昨年から続く外出自粛は、お酒の楽しみ方も”外“から”自宅”へと変化をもたらした。これまでよりもちょっと高級なボトルに手を出してみたり、おつまみを手作りしてみたりと楽しんでいる方も多いことだろう。
そうした今、もっとお酒にこだわることができないだろうかと考える人が増えてきている。“こだわり”という話であれば、ウイスキーの話は避けては通れない。ラグジュアリーに楽しむならストレートが向いているし、これからの季節にはハイボールがピッタリだ。
せっかく始めるなら、個性が強い“シングルモルト”から始めたい。少しむずかしいイメージがあるかもしれないが、ウイスキー専門誌『ウイスキーガロア』を発行するウイスキー文化研究所の代表・土屋守さんによれば「実は、ブレンデッドよりもシングルモルトのほうが初心者にはおすすめですよ」と話す。その真相とは――。
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初心者だからこそシングルモルトで
ウイスキーの個性を感じたい
難しいイメージがあるシングルモルトだが、初心者でも楽しめるとはどういうことなのか。
「シングルモルトウイスキーは、一つの蒸留所で作られたウイスキーだけを瓶詰したウイスキーです。蒸留所ごとに全く異なる味を持ち、一つとして同じ味のシングルモルトは存在しません。シングルモルトには個性がひとつひとつありますが、必ずしも飲みにくいということではありません。香りが深いという個性もあれば、すっきりとした軽い味わいが個性のウイスキーもあります。ウイスキーを始めたての方でも、このシングルモルトの“個性”の奥深さにはまっていく方は多いのです」
株式会社ウイスキー文化研究所代表 土屋守さん
ウイスキー評論家。1987年から1993年までイギリス在住。1998年ハイランド・ディスティラーズ社より「世界のウイスキーライター5人」の一人として選ばれる。2001年、自らを代表とするスコッチ文化研究所(現 ウイスキー文化研究所)を設立。2014年9月から2015年3月に放送されたNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」ではウイスキー考証として監修を務めた。
では、シングルモルトの良さの”個性”を最大限に楽しむにはどういった飲み方をするのがいいのだろうか
「香りが非常に豊かなのがシングルモルトの良さです。だからいきなりキンキンに冷やして飲んだり、水割りやハイボールにするといった飲み方は控えたほうが良いでしょう。
シングルモルトを楽しむなら、まず小ぶりなグラスを用意してください。飲み口の小さいチューリップグラスなどがおすすめです。そのグラスに常温のウイスキーを10~15mlほど注いだら十分。まず香りを味わってみてください。いきなり鼻を近づけすぎてはいけませんよ。ゆっくりゆっくり香りが感じられる範囲に近づける。はじめは甘いな、フルーツみたいだなで十分です。香りを十分堪能したら、少量を口に含みすするように飲む。ゆっくり飲み干して、こんなに飲みやすいんだ、こんなに甘いんだというのを感じほしい」
慣れてきたなら加水やハイボールもおすすめだという。
「ウイスキーはアルコール度数が40%ほどあるので、少しつらいと感じる方は常温のミネラルウォーターを加えてアルコール度数を30%ほどに下げて飲んでみるのもいいでしょう。全体の3分の1ほどの水を加えるのが目安です。加水しすぎると風味が飛んでしまうので気を付けてください。
食事とのペアリングですが、例えばBBQにシングルモルトのストレートを合わせるのは違うと思います。シングルモルトのストレートはそれだけで楽しむことをお勧めします。料理に合わせるときや、おつまみを用意するならハイボールがいいでしょう」
マイルドで飲みやすい個性を持ったウイスキー
「グレングラント アルボラリス」が登場
ウイスキーの知見も高まりシングルモルトを手に取ってみたくなってきたという方にオススメのウイスキーが2021年5月11日に発売された「グレングラント アルボラリス」だ。ラテン語で「木漏れ日」を意味するアルボラリスの名にふさわしい、優しく温かみのある風味は初心者にも飲みやすいシングルモルトウイスキーである。
前出の土屋氏はグレングランド蒸留所を次のように説明する。
