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朔日餅、朔日参り、特別な行事がある「朔日」とはいつを指す言葉?

2021.07.17

明治時代まで日本でも使われていた太陰暦(旧暦)。現在の太陽暦とは異なり月の満ち欠けを基準にして決められた暦で、日付と月齢が一致しているのが特徴の一つ。旧暦を使わなくなった現在でも、「三日月」「十五夜」などの言葉は生活の中に定着しており、普段意識せずに使っている人は多いのではないだろうか。

そこで本記事では、旧暦で使われていた「朔日」について詳しく紹介したい。漢字ではあまり馴染みがないが、実は普段何気なく口にしている“ある日付の読み方”と深い関わりがある言葉だ。

「朔日」とはいつのことを表す?

「朔日」は漢字をそのまま読むと「さくじつ」だが、実は「ついたち」という読み方もできる。旧暦においては「朔日」が月の始まりの日、1日目を表しており、古文などでもよく用いられている。「朔日」の意味や由来をもう少し詳しく見ていこう。

朔日は月の最初の日

先述の通り、「朔日」は月の一番初めの日のことを指す。今でも1日のことを「ついたち」と読むが、これは月の始まりを表す「月立ち(つきたち、つきだち)」が次第に変化していき、「ついたち」となったのが由来と言われている。

ちなみに、旧暦の30日は月が見えなくなる意味の漢字「晦」が用いられており、「晦日(みそか、つごもり)」と呼ばれていた。一年の最後の日を「大晦日」と呼ぶのは旧暦の名残とも言える。

朔日の「朔」とは何?

「朔」は、地球から見て月と太陽が同じ方向になることやその時間を指す。月は太陽の光を反射して輝いて見えるが、この時はちょうど地球から見える反対側の面に太陽光が反射するため地上から月が見えにくい「新月」の状態になる。旧暦ではこの日を一か月の始まりとしており、「朔日」を「ついたち」と読んでいた。

地名や苗字で使われることも

ちなみに、愛媛県西条市にある朔日市(ついたちし)や、青森県八戸市の朔日町(ついたちまち)など、「朔日」が地名に用いられている場所が現在でも残っている。また、「四月朔日(わたぬき)」、「六月朔日(うりはり、むりはり、くさか)」といった苗字もあり、そうした点からも人々の生活に身近な言葉だったことがわかる。

朔日にまつわる行事や関連語

今ではあまり日常的に使われることのない「朔日」だが、伊勢神宮など一部の場所では現在でも関連する行事が行われている。「朔日」が使われているその他の言葉と併せて詳しく紹介しよう。

朔日参り

日本には、古くから毎月1日に神社に参拝する「朔日参り」「おついたち参り」と呼ばれる風習がある。朔日参りとは、1か月を無事に過ごせた感謝と新しい月の無病息災や家内安全などを祈念するためのお参り。今でも全国各地の神社でこの風習が残っており、毎月1日は参拝客で賑わう。普段と違う御朱印や「月次御幣(つきなみごへい)」と呼ばれる特別な御神札が用意されている場合も多く、これらを目的に訪れる人も多い。

朔日餅

日本全国の神社の中でも最高位とされる伊勢神宮の朔日参りでは、赤福餅でお馴染みの和菓子店「赤福」が朔日餅と呼ばれる餅を販売する。他にも朔日餅を販売する神社はあるが、一般的に朔日餅と言うとこの赤福のものを指す場合がほとんど。1978年の販売開始当初は200~300個程度の売り上げが想定されたものだったが、年々口コミなどで評判が広がっていき、現在では毎月1日には早朝から多くの行列ができるほどに。事前予約も可能で、伊勢の本店以外に一部百貨店でも取り扱っている。

販売される朔日餅はそれぞれの月や季節にちなんだものとなっており、2月立春大吉餅、3月よもぎ餅、4月さくら餅、5月かしわ餅、6月麦手餅、7月竹流し、8月八朔粟餅、9月萩の餅、10月栗餅、11月ゑびす餅、12月雪餅の11種類で、価格や内容量は月によって異なる(7月の竹流しはいわゆる水羊羹で、厳密には餅ではない)。元日は朔日餅の販売は行われない。また、この朔日餅と併せて、赤福本店にほど近い「すし久」で毎月1日に提供される「朔日粥」も伊勢の朔日参りの名物として知られている。

「朔日」が付くその他の言葉

これまで紹介してきたもの以外にも、「朔日」がつく言葉がいくつかある。例えば、早春に黄色い花を咲かせるフクジュソウ(福寿草)は、春の訪れを知らせる花として知られ、別名を「元日草(がんじつそう)」や「朔日草(ついたちそう)」と言う。また、お盆に先祖を迎えるために墓から家までの道の草を刈って整えることを「朔日道(ついたちみち)」と呼ぶが、これは旧暦の7月1日までに行われることが多かったのが由来だ。

文/oki

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