SBI証券や住信SBIネット銀行などを擁するSBIグループ。インターネットでの金融取引でおなじみとなっているが、そのグループ内にSBI FXトレードという会社がある。
こちらでは、〝暗号資産CFD取引〟が可能だ。
では、果たしてSBI FXトレードの暗号資産CFD取引とは何か? 簡単にご説明したい。
そもそも暗号資産って何?
かつては仮想通貨と呼ばれ、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった、世界で1000を超える多くの種類を持つ暗号資産は、インターネット上でやりとりできる財産的価値のことを意味する。
法定通貨(日本円やドルなど)と相互に交換可能で、代金の支払いなどに利用し電子的に記録・移転できる。一般的には「交換所」や「取引所」と呼ばれる、金融庁・財務局の登録を受けた事業者(暗号資産交換業者)から入手・換金ができる。
また、暗号資産は国家や中央銀行によって発行された法定通貨ではない。裏付け資産をもたないこともあり、需給関係などで資産価値が大幅に変動することがある。そして、銀行などの第三者を介することなく、財産的価値をやり取りできることも特徴となっている。
【参考】暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?:日本銀行 Bank of Japan
SBI FXトレードってどんな会社なの?
SBIグループの中核会社のひとつである、SBI FXトレード。その名の通り、FXの専業会社として「FX」「積立FX」「オプションFX」「暗号資産CFD」取引を主に行っている。
FXって何?
FXとはForeign Exchangeの略で、「外国為替」という意味を持ち、異なる国の通貨を交換することをさす。ただし現在では、FXは外国為替証拠金(保証金)取引としてのイメージが強くなっている。
証拠金(保証金)取引とは?
一般に通貨や株式などを売買する場合は、相当する代金を支払うもしくは受け取るのだが、証拠金(保証金)取引では、その売買代金の10%などを納めることで、相当の通貨や株式などを交換する。
仮に1万円でレバレッジ(掛け率)が10倍であれば、10万円相当の通貨や株式などを売買できることとなる。
CFD取引って何?
CFD取引とはContract For Differenceの略で、「差金決済取引」のことをさし、証拠金(保証金)取引の一部とも言える。
ただし、一般的にCFD取引は株式や商品などへ投資するもので、FXが外国為替を対象にするのと区別されることが多い。
SBI FXトレードの暗号資産CFD取引とは何?
SBI FXトレードには「暗号資産CFD取引」がある。文字通り暗号資産に対するレバレッジを利用した差金決済取引を行うものだ。
【参考】暗号資産CFD
2020年8月31日AM7時よりFX専業会社では初となる、暗号資産CFD取引サービスを開始している。
特長のひとつとして、土曜日や日曜日でもマーケットが開かれており、臨時メンテナンスを除くAM7:00〜翌6:30までのほぼ24時間、365日の取引が可能。平日日中に勤務するビジネスパーソンなどでも取引しやすい環境となっている。
扱う暗号資産は、
1.「ビットコイン(BTC)」
2.「エックスアールピー(XRP)」
3.「イーサリアム(ETH)」
の3種類。各暗号資産に対し対円銘柄と対米ドル銘柄の取扱いがあり、合計6銘柄を取引できる。
最小発注数量は35円前後(エックスアールピーの場合。2021年7月初旬のレートで想定)から。保有建玉上限はBTC/JPY(円を売ってビットコインを買う取引)の場合、500BTC(日本円で18億5000万円相当。1BTC=約370万円で計算/2021年7月上旬現在)まで可能だ。
SBI FXトレードの暗号資産CFD取引のレバレッジ
ビットコイン、エックスアールピー、イーサリアムを問わず、レバレッジ(掛け率)は2倍となる。
仮に1BTCを保有(=建玉)するなら、本来は約370万円(2021年7上旬現在)が必要だが、取引証拠金として半額の185万円が口座にあれば売買が可能。
※実際の取引では価格の上下があるので、レバレッジ最大での取引は現実的ではない
SBI FXトレードの暗号資産CFD取引の手数料は?
3銘柄(対米ドル含むと6銘柄)の取引にあたり、口座開設や取引など各種手数料は無料だ。
ただし、取引クローズ時間のAM6時30分を超え、営業日をまたいで建玉を保有した場合は、建玉に応じて管理費用(=レバレッジ手数料)が発生する。
SBI FXトレードの暗号資産CFD取引のスプレッドは?
SBI FXトレードの暗号資産CFD取引では手数料がかからない。ただし、ビットコイン、エックスアールピー、イーサリアムと円もしくは米ドルを交換する場合には、売買のレートに差額が生じる。これをスプレッドという。
例えば、下の図のように1ビットコイン(BTC)を円から交換する=〝1BTCを買う〟場合は「ASK(アスク)」というレートが適用され、ここでは366万8656円となる。一方、1BTCを円に交換する=〝1BTCを売る〟と、「BID(ビッド)」というレートが適用され、ここでは366万5476円となる。
つまり、366万8656円と366万5476円との差額3180円が「スプレッド」となる。暗号資産の取引ではこのスプレッドを考慮しておく必要があり、単純に売りと買いを同時に行うとスプレッド分の差損が出るので注意が必要だ。
SBI FXトレードとSBI証券の暗号資産取引の違いは?
グループ会社のSBI証券は知名度が高く、そこで暗号資産取引を行いたいと思う人もいるはず。ただし、SBI証券では暗号資産自体の取扱はせず、SBIグループのSBI VCトレードで行う。
取引時間がAM7時〜翌6時まで、レバレッジは行えず現物取引のみとなる、取扱う暗号資産の種類や1取引あたりの注文金額が異なるといった違いが多々あるので、口座開設・取引前によく確認していただきたい。
【参考】暗号資産(仮想通貨)の取扱いはありますか?|SBI証券
SBI FXトレードの暗号資産CFDの税金は?
暗号資産CFDによって得た利益には「所得税」と「住民税」が課税される。また、確定申告が必要な場合と不要な場合があるので、詳しくは下記リンク先を参照の上、所轄の税務署または税理士などの専門家に問い合わせいただきたい。
【参考】暗号資産CFDの税制について
※データは2021年7月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※本記事は投資を推奨する目的はありません。あくまで自己責任にてお願いします。
文/中馬幹弘