DIME MAGAZINE
わずか４か月で効果を体感
渡辺新さんは、青春真っ盛りの18歳から深刻な悩みを抱えていた。
その悩みとは、「薄毛」。
まだ若いのに生え際が後退し始めていた渡辺さんは、「髪を増やすために、涙ぐましい努力」を重ねる。育毛剤はもちろん、生活習慣も徹底的に見直すなど、髪に良いとされることを実践しまくったのである。
そうした奮闘をあざ笑うかのように髪は減り続け、アラフォーになった渡辺さんは、いよいよヘアウイッグの使用を考え始めたという。
髪の問題とは別に、原因不明の体調不良にも悩んでいたある日、入浴時に塩を身体に塗り込む「塩浴」のことを知る。試してみると、体調が徐々に快方に向かうのを実感。
同時に、なぜか体毛が濃くなっているのに気づく。
もしや、と思った渡辺さんは、頭にも塩を塗って洗髪する「塩シャン」を始めた。半信半疑ながら続けること４か月。驚くべきことに、周囲の人から指摘されるほど、髪が増えていたという。この時を境に、渡辺さんの人生は変わる。塩シャンドットコムの代表として、塩シャンの普及活動に邁進するのである。
塩シャンで薄毛を克服した渡辺さんのビフォーアフター（2015/2→2018/5）
先般、著書『なぜサーファーにハゲはいないのか 塩シャンプーで髪が増えた！』（扶桑社新書）を上梓した渡辺さんに、塩シャンの疑問をあれこれうかがった。
これだけある塩シャンのメリット
― ただの塩が育毛に効く理由について、どうお考えでしょうか。
「一つには、塩には、タンパク質を溶かす性質があり、固める性質もあるという、一見矛盾する特徴があることが挙げられます。例えば煮豆を作るときに、塩水に浸けますが、これは大豆のタンパク質を溶かして、柔らかくする目的があります。一方で、里芋を塩もみしてヌルヌルを取りますが、これは、塩がヌルヌルの成分であるムチンというタンパク質を適度に固めて洗い落としやすくするためです。
そのため、塩を洗髪に使うと、髪の汚れや無駄な脂質、タンパク質を溶かします。同時に、必要な髪のタンパク質を調整し、頭皮や髪の健康を維持させることができるのです。
もう一つ大きいのは、薄毛の人によく見られる、皮脂の過剰分泌が抑えられることです。市販の合成界面活性剤を成分とするシャンプーは、そうした皮脂を根こそぎ落としますが、それだと失った皮脂を補おうと、身体はもっと皮脂を分泌しようとします。これだと、いたちごっこです。
塩シャンだと、皮脂の落とし具合は、もっとマイルド。使い始めの頃は、過剰分泌されていた皮脂がびっくりするくらい出るかもしれませんが、やがて皮脂の分泌は落ち着いてきます。
ほかにも、髪を立たせている立毛筋を元気にして、髪のコシが良くなるなど、いいことづくめなのが、塩シャンのメリットと言えます」
塩シャンを続けて髪が復活した佐藤亮治さん（2017/3→2018/3）
精製塩でなく天然塩を使う
― 塩といっても、スーパーの棚にはさまざまな塩が売られています。どんな塩がおすすめですか？
「ミネラルが多く含まれた天然塩がお薦めです。精製食卓塩はミネラルの点でNGです。しかし天然塩にもいろいろと種類があります。その成分の違いによって効果にも違いがあるようで、私も日々研究を重ねています。塩シャンドットコムでは最新の研究成果を発表していきますので、ぜひアクセスいただければと思います」
渡辺さんが使用したブレンド塩「ケアソルト」
渡辺さんの研究を元に開発された、塩シャンプーの到達点「ケサイア」
実践は簡単で習慣化しやすい
― 塩シャンの方法は、ご著書に詳しく書かれていますが、ビギナー向けにざっくり教えてくださいますか。また、重要な注意点もあれば。
「塩シャンは、塩を溶かして頭皮と髪に揉み込み、浸透させてからすすぐ、というとても簡単な洗髪法です。目の粗い塩をお使いになる場合は、お肌を傷つけないようにしてください。きっと、意外なほどにさっぱりした洗い心地に驚かれると思います。皮脂の分泌が多い方は、皮脂の出方が落ち着くまで続けていただくことをおすすめしています。この記事を読まれた方全員の頭皮と髪の健康をお祈りしています。私もがんばります！！」
半信半疑の方もいらっしゃるかもしれない。が、渡辺さんの話は説得力があるし、なにより実践した多くの人は、はっきりと効果を体感している。まずは、スーパーで売られている天然塩で試してみてはいかがだろう。
文／鈴木拓也（フリーライター兼ボードゲーム制作者）
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