自転車用に開発された、GPS追跡・振動検知アラーム付きの”次世代スマートキー”「オルターロック(AlterLock)」。ロードバイク歴10年以上。出先でいつも盗難の恐怖と戦ってきた筆者が、実際に購入して試してみた。
オルターロックは、国内のIT企業「株式会社ネクストスケープ」が開発した、自転車用の”スマートキー”。現在筆者が使用しているオルターロックは2世代目。第1世代のモデルからは軽量化、小型化されより使いやすいものになっている。
サイズは長さ159mm x 幅38mm x 厚さ9mm、重量は約50g。本体にはGPS(GNSS)、アラームを鳴らすスピーカー、加速度センサー、Wi-Fi、バッテリーなどの機能が搭載されている。
水などを入れるボトルケージ(ドリンクホルダー)のボルト穴に取り付けて使用する。一般的にロードバイクのボトルは2つセットできるようになっていて、これらのボルト穴のサイズは共通。オルターロックはどちらにもセット可能だ。
上部のボタンが押しやすそうなので、シートチューブ側のボトル穴にセットした。
アプリに愛車の情報を登録
本体を自転車に取り付けたら、スマホアプリの設定を行う。愛車の画像や車体番号、パーツ類の情報を入力していく。また振動感度の高さ、アラームの大きさなどもこのアプリで設定を行える。
アプリでは盗難の対策だけではなく、自転車のメンテナンスについても登録しておけるところが面白い。チェーンをクリーニングしたタイミングやタイヤの交換時期などを記載しておけば、次はいつ行えばいいか分かりやすい。これらの交換の時期は意外と忘れがちなところでもあり、さらに自転車に乗るうえで安全に関わってくる部分でもあるのでかなりありがたい。
振動によって響くアラーム
さてアプリの設定が済んだら、後は外に出かけて使用するだけ。使用方法は実に簡単。
アプリを開いて「ロック」の状態にするだけ。
もしくは本体のボタンを押すことでロックはできる。いちいちスマホを出さなくてもいいので、さらにお手軽。
この状態で自転車に一定の振動を与えると、オルターロック本体に内蔵されたスピーカーからアラームが鳴り響く。アラームの音量や継続時間、振動の反応感度はアプリで調整が可能だが、なんともいやな音が鳴り響くので泥棒や周囲へのアピールは十分といえる。
また第2世代のモデルでは「初回の揺れでは小さな音が、2回目の振動で大音量のアラームが鳴るという設定」も可能。きちんと警告しながら、誤作動を防ぐことができるので、周囲に迷惑をかけることがないだろう。
警告がなった場合はスマホにも通知が届くので、ツーリング中、食事やトイレなどで愛車を離れた際にも異変を素早く察知できる。
GPSとWi-Fiで愛車の位置を特定
もしアラームの警告が合ったにも関わらず、愛車が持ち去られた時には、本体に内蔵したGPS(GNSS)によって、愛車の位置を特定。マップで場所を示してくれる。
定期送信機能が搭載されており、定期的に離れた場所からでも現在の自転車の位置情報を確認できる。クルマなどで運ばれた場合でもしっかり追跡が可能だ。
またWi-Fiの電波から、現在の愛車の位置情報を割り出す機能も搭載されている。これによってGPSの電波が届かない建物の中や地下などの場所でも位置情報の取得が可能だ。
愛車が持ち去られた場合も、最長で約1ヶ月半のバッテリー寿命を持っているので、警察が操作する際の手掛かりになります。バッテリー容量が低下した場合もスマホに通知してくれるのでいざという時の電池切れも防ぐことができる。
本体価格のほか月額使用料が必要!
本体価格は1万780円。ほかシステム使用料「サイクルガードサービス」に加入する必要があり。月額396円のほか、2ヶ月分がお得になる年額プランも設定されている。
ちょっと値が張るような気がするが、ロードバイク自体値が張るものなのでそれを守るためのコストとしては見合うもののだと思える。
もともと一人で走るのが好きな方だが、コロナ禍によってさらにひとりで走る機会が増えた。もちろんツーリング中にコンビニやトイレに行く時にはカギをしては行くが、それでも盗まれてしまうのが自転車・・・。そんな時でもこのオルターロックがあれば、愛車を離れる(そんな長い時間ではないが)のが不安ではなくなった。
オルターロック
本体価格/1万780円
月額使用料/396円
https://alterlock.net/ja/
今 雄飛(こんゆうひ):ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン