現金は不特定多数の人が触っているので、お世辞にもキレイとはいえない。生活に必要とはいえ、できれば触りたくないと思っている人もいるだろう。ましてや現在は、新型コロナウイルス感染症がいっこうに収束の気配を見せないので、なおさらそう思っても不思議ではない。
こう思っている人たちにとって便利この上ないのがキャッシュレス決済だ。クレジットカード、電子マネー、スマホ決済と、キャッシュレス決済の手段は多様化し、使えるところも格段に増えた。
しかし、キャッシュレス決済をするには財布からカードを出したりスマホアプリを立ち上げたりと、些細だが面倒な手間が発生する。積極的にキャッシュレス決済を活用すればするほど、ムダな時間が増加。これからのキャッシュレス決済には、簡単・スピーディーにできる新たな手段の登場が望まれているといってもいい。
このような中で登場し現在注目を集めているのが、EVERINGが開発したスマートリングの『EVERING』だ。一般販売は2021年9月の予定だが、5月17日に3000個限定で、同社公式ホームページで先行予約を開始したところ、わずか1日で完売。第2弾も数量限定で7月1日から販売している。
また、6月22日から期間限定の特設ポップアップストアを開設している。場所、会期は次の通りだ。
・六本木 蔦屋書店
6月22日~7月11日(9時~20時。6月22日のオープンは11時~)
・代官山 蔦屋書店
6月22日~7月31日(9時~20時。6月22日のオープンは11時~)
・b8ta Tokyo-Yurakucho
6月22日~8月20日(11時~19時30分)
・b8ta Tokyo-Shinjuku Marui
6月22日~8月20日(11時~20時)
このほど同社は、特設ポップアップストア開設にあたり先行体験会を実施。一足早く体験してきたので『EVERING』の使用実感などをお伝えしたい。
六本木 蔦屋書店内にある『EVERING』のポップアップストア
VISAのタッチ決済に対応
『EVERING』は国際標準のセキュリティーが担保されたVISAのタッチ決済に対応。セブンイ-レブン、ファミリーマート、ローソン、イトーヨーカードー、イオン、ウエルシア薬局、マクドナルド、ドトールコーヒーショップ、タリーズコーヒーなど多くのコンビニ、スーパー、ドラッグストア、ファストフード店などで利用できる。対応店舗はVISAのウェブサイトで確認してほしい。このほか、リクルートが展開している『Airペイ』でもVISAのタッチ決済に対応するようになってきているので、『Airペイ』導入店でも利用可能だ。
リングは義歯にも使うジルコニアセラミック製。アレルギーが起きにくく高硬度で耐久性が高い上に、5気圧防水を実現した。はめたまま手が洗えるので、清潔を維持するのが容易だ。EVERINGの代表取締役CEOである川田健氏は、プロトタイプから数えて2年以上『EVERIN』をはめているが、はめたままシャワーを浴びたり入浴したりするのはもちろんのこと、プールで泳いだり海に入ったりしてもまったく問題なく使えているという。
リング内部にICチップを搭載しており、近距離無線通信のNFC(TYPE-A)に対応。NFC対応リーダーにかざすと、決済が完了する。非接触なので、決済に要する時間は8秒ほど。リーダーからの電波に反応して決済・認証する仕組みのため、充電不要だ。スマホ決済のように、スマートフォンのバッテリーが切れると使えなくなる心配がないのは、かなり嬉しい。
現金のチャージは専用のスマホアプリ(現在開発中)を使い実施。VISAをはじめとした主要なクレジットカードを事前に登録することでチャージでき、複数枚のカードを登録できる。
『EVERING』が1回にチャージできる限度額は3万円で、1か月のチャージ限度額は12万円。1つのリングで100万円まで利用できる。なお、決済機能にはクレジットカードの有効期限と同じ4年間という有効期限がある。
現在開発中の専用スマホアプリでは、チャージのほか残高や利用履歴の確認ができる。また、リングを紛失したり盗難に遭ったりしたとき、アプリを操作することで利用停止できる機能も実装している。リングが見つかったら、アプリ上から利用停止を解除すればいい。
紛失したり盗難に遭った場合は、専用アプリの右上にある鍵マークをワンタップすることで、機能を即座に停止することができる
人差し指にはめるのがオススメな理由
リングなのでアクセサリー感覚で使える『EVERING』だが、おもちゃっぽさはなく上質。ただ、高さがあるためか、指にはめてみると結構ゴツく、主張の強さを感じる。ただのアクセサリーではないことがバレてしまほどの主張の強さだ。
サイズはUSサイズの4.5~13を用意。はめる指はどこでもいいが、決済のやりやすさから人差し指にはめるのがオススメだという。
『EVERING』のサイズ一覧。USサイズ5.5は発売が夏以降の予定で、先行販売時に予約できない
人差し指がオススメな理由は、リングがリーダーと平行にならないと決済できないため。リングをリーダーと平行にするには、指をしっかり曲げなければならないが、それがやりやすいのが人差し指というわけである。
指にはめてリーダーで読み取る体験をしてみたが、拳を握りリーダーに近づければ、簡単に読み取ってもらえた。ただ、これでも便利だが、指を曲げるとかせずリングをはめた方の手をリーダーに軽くかざしたら読み取れるようになれば、もっと便利だ。そうなれば、どの指にもはめやすいので、アクセアリーという付加価値もアップするはずである。
普段使いの店での決済に最適
VISAのタッチ決済が使えるところと『Airペイ』を導入したところで使えるので『EVERING』が使えるところはかなり多く、利便性は高い。今後、さらに使えるところが増えると思われるが、現金をチャージしたリングを指にはめ、拳を握るようにして指を曲げてリーダーに近づけて決済するというスタイルは、格調高い高級店にはあまり馴染まない。そういうところはクレジットカード決済を用いるとし、コンビニのような普段使いの店での決済には『EVERING』を用いるといった使い分けをするのがいいだろう。ジョギング中にコンビニに立ち寄りミネラルウォーターを買うときに使う、といったときに便利だ。
現在はブラックのみだが、年内にはホワイトも発売する予定。決済のほかにはスマートロックも技術的に可能で、開発を進めているところだという。
こう聞いて一般販売が待ち遠しくなってきた人もいるのではないだろうか? そんな人は蔦屋書店2か所のポップアップストアに急ごう。特別に先行予約の手続きができるので、一般販売開始前に『EVERING』を手に入れることができる。
ブランドサイト
https://evering.jp/
文/大沢裕司