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話題の分子調理学研究家が伝授する家庭料理を格段においしくするテクニック

2021.07.17

YouTubeで人気の分子調理学研究家

本格的な夏が到来。今年も蒸し暑い日々が続きそうだ。

緊急事態宣言が明けて今度は、「外が暑い」という理由でおうちごはんが流行しそうだが、どうせ作るなら、少しだけこだわってみるのはいかがだろう?

今回紹介するのは、分子調理学研究家という肩書を持つ「こじまぽん助」さん。YouTubeの料理チャンネルを運営し、著書『日本一ていねいな定番家ごはん』(ワニブックス)もある方だ。

そもそも分子調理学とは、「調理に関する現象を分子レベルで理解し、料理に対する新たな科学的知見を集積すること」(分子調理研究会会則より)。だが、こじまさんのスタンスは、そこまで堅苦しいものではない。ふつうのレシピでは省略される、「なぜその工程なのか」を詳しく解説するのが、こじまさん流。例えばフライパンでハンバーグを焼くとき、アルミホイルをかぶせるのは、なぜか? 著書の中でこじまさんは、以下のように説明する。

「フライパンのふたよりもアルミホイルでふたをする方が、温度が上がりすぎず、水分もほどよく逃がすことができる」

…と、明快。だから調理して「面倒だな」と思っても納得感があるし、完成した料理もおいしい。いつの間にか、家庭料理の腕も上がるという仕掛けだ。

前置きはこれくらいに、本書に掲載の「鶏の照り焼き」を作ってみよう。

照り焼きを分子調理学的に作ってみる

鶏の照り焼きの材料(2人分)は、鶏もも肉1枚に、塩ひとつまみ、酒・みりんが各大さじ2、砂糖と醤油が各大さじ1。いたってシンプルな内容だが、こじまさんの場合、まず「鶏もも肉の扱い方」から始まる。

買ってきた鶏もも肉をひっくり返し、皮のない側を見てみよう。そこには肉そのもの以外に、小骨、軟骨があり、筋や血管もある…言われるまで気にも留めなかったが、こうした要らないモノ。これらを取り除くだけで「肉の舌触りが変わります」と、こじまさん。

肉から血管など余計なモノを取り除く

さらに、黄色い脂や身からはみ出している余分な皮も。ただし、「チキンソテーなど皮のパリパリ感を楽しみたいレシピ」については、取る必要はないとのこと。

ちなみに、やってみて気づいたが、包丁の切れ味が悪いとムダに苦労する。研いである包丁を使うようにしよう。

余分な皮も切り取る

こうしてひと手間かけて、下処理を済ませた肉を、真ん中に近い関節部分でカット。いよいよ焼く段階へと入るが、ここでもコツが。

「フライパンに皮を下にして入れ、塩をふり、ふたを少しずらしてのせ、中火にかける。余分な脂が出たらキッチンペーパーで拭き取りながら、身の色がほぼ白く変わるまで10分ほど焼く」

しみ出た脂を拭き取りながら皮のある面を焼く

皮面をフライパンにつけることで、皮は高温、身は比較的低温で焼くことになるが、これで「皮はパリッと、身はふっくらと焼き上がる」ことが期待できる。

10分ほど焼いたら、裏返す。酒、みりん、砂糖、醤油を加え、今度は完全にふたをして蒸し焼きに。1~2分ほどしたら、ふたをはずしてさっと煮からめて出来上がり。食べやすい大きさにカットして食卓へ。

定番の炒飯にチャレンジしよう

鶏の照り焼きで、こじまさん流の薫陶を受けたところで、定番中の定番家庭料理である炒飯を作ってみよう。

今度は、作るのはあなた。以下、本書に掲載の材料・作り方をそのまま載せるので、チャレンジしてほしい。

【材料(2人分)】

・冷やごはん:1合分
・溶き卵:2個分
・ハム:4枚
・長ねぎ(みじん切り):1/3本分
・酒:大さじ4
・サラダ油:大さじ2~3
・塩:小さじ1/2
・こしょう:少々
・醤油:小さじ1

【作り方】

1 材料を切る(ハムは6~7mm角に)。

2 ボウルにごはんを入れ、酒をかけ、ほぐすように混ぜる。

こじまさん「パラパラに仕上げたいので、粘りの少ない冷たいごはんを使い、酒をふってほぐしておきます」

3 フライパンにサラダ油を強火で熱し、溶き卵、2を入れ、ゴムべらで切るように炒める。ごはんがほぐれたら塩をふり、ハム、長ねぎを加えて炒め合わせる。こしょう、醬油を加えてさっと炒める。

こじまさん「フライパンは大きめのものを使うのがおすすめ。温度が下がりにくいので、パラパラになりやすい」

実際に作られてみて、理屈っぽさはあっても、調理自体は簡単なことにちょっと驚いたかもしれない。本書のほかのレシピも、数ステップで出来上がるものが多く、実はとっつきやすいのが特徴。毎度の家庭料理をワンランク上のおいしさにしたい方には、とても参考になるはずだ。

こじまぽん助さん プロフィール
分子調理学研究家、ビデオグラファー。「材料は同じ、テクニックも不要、だけど圧倒的においしく作れる」定番料理のレシピを、YouTube、cookpad、Nadiaなどに投稿している。おいしい料理の「なぜ」について、ていねいでわかりやすい解説が好評。食品系企業やメディアのレシピ開発など、多岐に渡って活躍中。『日本一ていねいな定番家ごはん』は初の著書。YouTubeチャンネルはこちら

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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