー中心に考えられおり、人間工学に基づいたデザインと、最も直感的に使用できるように注意深く配置された計器類を備えている。エミーラもこれらの原則に従っており、手操作と視線移動が最小にできるモダンなコクピット環境を備えている。

この次世代ロータススポーツカーの新しくなった点は非常に明快。現代的なデザインと素材の品質から、収納スペースの拡大、卓越したフィット感と仕上がり、細部へのこだわり、豊富な先進技術が統合された。

ドアトリムと一体化し包み込むようなダッシュボードは、ドライバーが車と一体感を感じるようなまとまりのある感覚を生み出し、ギアシフト操作はその感情を高めてくれる。インテリアは、究極のスポーティさを伝えるプレミアムな英国の職人技を感じることができる。それらは現代の技術的な仕上げと完全に調和して、ドライバーにプレミアムな体験を生み出す。

そしてロータスのヘリテージとスポーツの成功に敬意を表して追加された装備があり、例としては、象徴的なエスプリのギアスティックを反映したマニュアル車のギアレバーの配置や、V6マニュアル車のセンターコンソールのベースに見える半露出のギアリンケージがある。演出的な要素のひとつとして、スタート/ストップボタンの保護用の赤いカバーもある。

2つのシートは、高速コーナリングにおける横方向のサポートと長距離旅行における快適さの双方を満たすように設計されている。標準シートは4方向電動調整を備えており、運転席/助手席の両方に12方向電動調整を備えたプレミアムスポーツシートにアップグレードするオプションがある。標準/オプションシートはエミーラ専用となり、クラス最高の乗降性とヘッドルームを備えながら、スーパーカーのような低い着座位置が達成されている。

また、メタリックスポークとコントロール操作系を備えたフラットボトムタイプのスポーツステアリングホイールが採用され、インテリアには包み込むようなインテリアライトとマップライトが特徴となる。

エミーラで利用可能な機能には、キーレスゴー、クルーズコントロール、雨感知ワイパー、電動格納式ドアミラー、リアパーキングセンサー(オプションでフロントセンサー付き)、自動防眩バックミラー、カーテンエアバッグ、ローンチコントロール(ロータスドライバーズパックの一部)、および盗難車両トラッカーが含まれる。

エミーラで利用可能な先進運転支援システム(ADAS)には、アダプティブクルーズコントロール、衝突防止システム、疲労感知アラーム、道路標識情報、車速リミッター、車線逸脱警告、後退時安全確認警告機能、レーンチェンジアシストが含まれる。

実用性、快適性、機能性に新たな基準を打ち立てる日常のスポーツカー

エンジニアリング担当エグゼクティブ・ディレクターのリチャード・ムーア氏は、以下のように語った。

「世界中のロータスのお客様は、当然のことながら、我々のスポーツカーに卓越したダイナミックなパフォーマンスを期待しており、エミーラでも例外ではありません。今までの偉大なロータス車同様に演出的要素も持っており、目に見えるマニュアルトランスミッションギアシフトメカニズムとV6エンジンベイのスロットルアクチュエーターもその例となります。世界中のスポーツカーの顧客を驚かせ喜ばせるのは、ロータスによって設定される新しい基準の実用性、機能性、快適さレベルの新しい基準となります」

ロータスは最初の構想の段階から、エミーラを「日常使いできる」スポーツカーにしたいと考えており、長距離クルージングにおける総合的な快適性をサポートする、使いやすさと実用性を兼ね備えている。そのために、身長差があるドライバー双方にとっても快適な、ロータスの新しい基準を設定して、運転席と助手席にもより多くのスペースを確保している。

前後左右のガラスエリアは、日常の使用に適した全方位の視認性を提供するように設計されている。エミーラオーナーの中にはサーキット走行する方もいるため、そんなシーンでも前方の景色や、特にリアホイールアーチのビューは、コーナーをまわる車の正確な配置をサポートする。

車のインフォテインメントシステムへのアクセスには、ダッシュボード中央に取り付けられた10.25インチタッチスクリーンと、ステアリングホイール後方に設置されている12.3インチTFTドライバーディスプレイを介して行われる。すべてのコンテンツはロータス専用であり、ロータス社内チームによって設計および開発されている。なお、Android AutoとApple CarPlayが標準で組み込まれている。

また、高く評価されている英国ブランドKEFの10チャンネルプレミアムサウンドシステムがロータス専用として装備されており、これは同社初の自動車パートナーシップとなりる。独自のUni-Qテクノロジーはツイーターとミッドレンジそれぞれ別ユニットの設置を不要にし、音響的に理想化された単一ユニットに両方を組み合わせた独自の構成となる。独特のスピーカーフレットデザインで仕上げられたUni-Qは、1つのポイントのみから中高域のサウンドスペクトル全体をカバーし、より一貫性のある超リアルなサウンド体験を提供する。

スポーツカーにもストレージは不可欠であり、エミーラのキャビンは非常によく考えられている。携帯電話収納スロットを間に備えた2つのカップホルダーがセンター部に、また500mlボトルを収納できるドアポケットが備え付けられている。実用性は、グローブボックス、ギアレバーの前の小物トレイ、USBポートと12Vソケットを備えたシート間のアームレスト、およびボトルやドキュメント用のコンソールネットも実用的な装備となりる。

荷物やその他の大きなアイテムは、2つのシート後方(208リットル)、またはエンジン後部のトランクに収納可能。このスペース(151リットル)には、標準サイズのフライトケースまたはゴルフクラブのセットが収納できる。

新設計のヘセル生産設備にて製造

ロータスのスポーツカーは1966年以来ロータスの本拠地、英国ヘセルで製造されている。ロータスによる1億ポンド(約155億円)以上の投資に続いて、エミーラの生産はまったく新しい最先端の工場で行なわれる。エミーラは引き続き「ハンドメイド・イン・ヘセル」となり、効率を高めた上に品質を構築する、新しいプロセスとテクノロジーに支えられている。このソリューションはまさに両者の最良の部分を組み合わせたものとなる。

新設計のペイントショップは、ロボットアプリケーションを備えている。これは、品質、生産能力、プロセスの繰り返し精度を向上させる、ロータスにとって初の導入となる。プライマーとクリアコートの組み合わせラインなど多くの革新的なテクノロジーが含まれおり、ロボットを使用して接着剤を塗布する、新しい半自動ボディアッセンブリーシステムが含まれている。

車両本体は、無人搬送車(AGV)によりメインアセンブリエリア周辺を移動。エミーラの生産は、シャーシの製造とフロントエンドの組み立てが行われるノーリッジ近くにあるまったく新しい施設であるロータスアドバンストストラクチャー(LAS)にて始まる。

※こちらの情報は、2021年7月1日(木)現在のものであり、今後数値や装備に変更が生じる可能性がある。

関連情報:http://www.lotus-cars.jp/our-cars/emira/index.html

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

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