
都民は「水道水をそのまま飲む」ことに抵抗あり?水道水の飲用率・都道府県ランキング
都道府県によって水道水や節水に対する意識に違いはあるのか。
今回キュービックは地域別の水道水に対する意識調査を実施。水道水をそのまま飲用している都道府県、水道水をそのまま飲用することに抵抗がある都道府県ランキングを算出した。
『あなたが住んでいる地域は「水がおいしい」というイメージがありますか?』という質問に対し、地方では都市部よりも”自身が住んでいる地域の水がおいしいというイメージがある”と回答する割合が増えている。
これは単に地方のイメージの問題ではなく、都市部と比較して地方は高齢者が多く住んでいることが理由と考えられる。前回の調査結果からも高齢層ほど水道水に対して満足度が高いことがわかっているが、今回の結果からも裏付けられた。
今回は水道水をそのまま飲むことに抵抗がない割合が高い都道府県上位5つ、下位5つ、実際に水道水を飲み水として利用している割合が高い都道府県の上位5つと下位5つをそれぞれ発表しよう。
長野県や鳥取県は水道水をそのまま飲むことに抵抗がない割合が高く、実際に飲み水として利用も多くされている。一方で沖縄県、福岡県などは水道水に対する抵抗が高く、実際に飲み水として利用している割合が非常に低いことがわかる。
傾向として上位には北海道や東北、中部地方の地域がランクインしており、九州・四国地方や沖縄など日本南部の地域が下位に集中していることが読み取れる。
特に最下位の沖縄は、水道水を飲み水として利用している割合ランキング下位の他県が50%程度であるのに対し、30%と圧倒的な低さだ。これには水の硬度が大いに関係している。
水の硬度は、水に含まれているカルシウムやマグネシウムの量で決まる。水が大地の地層の中を通ってくるときに、カルシウムやマグネシウムが水に溶けだす。それらの量が少ないと、まろやかで飲みやすい「軟水」になり、多いと、硬く苦みやクセを感じる「硬水」となるのだ。
WHO(世界保健機構)の基準では、下記のように分類されている。
「WHO飲料水水質ガイドライン(Guidelines for Drinking-water Quality)より抜粋」
・0~60mg/L未満 軟水
・60~120mg/L未満 中程度の軟水
・120~180mg/L未満 硬水
・180mg/ℓ以上 非常な硬水
– 以下『那覇市水道局』HPより引用-
那覇市の硬度は、80mg/L程度(平成27年)で、中程度の軟水の部類に入っています。
中でも北谷浄水場は、硬度の高い嘉手納井戸群や中部河川などを水源としているため、他の浄水場と比べ硬度が高く、水質基準(300mg/L以下)は満たしていたものの、年平均値が140~180mg/L程度で推移していました。このため、硬度低減化の取り組みとして平成15年度に硬度低減化施設を導入し、導入前と比較すると約40mg/Lの低減を図ることができました。
また、多目的ダム等の水源開発の進捗により水源の選択が可能になったことから、できる限り硬度の適正化に配慮した水運用を行っております。現在、取り組んでいる沖縄県企業局の努力によって硬度の適正化に尽力しています。
那覇市上下水道局』HPより引用
さらに、東京都は「水道水の味の満足度」が36位、「水がおいしいというイメージがあるか」は46位、「水道水をそのまま飲むことへの抵抗がない」は39位と味に対する満足度が低いことから、そのまま飲むことへの抵抗が強いことがわかる。
その一方で「水道水の安全性の満足度」が18位、「水道代の満足度」が2位と「味の満足度」と比較すれば高い結果となっており、「水道水を飲み水として利用している」が28位(約62%)と低くない結果となっていた。
「自身が住んでいる地域の水においしいイメージはあるか」という質問に対しては、富山県、熊本県、鳥取県、岐阜県、青森県が高い結果となっており、神奈川県、福岡県、埼玉県、大阪府、千葉県、東京都は低い結果に。このことから、地方では水がおいしいというイメージが高く、都市部では低い傾向にあるようだ。
調査概要
調査人数: 3,497名
調査方法:アンケート
調査期間 :2021年4月15~25日
構成/ino.