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国会でよく見る「牛歩戦術」とはそもそもどんな意味?

2021.07.08

「牛歩戦術」という言葉を見聞きしたことがあるだろうか。これは、政治分野において少数派が駆使する抵抗手段の一つで、日本では過去に何度も行われてきた。言葉自体は聞いたことはあっても、一体なぜそのような手段を行うのかまで理解していない人もいるかもしれない。

そこで本記事では、牛歩戦術とは何か、どのような目的で行われるのかを解説したい。意味や目的を知っていれば、新聞やニュースの見方が少し変わるはずだ。

牛歩戦術とは

牛の歩みがゆっくりであることから、歩みが遅いことや物事が進まないことを「牛歩」と呼ぶ。牛歩戦術は、この牛歩を"戦略的に"行うことを指す言葉だ。具体的な内容を見ていこう。

主に議会内の記名投票で行われる妨害戦術

牛歩戦術は国会内における議案の投票時、反対する人が議事を妨害する目的で行われる。日本の国会における採決は、5分の1以上の議員から要求があった場合「記名投票」が行われ、名前を呼ばれた議員から演壇にある投票箱に賛成・反対を記載した用紙を投票していく。主に国会内の少数派が用いる手段で、自分の名前が呼ばれてから足踏みなどをしてゆっくりと前進し、時間稼ぎをする手段のことを指す。

牛歩戦術をするのはなぜ?目的は?

日本では、審議が不十分である議案が強行採決されようとしている場面において、牛歩戦術が行われることが多い。牛歩戦術により時間稼ぎをしている間に、先決議案である「議長不信任決議案」「委員長解任決議案」「内閣不信任決議案」「首相、担当閣僚の問責決議案」を提出するなど、抗議とセットで行われることも少なくない。つまり、牛歩戦術は野党が与党に対し、反対していることの意思表明、抵抗手段とも言える。

また、議事日程を遅らせることで、時間切れによる廃案を目指す目的もある。過去には投票だけで8時間以上かかった事例もあるという。

牛歩戦術のメリット

このように、牛歩戦術は野党が時間稼ぎのために行うのが目的だが、それ以外にもメリットがあるとの見方もある。その一つが、国民に対して議案を問題視させるというものだ。反対であってもスッと投票を行うよりも、メディアや国民の目を引くことから、議案が「本当に必要なのか、可決して良いものなのか」を改めて考えさせる機会になる。特に、政治への関心が薄いと言われる日本において、問題意識を持たせる点において一定のメリットがあるのかもしれない。

牛歩戦術の注意点

国会における牛歩戦術には、注意しなければいけないことがある。それは、長く同じ場所に静止したり後退したりすると「投票の意思がない」とみなされ、棄権として扱われてしまう可能性がある点だ。あくまでも投票を行う意図があることを示すために、どんなにゆっくりでも、前には進まなければならない。

牛歩戦術の事例

日本では過去に、幾度となくこの牛歩戦術が行われてきた。ここでは、成功となった事例、失敗で終わった事例をそれぞれ紹介する。

【成功事例】1946年8月 樋貝詮三議長不信任決議案

戦後の1946年、樋貝詮三(ひがいせんぞう)議長不信任決議案の討論の打ち切りに抗議をする目的で共産党と社会党が牛歩戦術を実行。樋貝議長が辞職をしたため、結果的に成功となった。

【失敗事例】2019年9月 安全保障関連法案

全保障関連法案(通称、安保法)は、第3次安倍内閣が衆議院に提出した議案。自衛隊の役割拡大などを目的に、法制の整備の内容が盛り込まれていた。当時、生活の党共同代表であった山本太郎氏がこの法案に反対し、牛歩戦術を行った。民主党、共産党、社民党も牛歩戦術を行う示唆はあったものの、山本氏一人で実行される。結果的に法案は可決したものの、その様子はテレビで取り上げられ当時話題となった。

海外にも牛歩戦術はある?

日本では牛歩戦術が言葉として定着しているものの、海外でも同じ手段が使われているのだろうか。最後に、アメリカの議事妨害の事例を紹介したい。ちなみに、英語では牛歩戦術を「Cow walking tactics」と呼ぶが、日本と同じようにゆっくりと歩くことで時間稼ぎをする手段は、世界ではあまり見られないようだ。

米国上院の「フィリバスター」

オランダ語で「海賊」の意味を持つフィリバスター(filibuster)は、計画的に議事の進行を妨害することを指す。米国上院では原則、議員の発言時間に制限が設けられていないため、それを利用し、長時間の演説を行い議事の進行を妨げる。日本同様、議会の少数派が行うのが一般的。日本の牛歩戦術と手段は異なるが、議事妨害の目的は共通している。

文/oki

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