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3割の人が誤った解釈をしている慣用句「一姫二太郎」の正しい意味と言葉の使い方

2025.01.03

「一姫二太郎」という慣用句について、本来の意味と使い方を解説。また、子育てにおけるメリット、デメリットも紹介するので、併せて参考にしてほしい。

「一姫二太郎」という慣用句を、誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。しかし、文化庁の調査(※1)によると、日本人の3割以上の人がこの言葉の意味を間違えて認識しているというデータがある。

そこで本記事では、「一姫二太郎」の正しい意味を解説する。子育てにおけるメリット、デメリットも紹介するので、併せて参考にしてほしい。

※1:文化庁「国語に関する世論調査」

一姫二太郎の本当の意味は?

姉と弟

中には一姫二太郎の意味を、「女の子が1人、男の子が2人」と解釈している人もいるかもしれないが、これは誤り。まずは、一姫二太郎の正しい意味からチェックしていこう。

「第一子が女の子、第二子が男の子の順に授かるのが理想的」という意味のことわざ

一姫二太郎は、「第一子が女の子、第二子が男の子の順に授かるのが理想的」という意味のことわざ。語句に含まれる「一」と「二」の数字は、子供の人数ではなく、生まれる順番を示している。つまり、第一子が女の子で、第二子が男の子なら、子どもが何人いても「一姫二太郎」となり、三人目の性別は関係ない。

この言葉の由来は、「女の子の方が育てやすい」という考え方からきている。昔から「女の子は男の子に比べて夜泣きが少ない」「女の子の方が丈夫で病気になりにくい」などと言われており、初めての子育ては女の子の方が良いとされてきた。加えて、第一子に男の子を望んでいた親の気持ちを慰める言葉として、一姫二太郎が使われるケースもあるようだ。

子どもが何人いても「一姫二太郎」

「一姫二太郎」という慣用句は、必ずしも子どもの人数が二人に限定されるわけではない。もともとは「最初に女の子が生まれ、その次に男の子が生まれるのが理想的」という意味で使われてきたが、子どもの人数にかかわらず、長女がしっかりしていれば家庭がうまくいくというニュアンスでも使われることがある。

このため、子どもが三人以上いる家庭でも「一姫二太郎」のように表現されることがあり、現代ではより柔軟な意味合いで受け取られている。

「一姫二太郎三かぼちゃ」は松竹新喜劇の舞台名

一姫二太郎三かぼちゃは、1948年に旗揚げされた松竹喜劇の人気演目の一つ。2006年からは明治座で行われた志村魂でも「一姫二太郎三かぼちゃ」がたびたび上演されていた。あらすじは、「兄弟の中で一番出来の悪い三男坊が、家族を救う」というもの。ちなみに、「一姫二太郎三かぼちゃ」は一姫二太郎という言葉を使った“演目名”なので、言葉に特別な意味はない。

「一姫二太郎三なすび」とは?間違い?

「一姫二太郎三なすび」という言い回しも存在しており、これにはいくつかの由来が考えられている。一つは、「最初が女の子、次が男の子であれば、三番目は何であっても良い」という意味から来ているという説だ。

この解釈では、家庭の理想形として語られる「一姫二太郎」に続く表現として使われている。また、「一富士二鷹三なすび」という日本の縁起物に由来し、そこから転じて誤用されたものだとする説もある。このように、多様な解釈があることを覚えておこう。

「一姫二太郎」は育てやすい?羨ましいのはなぜ?そのメリットは?

ママ友同士の間で、「一姫二太郎で羨ましい」「一姫二太郎が理想」などの会話が交わされることも珍しくない。では、なぜ一姫二太郎が羨ましがられるのだろうか。ここでは、一姫二太郎のメリットを紹介する。

ママの戸惑いが少ない

一般的に「第一子が女の子の方が、初めて育児をするママの戸惑いが少ない」と、言われている。そもそも男の子は、母親からすると異性になるため、理解が難しいと感じる場面も少なくない。一方で、女の子はママと同性になるため、体の仕組みが理解できたり、気持ちに共感しやすかったりする。右も左も分からない状態でスタートする子育ては、「ママと同性の女の子を育てる方が負担が少ない」と考える人が多いようだ。

長女がお手伝いや弟の面倒を見てくれる

女の子は、幼いころから母親の真似をするのが好きなことも多く、率先して弟の面倒を見てくれる傾向にある。普段から、おままごとやお人形遊びが好きな女の子は、母親と一緒に弟の子育てを楽しみ、育児の即戦力になるケースも少なくない。子育て中は猫の手でも借りたいと言う母親が多い中、積極的に弟の面倒を見てくれる助っ人がいることは、母親にとってメリットと言える。

第二子だから男の子でも冷静に対応できる

第一子に女の子がいる場合、第二子に男の子が生まれても子育てに対する戸惑いが少なく、何事も冷静に対応できるという意見もある。母親は、一人目の育児を経験することで、子育てに対する自信が持てるもの。同性である女の子で子育てに慣れておくと、たとえ第二子が男の子だった場合にも、心に余裕をもって育児に臨める。子供の成長のプロセスが分かっているからこそ、男の子の育児にありがちな予想外のトラブルにも冷静に対処できるはずだ。

「一姫二太郎」にはデメリットもある?

姉と弟

反対に、一姫二太郎にデメリットはあるのだろうか。一般的に多く挙げられているのは、洋服のお下がりを着せられないことによって、衣服代がかかること。同性の兄弟なら上の子のお下がりを下の子に着せるのは当然のことだが、姉弟の場合、それは難しいケースが多い。特に乳幼児期の成長スピードは速いため、新しく買った洋服がワンシーズンでサイズアウトしてしまうことも少なくない。一姫二太郎には金銭的な部分で、多少のデメリットがあるようだ。

ママが一姫二太郎との日常生活を綴るブログなどでは、「一姫二太郎は勝ち組と言われるが、そうとは限らない」「一姫二太郎が理想かどうかは家庭によってそれぞれ」「親戚中に、“一姫二太郎は育てやすいでしょう”と言われ続けて、最悪」など、一姫二太郎だけが理想ではないという意見もある。生まれてくる順番で育てやすさが変わるという意見もあるかもしれないが、結局は“その子に合わせた子育て”が大切なのかもしれない。

構成/編集部

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