DIME MAGAZINE
長引くコロナ禍でリモートワークが定着し、家庭でも独立した空間が必要に。そんな中、注目を集めているのが、密を防げる独立空間の「小屋」だ！
新たなサードプレイスとして注目が高まる小屋＝タイニーハウス。
「もともとはアメリカのミレニアム世代に端を発した『ミニマリストブーム』がきっかけでした。それが今年、リモートワークの普及で人気が再燃。著名建築家がデザインした小屋も登場しワーケーションや多拠点生活が注目される中、〝移動できる小屋〟としてトレーラーハウスも人気です」
ただし、小さいから低コストで簡単に建てられるというわけではない。
「建築申請や本体以外の工事費、固定資産税などの費用が別途かかる場合も多いんです（下表）」
とはいえ、小さいながらも自分だけのワークスペース、秘密基地を持てる喜びは大きい。まずは、建築専門家仲介サイト『SuMiKa』などで情報収集し、第一歩を踏み出そう。
SuMiKa 松本美帆子さん
総合出版社の雑誌編集長を経て、日本初の建築専門家仲介サイト『SuMiKa』にて、家づくりの魅力をわかりやすく発信。
ベースありきでカスタムもOK！【READY MADE】
地域拠点としての〝はじまりの小屋〟
無印良品『無印良品の小屋』
300万円（材料費・施工費込み）※オプション別途
「家や別荘ほど大げさではなく、地域でのもうひとつの暮らしとなる拠点」というコンセプトのもと、無印良品が設計。水回り機能を設けないことで費用を抑えるのはもちろん、地域との関わりを深めることも狙いとしている。
施工DATA
構造：木造軸組工法 基礎：鉄筋コンクリート造・ベタ基礎（防湿シート敷き・床下換気なし） 材料：［躯体］ 構造用製材、構造用集成材（いずれも針葉樹） ［外壁］ 焼き杉材（オイルステイン仕上げ） ［内壁］ 芯材：構造用合板、表面材：ひのき材単板 ［床］ モルタル仕上げ ［屋根］ 下地：構造用合板・アスファルトルーフィング 表面材：ガルバリウム鋼板 ［引き戸、小窓］ アルミサッシ（単層ガラス） ［断熱材］ ポリスチレンフォーム（屋根裏のみ） 延床面積：12.2m²（屋内9.1m²、縁側3.1m²） 保証：躯体に対して5年間、そのほか1年の建物保証体制あり
床面は土間のように使えるモルタル製。好みの床材やラグを敷いて使うのもおすすめだ。
【こだわりPOINT】
「装飾や機能を最小限までそぎ落とすことで、使い手自身が自由に手を加えることができるようにしています」（良品計画ソーシャルグッド事業部・高橋 哲さん）
小屋と人間がゆるやかにつながる
小屋やさん『隈研吾デザイン 小屋のワ』
297万円（小屋本体）、大型庇・ウッドデッキ110万円
小屋同士をつなげ、1つのパブリックな空間を生み出すことを考えた建物は、建築界の巨匠・隈研吾氏のデザイン。大きな開口部は限られた内部空間を拡張し、いくつかの小屋がつながることで人間関係もゆるやかにつながることを目指している。
施工DATA
構造：木造軸組壁工法 材料：［躯体］ 2×4材、2×6材、針葉樹合板 ［化粧柱］ 岡山県産ひのき ［内壁・床・屋根・下地］ 国産ひのき合板 ［屋根材］ ガルバリウム鋼板 ［外壁］ ガルバリウム鋼板素地たたき上げ ［サッシ］ アルミ複層ガラス ［断熱材］ グラスウール90mm ［大型庇］ ポリカーボネート、ステンレス柱 ［ウッドデッキ］ 岡山県産杉リブ加工 延床面積：9.9m²（屋内9.1m²、縁側3.1m²）
外壁は板金職人がガルバリウム鋼板を叩くことで、プリーツ柄のような独特なパターンが生み出されている。
【こだわりPOINT】
「小屋の前面に設けた半透明のひさしで自然光を採り入れています。内部は国産ひのきをふんだんに使った明るい空間です」（植田板金店 小屋やさん・広報担当）
予算10万円台で手に入る！透明ドームテントも登場
透明のシートに覆われており、晴れた日は日差しがたっぷり降りそそぐ。お気に入りの観葉植物を育ててもいいし、夜は満天の星を眺めて過ごすのも最高だ。別売りオプションで日よけと防虫それぞれのカバーも販売されている。
夢木香『ガーデンイグルー』19万円
庭先や屋上など、省スペースでも手軽に楽しめるドーム空間。特別な工具は必要なく、コネクターをつなげればすぐ完成。天候関係なく一年中使用できる。
取材・文／高山 恵
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