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東京医科歯科大学など研究チームが肥満を引き起こす要因が薄毛や脱毛を促進するメカニズムを解明

2021.07.07

東京医科歯科大学、東京大学医科学研究所、日本医療研究開発機構、アデランスの4者は、肥満を引き起こす要因が毛包幹細胞に働きかけ脱毛を促進する仕組みを突き止めたと発表した。

この研究は、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授(東京大学医科学研究所・老化再生生物学分野 教授兼任)と森永浩伸プロジェクト助教らのチームが、日本医療研究開発機構(AMED)「老化メカニズムの解明・制御プロジェクト」やアデランスによる実用化研究支援などの支援のもと、ミシガン大学や東京理科大学などと共同して行ったもの。

研究成果は、国際科学誌Nature(ネイチャー)のオンライン版で、2021年6月23日午後4時(英国夏時間)に発表された。

本研究のポイントは以下の4点。

・高脂肪食の過剰摂取や遺伝性の肥満がマウスの脱毛症の発症を促進することを示した。
・毛包幹細胞の中で酸化ストレス、脂肪滴、炎症性シグナルが段階的に発生し、幹細胞と毛を再生させるソニックヘッジホッグ(Shh)経路を抑制することを明らかにした。
・毛包幹細胞においてShh経路が抑制されると、毛包幹細胞が表皮または脂腺への分化によって失われ、これによって毛包のサイズが小さくなり毛が細くなることを明らかにした。
・早期からの予防的介入により毛包幹細胞を維持することによって脱毛症の進行を抑制できることが明らかになった。

↑肥満が脱毛症を促進する仕組み

研究チームは、研究成果の意義を「老化メカニズムの解明とその制御は、超高齢化社会において喫緊の課題となっています。特に先進国で深刻な問題となっている肥満は、糖尿病や虚血性心疾患、認知症、がんなど、多くの加齢関連疾患の危険因子であり、『万病の元』となることが知られています。

しかし、老化と肥満の関わりは十分に理解されていません。本研究では遺伝的に均一なマウスを用いて毛を生やす機能を担う小器官である毛包において、肥満の環境要因や遺伝学的要因が幹細胞内でのシグナルへと収束して再生シグナルを抑制し、これが幹細胞の枯渇と器官の機能低下に対して決定的に働くことを明らかにしました。

加齢や毛周期ごとの周期的再生による幹細胞老化(ステムセルエイジング)とは異なる経路を介しながらも、いずれも幹細胞の枯渇を引き起こし、相乗的に脱毛症を進行させることが明らかになりました。

またそのプロセスが潜在性に進行することから、予防の重要性は明らかです。今後、幹細胞を中心とした更なるメカニズムの解明によって、脱毛症をはじめとする様々な加齢関連疾患の予防や治療に対する新たな戦略へとつながることが期待されます」としている。

関連情報
https://www.tmd.ac.jp/
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/
https://www.amed.go.jp/
https://www.aderans.co.jp/

構成/立原尚子

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