家電量販店の「ゲーミングPC」コーナーを覗いてみると、数万円台から高いもので30万円以上するものもあるなど、どれを買えばいいか迷ってしまう。「ゲームで不自由しない」かつ「仕事でも使える」PCを買うには、いったいいくらかかるのか? 老舗のPC専門店に直撃取材!
【パターンB】自作PCを組む場合
意外と安くならない!?15万円以上は覚悟すべし
自作PCにかかる費用は既製品と同等か、やや高価になる。PC本体だけの予算で最低15万円は必要になってくるが、その分パーツを自分好みにカスタムできる。
[1]自宅に置けなきゃ意味がない!まずは「ケース」から決める
グラボなどパーツの性能に目が行きがちだが、それらが収まるケースを購入してみると、予想外に大きくて邪魔、なんてことも。「まず自宅にどれくらいのサイズのPCが置けるかを測り、そこから比較的安価で一般的なデスクトップPCの大きさである『ATX』か、机の上に置ける代わりに少々値が張る『mini ITX』かを選ぶのがおすすめです」
高価なケースは、組み立てがスムーズに行なえるようケーブルを通すガイドが豊富な初心者向けタイプと、外気取り込みファンが光る上級者向けタイプがある。
[2]グラボ→CPUの順で選ぶ。ポイントは、ゲーム以外に何をやるか?
PCの性能を決めるパーツとして主に「CPU」と「グラボ」があるが、ゲーミングPCではまず「グラボ」から決め、そこから必要に応じてCPUを選ぶ。CP
Uはゲームプレーや動画視聴程度なら最低限の性能のものでいいが、画像編集やゲーム配信などをしたい場合には、赤塚さんいわく「『Core i7 10700K』程度のスペックは欲しいところ」。
近年の急激な需要増加に伴い、グラボは軒並み品薄に(写真はGTX 1660S)。
[3]ほかのパーツは、自動的に決まる!
CPUとグラボ以外のパーツは、これらの性能を最大限引き出せるものであれば、極端な話どんなパーツでもいい。店員に相談すれば、最適な組み合わせを提案してくれるだろう。性能とは直接の関係はないが、マザーボードやメモリーも光るタイプがある。予算の範囲内で、インテリアとして楽しめるデザインを追求したい。
マザーボード、ファン、配線までも光らせることができる。「一番目立つのがメモリーで、こだわるお客様は多いです」
こだわるポイント以外は予算内で「お任せ」で
「自分で作るのだから、既製品より安くすむのでは?」と思う人がいるかもしれないが、大抵の場合は自作のほうが高くつく。だが、その代わりに自分好みの性能やデザインを追求できる。
自作PCを組む際に最初に決めておきたいのがPCケースだ。インテリアとしての要素を兼ねた見た目重視か、それともスペック重視か、どちらかで選定するパーツが大きく異なってくる。
「性能重視ならケース本体は安いモデルでも全く問題ありません。見た目を重視するなら小型サイズのものやデザイン性の高いケースを選びましょう」
ケースの次はグラボを選ぼう。NVIDIA GeForceの最新世代グラボ『RTX 30 Series』使用モデルは軒並み品薄状態。1世代前の『GTX 16 Series』が比較的安価でおすすめだ。
「『GTX 1660S』あたりの性能であれば、144Hzのディスプレイでも安定して使用できます。ゲーム内でキャラクターが密集した状況だと処理が追いつかないこともありますが、ゲームプレーに大きな影響はありません」
ほかにも、SSDやHDDといったデータを保存しておく記憶領域が必要だが、「ゲームの性能自体には大きな影響はありません。高価なもののほうがPC自体の起動が速いなどのメリットがあるので、予算を割く優先順位はグラボやCPUに比べて低いでしょう」
これ以外にもマザーボードや電源ユニット、CPUクーラーなど必要なパーツの種類は多く、個別に選ぶのは大変だ。そこで今回、本誌ではケースとグラボ、CPUだけを赤塚さんに相談した上で指定し、ほかのパーツはお任せで赤塚さんに選定してもらった(左表参照)。
「どのようなゲームを遊びたいかなど使用目的と予算を伝えていただけたら、我々店員側で必要なスペックとそれに応じた商品をご提案いたします。既製品でも自作でも、わからなかったら遠慮なく店員に相談していただければと思います」
ゲーミングPCマスター・赤塚さんのおすすめ構成はコレだ!
今回は「光らないPC」を組む想定でパーツを選定した。「ファンやメモリーなどでLED搭載のパーツの場合には、おおまかに価格が2割ほど増す印象です」
※価格は5月末時点でのTSUKUMO eXでの店頭のものを記載した。
取材・文/桑元康平/すいのこ
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