「グレングラントは1840年に創業されたスコッチウイスキーを代表する蒸留所の一つです。スコッチウイスキーの生産区分の中でも最も大きなスペイサイド地区を象徴する蒸留所とも言えるでしょう。スペイサイド地区のウイスキーは華やか、スイート、フルーティーが特徴です。その中でもグレングラント蒸留所は華やかさを感じつつもマイルドで飲みやすい。シングルモルトで本領を発揮する蒸留所と言えるでしょう」
これほどまでに歴史を持つグレングラントだが、日本での知名度はそこまで高くない。その理由を、グレングラントを日本で販売するCT Spirits Japan 株式会社の担当者に理由を聞いた。
「イタリアでは最大のシェアをもつシングルモルトウイスキーで、『シングルモルトといえばグレングラント』といわれるほどです。イギリスをはじめ世界中で知名度は高いのですが、一本一本こだわって製造しているゆえに本数が少なく、これまでは日本の市場に十分にチャレンジすることができていなかったんです」
実際にグレングラントは直近でも数々のコンペティションでも賞を獲得している。
●サンフランシスコ・ワールドスピリッツ・コンペティション2021 ダブルゴールド
●東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2021洋酒部門金賞
(いずれも長期熟成タイプの「グレングラント 18年」で受賞)
グレングラントの魅力を伺ったところで、さっそく「グレングラント アルボラリス」をストレート、ハイボールで味わってみた。
個性をダイレクトに感じるストレート
新たな発見のあるハイボール
まずはストレートで「グレングラント アルボラリス」を試してみた。前項の土屋氏の教えの通りグラスに少しだけ注ぎまずは“香り”を感じてみる。
鼻元にゆっくりと近づけていくと、フルーツのような甘い香りがふわっと広がってくる。フルーティーと言っても、シトラスのような柑橘系でも熟したバナナのようなトロピカルな感じではない。もっとフレッシュな、リンゴや洋ナシのようなさわやかな香りだ。フルーティーな香りの裏側にはフローラルさやハーブもあって温かみがある。
香りを堪能した後、少し口に含んでみると先ほどまで鼻で味わっていた香りが口の中いっぱいにじんわりと広がっていく。これまでイメージしていたスコッチウイスキーのスモーキーさやピート臭さは一切感じないマイルドな口当たりだ。
ストレートといえば就寝前の一杯と思い込んでいたが、日中の暖かい日差しの中、庭先で飲んでいる姿も想像できる温かさがある。
次はハイボールにして飲んでみた。炭酸水を加えたことで、先ほどまで感じていた香りがかなり薄くなったのが少し残念だったが、一口飲んでみると、思わず「これはいい!」と口に出た。アルコール度数が下がったことで、喉ごしでも「グレングラント アルボラリス」の個性を感じることができるようになった。シングルモルトをハイボールにするのは少しもったいないと思っていたが、少し豪華な夕食を用意した時にはこれくらいの贅沢はしてもいいかもしれない。
アルボラリス以外にもある
グレングラントの魅力
試飲の結果、「グレングラント アルボラリス」は飲みやすい口当たりでありながらシングルモルトの個性を味わえるウイスキーだった。しかも価格は2750円。シングルモルトウイスキーと言えばもう一回り高価なものではないだろうか。
「『グレングラント アルボラリス』も当初はもう少し高い価格設定を考えていましたが、社長の『グレングラントを知ってもらう絶好の機会だ!』との鶴の一声でこの価格になりました。なのでぜひ多くの方に試してもらいたいです」(前出・CT Spirits Japan 株式会社担当者)
「グレングラント」はアルボラリス以外にも、シングルモルトの個性をもっと感じられる長期熟成のラインナップも用意されている。
・グレングラント10年 4400円(希望小売価格、税込み)
・グレングラント12年 6600円(希望小売価格、税込み)
・グレングラント18年 2万2000円(希望小売価格、税込み)
自宅で楽しむお酒の時間をもっとハイグレードなものにしたいならシングルモルト「グレングラント アルボラリス」から始めてみたい。
商品名:グレングラント アルボラリス
容量:700ml
原産国:スコットランド
希望小売価格:2750円(税込み)
※お酒、飲酒は20歳を過ぎてから
取材・文/峯 亮佑 撮影/玉井幹郎、篠田麦也